TOM's Diary
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2008年02月21日(木) イージス艦事故

しつこく、イージス艦と漁船の衝突事故の話。
昨日は報道(評論家)批判みたいな内容だったが、今日は自衛艦の対応。

昨日「私なら減速する」と書いた。
あたごの最大速力は30ノット以上。
それが10ノットで航行中だと言うことはもしかしたら、もっと早くに気づいていて減速済みだったのかもしれないと思いつつも、東京湾に近い交通量の多い場所でまさか30ノットで航行するとは思えない、きっと10ノットで航行中だったに違いないと勝手に想像して書いた。勝手な想像だったが、思ったとおりだったようだ。

昨夜の報道を見ていると、減速どころか、なんと衝突の直前までオートパイロット(自動操縦)を使っていたと言うではないか。

クルマで言えばクルーズコントロールとかオートクルーズ。
最近のクルマのオートクルーズはレーダーやらカメラを駆使して車間が詰まったり車線を逸脱しそうになるとドライバーに警告を出したり、クルマが自らブレーキやハンドルの制御を行うそうだが、ハイテク自衛艦と言えどもそんなものが付いているとは思えない(一般に船舶用のオートパイロットは指定した針路に指定した速力で航行するだけ。つまり速度維持とハンドル操作のみ)。実際、防衛部長の記者会見でも自動操縦中に回避行動が取れるかと言う記者の質問に対しても「そんなことは出来ない」と答弁していた。
と言うことは、安全に運行しようなどと言うつもりがまったくなく(あの海域が危険だとかそういうことは考えもせず)、漫然と運行していたと言われてもしょうがない。

また、昨夜の報道で漁船の船団がどのような陣形で航行していたのかもだいぶ判った。
あの状況では右舷灯(緑)とマスト灯のほかに左舷灯(赤)も見えていてもおかしくない。漁船によっては左舷灯(赤)だけが見えていたに違いない。右舷灯(緑)だけが見えたとしても、それはきっと漁船が前走する漁船の引き波を避けて一時的に転進したとかそういうことではないか?
さらに言えば衝突した漁船よりもかなり先行して航行していた漁船も居たのだから、きちんとワッチしていればもっと早く漁船に気づいていたはずである。そして、回避行動もしていてしかるべきである。
イージス艦のワッチは実際にはどのように見えていたのか、多数居た漁船のうち衝突した漁船の灯火を12分前に本当に確認していたのか、それより先行していた漁船の灯火はどの時点で確認できていたのかなど明らかにするべきである。
だいたい、多数の漁船がいたのに衝突した漁船の灯火だけしか確認できていないとしたら、先行していた漁船などはもっと危険な状況にさらされていたと言う証ではないか。

もう一つ、連絡の遅れはいったいどういうことなのか?
あれでは証拠隠しや、証拠隠滅などされたと思われても仕方ないだろう。私などは十中八九やっていると思っている。


さらに事故後の捜索活動が適切だったのかも疑問がある。
すぐに探照灯は点けたようだが、内火艇を出したとか、捜索活動をしていたと言う証言が漁船側から出てこない。ましてや、捜索ヘリなどの要請を海保にした様子もなく、本当に捜索活動をやっていたのかはなはだ疑問だ。


2008年02月20日(水) イージス艦事故の報道を見ていて思うこと

自慢するわけではないが、中華航空機炎上事故のとき原因は発生直後のニュースを見ていて一時間後には概ね予想がついていた。しかし航空評論家などといわれる人たちはいい加減なことばかり。

たしか、エンジンパイロン内の樹脂の燃料ホースが千切れたか、外れたかする可能性はあるだろう。しかし、燃料漏れが起きたのは誘導路をエプロンに戻っている途中、気圧が離陸から着陸までを通してもっとも高い地上で、しかもエンジンがアイドリング状態の時だ。千切れたり外れるならホースの内外で圧力差が大きい飛行中だろう。飛行中は雰囲気の気圧が低い上に、ホースの中は燃料ポンプで加圧された状態で流れているのだから。

誘導路で燃料が漏れ始めたとしたらなにが考えられるか?
普通に考えれば誘導路を移動中に航空機、特に翼周辺ではなにが起こっているか考えればすぐわかる。着陸に備えて展開されていたフラップを収納する動作が翼周辺では行われていたはずである。そんなことは評論家のみなさんはご存知のはずだ。翼の中には燃料が満たされている。フラップを収納すると言うことはフラップの支柱が翼の中に入り込んでいくわけで、その支柱がなんらかの要因で曲がっていたら燃料タンクに突き刺さることもあるだろう。

原因がわかってから得意げに言うことではないし、実際には支柱が曲がっていたわけでもなく、また、正確には私が考えていたフラップではなく、前縁フラップ側の問題ではあったが、評論家のみなさん方はまったく違うことばかり。想像で物を言うのも良いが間違っていたらごめんなさいと言うのが筋だろう。


さて、イージス艦と漁船がぶつかったわけだが、軍事評論家やらがなんか言ってる。イージス艦なんだからレーダー性能が良いのにどうなってるんだ、なんて言う評論家もいた。しかも水上レーダーと防空レーダーの二つがあり、水上レーダーもすごい性能なはずだなんて言っていた。私も詳しくはないが、イージス艦は防空性能を良くしたミサイル護衛艦のことであり、水上レーダーは普通のはず。思ったとおりその日のうちに水上レーダーは普通の艦船と同じだと報道していた。
少しくらい、裏を取ってから報道したらどうなんだ。


