何ヶ月か前、雨水の溜まった陶器の水槽に子ヤモリが死んでいた。夜の間、つるつる滑る水槽の中でもがいていたんだろうな…と可哀想に思い、その小さな屍を近くにあった紫陽花の鉢の根元に埋めた。今年、紫陽花が咲いた。何年も前、個展のお祝いで貰った紫陽花は次の年から一度も咲いたことがなかったのに…。そして今、毎日のように紫陽花の向こうの壁に親ヤモリが来ている。まるで紫陽花の花を眺めているように。