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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
1日に2本講演会をこなす。いつも帰り道は「ああ言えば良かったな」という反省ばかり。黒澤明監督は「最高傑作は次回作だ」が口癖だったそうだが、悔いを払拭するにはそれしかない。改善は永遠に終わらない−それを知るビジネスマンにとって偉業を「通過点に過ぎない」と語った高橋尚子やイチローは同胞である。
マラソン世界最高記録の高橋尚子とMBL新人最多安打のイチロー。どちらも日本人には夢また夢の偉業だ。高橋尚子は「秒」単位でタイムを管理し、イチローは次の目標を聞かれて「次の1本」と応えた。綿密な細かい管理が、大記録を生んだのだろう。百万円以下は金やない、とそう思う者ほど失敗するのが経営だ。
住宅展示場を視察。まばらな人影の中、積水ハウスだけ妙に来場客が多い。聞くと今日は家相師相談会を開催しているという。風水と四柱推命の占い師が来ていて、坊さんのような格好で家族と話をしていた。同社は岐阜市で年間150棟、31%のシェアを誇るが、このような事前に安心を創る企画も高シェアの一因だろう。
増収増益から一気に倒産したC社。ゲーム「ぷよぷよ」を生んだが、倒産のトリガーになったのは「ぷよぷよ」を象った饅頭『ぷよまん』だ。キャラクタービジネスは権利を売るのが基本。ところが饅頭の生産工場を立ち上げ、直営店で売ったのだ。工場や店舗経営を甘く見た…井の中の蛙的経営者の驕りこそ、倒産の根源だ。
T社の中核社員研修は3カ月に一度1泊2日。毎回、講義の前に社長・常務各1時間の講話が付く。社員は講話を通じてトップの見方・考え方を学び取るのだ。夕食後は常務の部屋で2次会。強制ではないが、いつも全員が参加する。常務の講話から自社の現状を知り、ひときわ危機感を抱いた社員が集まって来るのだ。
商業専門コンサルの友人に、小売業の「勝ち組」と「負け組」の見分け方を聞いた。自分が店に行って、どこにどんな商品があったかをすぐ覚えられる店が勝ち組。一方なかなか覚えられないのが負け組だ。売れ筋中心のMDがしっかりしているからだ覚えやすいのだという。複雑さは経営にとって百害あって一利なしなのだ。
「クレームは常に記録し改善しています」と語るU社長。ではファイル名は?と聞くと、「技術改善報告書」だという。これでは社員にその重要性はわからない。オリジナルな固有名詞「○○レポート」と付け、その上「○○レポートこそ我が社の宝」「1枚100万円!」ぐらい派手に呼ぶ。そこまで徹底すれば重要性は浸透する。
近鉄の優勝が逆転満塁本塁打で決まった。とかく派手に打ちまくった今年のチームだが、12年前に比べると阿波野のようなエースが不在なのが心許ない。攻撃ばかりを重視し、補給路について配慮しない日本人を象徴している。10得点しても11点とられてしまうリスク。経営では供給体制の不備から失注することが一番情けない。
家族旅行で鳥羽のホテルに宿泊。朝食後、ロビーに海産物の土産物の出店がでていた。呼び込みのオッチャンは、「そのカワハギは今朝焼いたものでっせ」と奇妙な関西弁を話す。多分、鳥羽弁なのだろう。こういう呼び込みは、台詞よりもまず地元訛りだな、土産物売りの説得力は「何を」より「誰が」にあると知らされた。
この2週間のうちに2人の病院長から同じことを聞かれた。「これからの病院経営には何が必要ですか?」。いずれも民間企業経営者向けの講演会の後。そんな場に医者が来ること事態が私には驚きだ。「院長が財務感覚を持つこととインフォームド・コンセント」と応えているが、講演会に来るような院長なら、まず大丈夫だろう。
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