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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
某製造業は、お客様第一を貫いている。とりわけ「お客様への恩返し」という価値観が強いのには驚いた。曰く「独自の技術を持つことが恩返し」「満足の行く製品を開発してお返しする」。確かに、独自技術を持ち続け、お客様から「あなたを選んだのは間違いではなかった」「あなた以外は考えられない」といわれ続けるのは大切なことだ。「還元する」という概念をこれほど強く持っている会社も珍しい。
「フロントを向いて野球をするな、ファンを見て野球をしろ!」は野村監督だが、モーターショウに出る部品メーカーのデザイン担当者も「役員のためのブースを作るな!」と号令をかける。ブースの主役は小学生や大学生の来場者。彼らが主役だと思う「商品」が並んでおらず、役員が支持した商品ばかりが並んでいたら…それこそ失望する。役員は取引先の偉い人ばかり見ている。そこにズレがある。
『のどごしNo.1』の開発物語を聞く。同社では、コンセプトはターゲットの言葉で書くことになっている。今回のターゲットは日産エルグランデに乗るお父さん。言葉は「家族の笑顔に囲まれて幸せ!」だ。CMのキャラクターに使われたのは、ターゲットをそのまま映したグッサン。CMの迫力と同じ陳列を店頭で展開。会社の束縛と無縁なスッキリ感が、気持ちいい。ここまで一貫していたら売れるのも当たり前か。
キリン『アルコール0.00%のFree』には、当初メーカーが予想していなかったユーザーが飛びついたという。第一にお酒が全く飲めない人。飲めない人は宴会の席で肩身の狭い思いをしていた。その人たちを救ったという。第二は妊婦。毎日のように感謝状が届いているそう。第三に何らかの病気で酒を辞めなければならない人。酔うことはできないが、のど越しでは満足できる。大ヒット商品にはいつも想定外のユーザーがいるものだ。
キリンの工場を見学して「エビデンスマーケティング」を習った。「エビデンスマーケティング」は「糖質0」とか「カロリーオフ」など、効果に直結する成分・機能を含んだ商品特徴をトリガーに売る手法のこと。同社の今年のヒット商品『Free』は麦ではなく大豆から作ることで、アルコールなしを実現した。感心したのはキリンのどの担当者も『Free』について話すとき単に『Free』と言わず『アルコール0.00%のFree』と読んでいたこと。エビデンスの主張を全員に義務付けているところが素晴らしい。
楽天の野村監督の人事が注目されている。球団は彼を名誉監督にし、フロント入りさせようとしているが、彼はそれを固辞。あくまで現場にこだわる気だ。ビジネスマンでも本社のミドルになるか現場の責任者のままでいるかは、とても重要な選択である。部長や取締役ともなれば偉く見えるが、イコール現場から離れることであり、仕事の醍醐味からは遠くなる。野村監督は一生現場にいたい人なのだ。
市民運動会で大変な仕事のひとつが「アナウンス」だろう。当地区でも毎年同じおばさんが務めている。ときおり小学生と思しき子供に代わるけど、子供は「赤速いです」とか「がんばってください」とか、見りゃわかる実況中継が精一杯。その点おばさんは凄い。「お父さんたち、明日は大変な筋肉痛でしょう。筋肉痛という素晴らしいお土産を持って帰ってください」。そんな考え方もあるかと思わず苦笑した。
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