狛の日記...狛。

 

 

まだ。 - 2005年07月25日(月)


少し前の話になってしまうのですが。
HISA氏のラジオを聴きながら、
彼の口から父親の話が出た瞬間に動揺してしまった自分に苦笑した。

喪った人のことを口にするのは、狛にとっては一つの試練のように想えて。
もしかしたら彼は何も想わなかったのかもしれないけれど、
それでも、ほんの僅かにトーンの変わった声色に胸が痛んだのもまた事実。

少なくとも、未だに自分にとってはタブーに近い事柄の一つなので、
ぎゅうぎゅうと締め付けられる気持ちが痛かった。


大切な人を喪った苦痛は、
時間がどれだけ経っても完全に消えるものではないと想う。
それでも、自分なりの生活を生きてゆけるようになるのは、
血を吐くような痛みが少しずつ緩和され、
自分なりに前が向けるようになるからだと想う。

だから、痛みが消えるのが良いのではなくて。
その痛みと、巧く付き合ってゆく術を見つけることが良いのではないか、
と、個人的には想っている。


彼が大切な人を喪ったときのことは、一度だけ聴いたことがあった。
その状況がとてもリアルで、
あまりの痛みに胸を抉られるような感覚があった。

そんな酷く痛々しい記憶を想うと、
彼の想い出の中にその人の面影が見え隠れする事実には目頭が熱くなる。


喪った人の記憶と巧く付き合えるようになるには、
乗り越えられるには、
何気ない会話の中で口に出せるようになるには、

狛にはまだまだ時間がかかりそうな気がします。


それでも、
ただ痛みだけではなくなってきた事実が、
嬉しいような、切ないような、どこかもどかしい気持ちでいっぱいですが。



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野外録音 - 2005年07月18日(月)



炎天下のうだるような暑さの中、
暑さに負けてしまった頭は、既に沸点を越えていて。
彼らは話をするより、歌を奏でていてくれた方が良いと想ってみたりした。


最後にふらりと姿を見せてくれた人影に胸が弾んだのはきっと、
生温い関係だと想いながらも
どこかでそんな関係を望んでいたからかもしれない。

意地を張らずに、
ほんのり暖かさを感じた気持ちを抱きしめることにした。




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休日 - 2005年07月16日(土)


夏休みや3連休を満喫するために大きな荷物を抱えた人たちに紛れて、
ポツンと一人だけ黒いスーツを着込んで電車に乗っている自分に苦笑した。

キラキラとした休日の顔をした人たちを見て、
服装も、目的地も違うけれど、
抱えた希望のベクトルは似ているような気がした。


希望ばかりではないけれど、
それでも、こうやって自分で自分のスタート地点を探せる事実に感謝しようと想った。


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弟。 - 2005年07月13日(水)


数日前に受け取った弟からのメッセージを、とても大切な宝物のように想った。

多分、何気ない狛の言葉が弟の中の何かを刺激したのだろう。
彼の口から、その内容についての質問が来るなんて想わなかった自分を恥じた。



祖母がまだ、狛たちと共に同じ家で暮らしていたとき、トラブルが絶えなかった。
徐々に浮き彫りになってくる現実を、一番目の当たりにしていたのが彼だったと想う。

身体機能の低下してゆく祖母と一番長い時間を共にして。
家族中のトラブルや歪みを、一番敏感に察し、嫌というほど見てきたのだと想う。

まだ幼かった彼がそこで何を想ったか。
今だって狛は全く解らないし、彼もそれについて触れる事はなかった。


進路の話になった時、狛たちがどれほど医療や福祉を勧めたところで、
彼は一度も首を縦に振らずに、反対され続けた映像の路を選んだから。
心のどこかで、彼の記憶に残る祖母の姿を想っていた。
きっと彼が高齢者に焦点を向けることはないんだろうと、そんなふうに解釈していた。


