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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
SEばかりの職人組織を手く束ね、部下のやる気を引き出しているマネージャにその秘訣を聞いた。彼のやり方の特徴は、目標作りを全員参加で行うこと。それも1回1〜2時間のミーティングを毎週、10回近く重ねて納得感のある目標を作るのだという。小さなMTGを重ねながらを課題を具体的な、細かい行動レベルに落としていくプロセスは、現場の社員の当事者意識を高める上でとても有効だ。
機械メーカーの幹部と話していたら、販売前から「絶対に売れる!」と分かる商品があるという。それは「こんな機械」と口頭でコンセプトを伝えただけで、6−7割の人が「あ、それはいい!」と反応する商品だ。同社の人はそれを「図面なしでも売れる商品」と言う。わが身を振り返っても売れた商品は、簡単に口頭だけで伝えることが出来た。逆に言えばそこまでシンプルにしないと売れないのだ。
某中堅企業で、オーナーのDNAを伝承するプロジェクトを進めている。DNAの伝承に不可欠なのが歴史を振り返ることだが、「こんなことがありました」と歴史を振り返るだけでは「ふぅん」で終わり。「なぜこうしたのか?」「どうしてそうなったのか?」等テキストの中にふんだんに「?」を盛り込み、同社の若者が先輩たちの判断と行動に興味を抱かせることが重要だ。私の役目はその「問いを投げる」ことである。
某システムベンダーの経理部の幹部が新規事業のアイデアを持って相談に来た。その数5件。聞くと、同社には卓越した技術力がある。が、顧客から見れば大きなシステムのひとつの構成要素でしかなく、自社では需要を創造できないのだという。そのためここ数年伸びが止まってしまい、その危機感から新規事業を考えたというのだ。経理部も立場ながら会社を憂い、自らアイデアを多数出さんとする志は見事だ。
複数の事業を経営する社長と話す。彼はいろんな事業を立ち上げたが、上手くいった事業と失敗した事業がある。そして成功した事業には共通の要素があったという。それは、ドラッカーの言うミッションがあったこと。「きっと儲かるだろう…」と私利私欲だけで立ち上げた事業はことごとく失敗。一方「地域の人が可愛そうだ」と思って始めた事業は成功。ミッションがあるからこそ、苦しいときに踏ん張りが利いた、というのだ。
実に不思議なことだが、今振り返っても1安打完封負けした昨日の試合が今年のベストマッチだったように思えてならない。それは、優勝チーム相手に集中力を高めて臨んだともあるが、敢えて「今年のベストマッチだった」と言えるのは「その試合から学んだことが最も多かった」からだ。自分のスポーツ体験を振り返っても「勝った瞬間」より「気づきを得た瞬間」を鮮明に覚えているものなのだ。
少年野球で息子のチームは前回優勝したチームと初戦で対戦した。結果は固い守りの前に1安打完封負け。間に落ちそうな当たり、センター前に抜けそうな当たりを次々好捕され、一方で当方にミスに巧みに突け込まれた。対戦して、少年野球で強いチームは投手力や打力に勝るチームではないと肌で分かった。違ったのは一人ひとりの守備時の集中力、緊張感、当事者意識。それが守りを固くさせたのだ。
いくら階層を分けても、組織全体で目指すところが一緒でなければ組織は機能しない。そこでその金融機関では、皆が向かうべきところも3段階で定義した。目的=経営理念の具体化、目標=経営目標(ビジョン)の実現、手段=経営戦略(事業計画)。目的に近づくために目標があり、その実現のために手段がある。その手段遂行のために階層別の役割がある…この意識を揃えることはマネージャの最も大事な仕事である。
某金融機関で階層別教育のプランニングを手伝う。まず階層を「店長」「次長」「係長」「職員」の4つに分け、それぞれの役割を定義した。「店長=ブランドを確立する」「次長=強い組織を作る」「係長=○○力あるチームをつくる(自律)」「職員=自分で考え近づいていく(自立)」。このように各階層の役割を明確に定義することで一人ひとりの責任感と参加意欲を高めることができる。
焼酎のファブレス企業の社長と話す。ここ数ヶ月、焼酎市場はハイボールに食われているという。それは単に「嗜好の循環」だけが原因ではない。ハイボールは焼酎よりも原価が安く、所得が下がり傾向にマッチしているし、外食産業側の儲けも大きいのが真因という。であれば、このハイボールブームを一時的現象と読むか、長期トレンドの始まりと読むか…酒類関係者はその見極め力が問われている。
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