あと、評論家ではないかも知れないけれど、赤灯が見えたほうに回避義務があると報道されているが、それも違う。
極端な例で言うと加減速が容易に出来、かつ進路変更も容易にできるモーターボートと減速に何キロもの距離を要し、天蛇をしてから実際に向きが変わる(進路はまだ変わらない)までに時間を要する原油満載の巨大タンカーが衝突コースを航行していたとしよう。モーターボートの船長が、巨大タンカーを目視し、緑灯(左舷灯)とマスト灯が見えたからと言って保持船として速度とコースを維持したならばそれは自殺行為である。海上衝突防止法ではそういう場合を想定して、「操船の容易な船の側が操船が不自由な船を避ける行動をとる」「お互いが相手の右側を通行すること」と書かれている。
報道では当初、イージス艦は操業中の漁船を回避しなければならない回避義務船であると報じられていたのは、操業中の船は操船が不自由な船とみなされるからである。しかし、操業中でなければ、世界最大級のイージス艦よりも漁船の方が早世の容易な船に当たり、必ずしも漁船が保持船になるとは言えないのである。
漁船が操業中ではなかったと判ったとたんに赤灯が見えたイージス艦が回避義務船だと内容が変わったが、いったい誰の想像だろう。
結果から言うと緑灯が見えていたということならば、操船の容易さと合わせて考えて、イージス艦側は間違いなく保持船である。また、緑灯が見えたという証言が虚偽だったとしても、漁船は保持船ではなく、漁船側にも回避義務があったはずだ。

おそらくこの事故の記事を書いている記者全員が海事には詳しくはないかもしれないが、この程度のことはインターネットで少し調べれば判ることである。評論家から意見を貰うのは良いが裏は取るべきだろう。



イージス艦のワッチが不十分だったのではないかと言う指摘もされている。

事故があった日は6時25分ごろ(東京)が日の出である。よって東の空がようやく明るくなるかどうかと言ったところだろう。視程は40km以上だったとしても灯火がなければ目視は難しかったに違いない。が、そんななかベテランの漁師がわざわざ灯火を消して航行するわけがない。船団のすべてがちゃんと灯火を点灯していたに違いない。

さて、イージス艦の側からその船団を見たらどのように見えるだろう。
船団がどのような陣形を取っていたか判らないが、赤や緑や白の灯火がたくさん見えて来たに違いない。これらの灯火が漁船の船団だと判明するまでにはある程度の時間が必要だろう。さらに、船団の中の船がどのように動こうとしているのか、一隻見て行くには相当な時間が必要だろう。
必ずしもワッチが不十分だったとは言えないのではないか。
評論家だかなんだか知らないが想像力をもう少し豊かにしたらどうだろうか?

まぁ、なにも情報がないうちから漁船の船長を批判するような報道がないのはせめてもの救いだと思う。平等性にかけるとはおもうものの・・・

ちなみに、私がイージス艦の艦長なら、こんな場合どうしただろうか。
まちがいなく、最初に船団を見つけた段階で機関停止、状況によっては後進をかけさせるだろう。なにしろただでさえ交通量の多い東京湾の近くであり、しかも時間といい場所といい、漁船が行きかうもっとも交通量の多い時間帯であることはわかっているはずである。そうすれば間違いなく事故は防げたはずだ。きっとだれでもそうするのではないかと思うのだが。

もちろん漁船の側にも同じことが言える。船団の中の多くの漁船はどちらが保持船か回避義務船かに関係なく、結果的に衝突しないよう回避行動を取っていたようだし、衝突した漁船も同じようにもう少し適切な回避行動を選んで居たなら事故はなかったはずだ。

しかし、状況がより把握困難なイージス艦の側がもう一歩手前で回避行動を取っていたならこんな問題にはならなかったのは間違いないだろう。




2008年02月16日(土) メタミドホス

餃子にメタミドホスが入っていたって大騒ぎになって久しいが、日本だって包装紙を巻きなおして賞味期限偽装したり、肉にいろんなもん混ぜてみたり、彼の国と大して変わらん。
だれかが死んだり病気にならなきゃ良いってもんじゃないでしょう。事件発覚直後に中国非難をしている人がたくさん居たらしいけど、よそ様の国を非難する前に自分の国の実情をよく見たほうがいいんじゃない。なんて思ったりしたものだ。

と、ここまでは良いのだが、笑ったのは昨夜のニュース。
天洋食品の社長だか工場長だかが「賠償請求」を検討してるんだって?

誰に?

まぁ、なんてユーモアのある方なんでしょう。
やってることは日本も変わらないかも知れないけれど、やった後の後処理はなかなか楽しい。
しかも力強い声明文発表の後の質疑で、少し弱弱しく「捜査の結果を待ちたい」なんて言ってるところなんか、むしろかわいらしくもある。
社会体制の違いってのもあるかも知れないけれど、なかなか面倒な国だ。

難しい顔して謝罪している日本の偽装している方々、難しい顔してるくせに中身の無い会見やるのは勘弁してほしいが、こう言うユーモア日本じゃ通用しないので真似しないでね。


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