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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
某社会長と社内ベンチャーのことで打ち合わせ。曰く「これまで新事業という名の下にいくらも投資してきたが、わずかな額ではそのカネはどこに使ったかわからないまま消えていく。もっと思い切った額を投資しないと」。そして「経営というのは、背骨にヒビが入っているくらいが緊張しガムシャラになるから丁度いいのだ」。苦労した人は生きた金の使い方を骨の髄で知っている。
大阪でカフェを探す。それらしい店に入ると中はカップ式コーヒー自動販売機が3台+パンの自動販売機1台。店員が居ないセルフサービス店だ。ただし内装はドトール並みにさわやかで、若者中心で賑わっていた。カップの単価はドトールに近く130〜150円。価格があまり違わないのに彼らはなぜドトールに行かないのか。コンビニやFFの影響で味覚を失った現代人の姿を見たようだ。
某社社長は新入社員に問う。「客として二度と行きたくない店とはどんな店か」。新入社員は自分の過去を思い出す。「挨拶がない店」「掃除していなくて汚い店」「店員がボケている店」「商品が古い店」…。これらの理由の8割が、挨拶・掃除・点検などコストをかけずに克服できることばかり。ささやかな質問だが、こうして社長は新人に小さなことの大切さを理解させるのだ。
松坂屋が増床して面積日本一になった。百貨店はトキメキを提供するのが仕事だ。子供の頃、古い切手や鉄道モゲージやペットなどを見るたびにトキメいた。これだけ広く、滅多に見られないテナントを入れるとさすがにトキメク。問題は百円均一やドンキホーテのように、そのトキメキが続くかどうかだ。ハードに頼るトキメキは続かないのが常。どんどんリニューアルしていって欲しい。
プロパン供給会社の社員が髪を茶色に染めてきた。それを見た社長は黒に戻すよう指示。「俺が客なら、お前のような髪の店員が来る会社には二度と頼まぬ」「その事業所は10人のうち2人茶髪がいるだけで、大切な客を失う」「残りの8人に迷惑をかけることになるぞ」。翌日彼は髪を黒に戻してきた。納得できない指示は聞き流す若者も、納得すれば自分から行動を変えるのだ。
友人の子が、有名私立小学校を受験。面接試験で学校側から親に「家庭での教育方針は?」「叱るとき、褒めるときはどんなとき?」という質問があった。友人は自分の教育方針について「他人を助けて他人が喜び、それで自分も喜べる人に育てる」と答えたという。もし私だったら…そんな方針ひとつ持っていない自分に愕然とする。私立には子供だけでなく親も育てるパワーがある。
まさに錬金術師だ。1年前、大企業の役員が不動産管理子会社の社長になった。同社が所有する建物は「誰も借り手のいない負の資産」ばかり。物件は古く大きく、偏狭な立地。ところがこの1年間で借り手をどんどん見つけてきて、今年は去年の1.5倍を売上だ。去年コンサルしたとき、ここまでの用途が存在すると見抜けなかった。コンサルは人に教えるのが仕事のようで教えられることばかりだ。
阪神の優勝が決まった。感謝祭のごとく喜び合い、感極まる阪神ファンの姿を見ると、阪神ファンはつくづく「観戦」ならぬ「参戦」しているのだと思う。自分も何らかの形で戦い、喜びを共有したい。だからどれだけ注意されても自前でビールかけしたり、道頓堀に飛び込んだりしてしまうのだ。誰彼かまわず勝手気ままな参戦を許す、度量の大きなブランドは他にサッカー日本代表くらいである。
優勝を目の前で見たくない。その思いで必死で阪神に立ち向かい、白星を重ねるヤクルト、広島、中日。実生活では見たくないものがある場合は逃げればいい。が、逃げられないのが勝負の世界。ならば正面からぶつかって、恐怖心をエネルギーに変えて狂うしかない。意地は人を一段と美しくし、潜在能力を最大限に引き出す。デフレ経済が続く中、意地の経営が今ほど求められた時はないだろう。
マイクロソフト社のマネージャと話す。XPになぜパワーポイントが標準で入っていないかを尋ねると「それが戦略です。家庭内需要では不要のはず。欲しい人はパッケージを買って」。なるほど…。「バージョンアップはいくつまですれば気が済むの?」「多機能化は限界。今後はいかに使いこなしていただくか、そちらを充実させています」。何を聞いても同じレベルで力まず簡潔に答える。やっぱり優秀だ。
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