でも、違ったのかもしれない。


狛たちが想うほど、彼は弱くなんてなくて。
ただ、そこに向き合う方法や視点が違っただけなのかもしれない。
そして、ゆっくり考えるための時間が必要だのかもしれない。



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夏休み。 - 2005年07月05日(火)


小学校1年生から、18年間の学生生活も今年で一区切り。
小学校、中学校、高校、大学、大学院。
学んできた内容も、形式も違うけど、

一つだけ、

将来への希望は変わらずに抱き続けてきた。

挫折も、寄り道も、一度や二度ではなかったけれど、それでも、
医療に携わることのできる人になりたいという気持ちは変わらなかった。


年を重ねるごとに具体性を増し、現実味を帯びてくる事実は、
決して希望や憧れだけで何とかなるものではなくて。
今更ではあるけれど、軽い気持ちで扱える分野でないことは理解る。


18年間、在るのが当たり前だった夏休みは今年で最後。
学生生活最後の夏休みは、
就職という、ある意味本当のスタート地点を探す毎日になりそうです。



周りの友人たちよりも少しだけ出だしが遅れてしまったけれど、
その分、自分なりに得たものはとても大きかった。

狛は狛なりに悩んで、迷って、立ち止まって。
それでも真っ直ぐに前に向いていられるように必死でやっている。

生涯かけて掲げた狛の目標は果てしなく広い。
胸に抱いた希望や夢は、現実よりもずっと大きい。

それでも、何としてもやり遂げたいことがあって。
そのために、挫けそうになる気持ちを叱咤しながらここまで来たのだから。
できる限りのことはしたいと想ったし。
できるかできないかではなく、やってみることにする。

今はまだ夢物語ではあるけれど、いつかそれが実現できるように。




MAKE A HAPPY LIFE。


自分のためにも。



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Tourbillon - 2005年07月04日(月)


ブラウン管の向こう側から流れてくるmelodyに、心臓が跳ねる。
聴けなかった音を、見れなかった映像を、
ほんの少しでも記憶に刻みたくて見詰めた画面はとても無機質で。
切なさを誘うことはあっても、それ以上を求めてはいけないのだと思った。

彼らが5人で奏でていた頃ほどの情熱はもうないけれど。
それでも、彼の鋭い視線に、歌う姿勢に、声色に、
思い出の中に鮮やかに息衝く記憶を激しく揺さぶられた。

当たり前のように狛たちの空間に満ちていた音の一欠片。
それが2つ重なった時の音を耳にして、
彼らの音がもう一度重なることがあるのなら、
僕は何があっても逢いに行くだろうと、心のどこかで確信した。

周りの人がどれだけ批判したって、拒絶したって、何をしたって。
世界中に溢れる音の中で、本当に好きだと言えるものはとても少ない。
その一つが彼らだったのだから、
全身全霊をかけて想いを向けたのが彼らの音だったのだから、

今ある一つ一つの欠片だってとても愛しい。

抱き締めるようにして、紡がれる音に漂っている時間が欲しいと思った。



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テリトリー。 - 2005年07月02日(土)


夢を見るように。
暖かな日差しに憧れるように。
僕らはいつだって、明るい場所を求めて彷徨っているのかもしれない。

胸に抱えた暗闇に光が差すように。
煌きが生まれるように。
たくさんの言葉や想いを探し続けているのかもしれない。


僕は自分をここに繋ぎとめておくことが精一杯で。
周りの人に気を配れるほどの余裕はどこにもない。
ずっと滞ってしまった感情を昇華するために表現するのには、
音楽や、言葉や、映像や、
そういう、自分の胸の中に幸せな想いを刻むための何かが必要で。
家族や、友人や、その他多くの人たちも、どうしても必要で。

だけどまだ、全てがその域を超えてはくれないのが現実。


僕の抱えた闇は、多分きっととても深い。
今でも誰かの心の闇を目の当たりにする度に、引き摺られてしまう想いがある。

両足で立って、この場所に自分自身を保っているのがやっとだから。
だからどうか、まだ誰も、それ以上踏み込まないで下さい。



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