荒ぶる魂

2004年03月27日(土) ジョシカク

3月27日付けの日経プラスワンの「はやり白書」に
「ジョシカク」と題された特集記事があった。

キック、パンチ、関節技と競技によってルールは違うものの
数年前からジワジワと底辺を広げていた女子格闘技。
私などにはいまだに「女子格闘技」という感じなのだが、
若い女性たちにとっては「ジョシカク」という
カタカナでトレンディーな競技らしい。

記事では、Girls Shock, スマックガール、日本女子ボクシング協会、
クロスセクションなどをとりあげながら
何が彼女たちを過激な格闘技へと駆り立てるのかを探っている。

玉川大学文学部の現役学生でGirls Shockに出場した妃口慧選手によると「厳しい練習に耐え、頑張った分だけ強くなり、
成長した自分、充実感が味わえる」とのこと。
また、格闘技に詳しいライター松本幸代氏は
「私にはできないから、私にもできるかもしれないへと、
女性の意識が変わった」と分析している。

松本氏によると、現在「プロの」ジョシカク選手は150人前後という。
40年以上の歴史を持つ女子プロレスの選手が100人前後であることと
比べると、ジョシカクの急激な成長ぶりが分かる。
しかも150人のプロ選手の下にはその何倍ものアマチュア競技者が
現在各地のジムや道場で練習しているそうで
競技として浸透しているといえるだろう。

プロというからには当然試合に出場することでギャラが支払われる
わけだが、一体、どのくらいのギャラを彼女たちは手にするのか?
趣味としてジョシカクをやる女性がたくさんいてもいいけど
プロを目指すからには
「自分の見せる過激な技」に対価を要求するのは当然だと思う。
プラスワンの記事にはなかったので調べてみた。
女子ボクシングの場合
「単純に○回戦×10000円」とのこと。
たとえば、4回戦出場なら40000円
6回戦なら60000円という計算。
これが男子ボクシングと比べて高いのか低いのか私にはわからないが
女子プロレスに比較するとびっくりするような高額ギャラではある。
女子プロレスの場合は一部の有名選手をのぞいて
1試合数千円というのが相場らしい。
(うわさで仕入れた情報で、証拠があるわけではない)

この差は女子プロレスと女子ボクシングの大会形式の違いによる所が
大きいだろうけれど、ともかくギャラの違いは歴然。
ギャラの違いは競技の勢いの違いと言ってしまっては暴論?
(私がこう言うのは、女子プロ選手にも身体を張った分に見合うギャラが
ちゃんと払われてほしいからなのだが)

ただ女子ボクサーの場合でも、ファイトマネーだけで生活できる
レベルではない。
が、今後、ジョシカクの大会が増えていって
観戦人口も増えていけば、
本当の意味での「プロ」選手も誕生するだろう。(希望)
これからますます楽しみな分野だ。


長い蛇足:
この記事を読んだ後、ライカ選手の自伝の
「ファイティング ウーマン ライカ〜私は居場所を見つけたい」の
奥付を見て、上述の松本幸代さんがこの本の編集者であることを発見。
思わず「だからなんだ〜」と嘆息したのはホントの話。
神取忍自伝は、表面的なことしか語られていないので
ファンとしてはOKを出しても、
「ノンフィクションの作品」としては平凡、評価していなかった。
その後、ライカ自伝が出た時、
この本がボクサーライカだけでなく
ライカという「女性」に肉薄して(=聞きにくいとこまで
突っ込む(笑))いるのに感動した。
その時に編集者が女性だというのを見て(名前は覚えなかったけど)、
女性のライターに神取忍を書いてほしかったと思ったのだった。
その編集者が松本さんだったのだ。。。

(神取忍については、井田真木子さんの名著があります)



2004年03月26日(金) ゼロワン後楽園大会

(レビュアー:ニキさん)

橋本は怪我してるし外国人はいないし、正直不安だらけだったゼロワン後楽園大会。
とくにセミのカードがあまりに心配・・・。

でも結果的にはいつものように楽しいゼロワンでした。

以下感想。
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▼第1試合
○大谷晋二郎 VS 佐々木義人●
(11分32秒 片逆エビ固め)

当初は橋本と発表されていたこのカード。
大谷が橋本の代役を志願してダブルヘッダーが決定。
私は会場に着くまでそんなことは知らなかったんだけど、その発表を聞いて
素直に嬉しかった。
橋本は完全に体を治すまでは出て欲しくないもん。

義人はどうも足を怪我してるようでテーピングが痛々しい。
それでも果敢に向かっていくのはさすが。

でも大谷に「若ハゲ」っちゅうのは言っちゃだめでしょう。

メインを控える大谷があっさり終わらせちゃうかと思いきや意外に長く
義人につきあってた。
義人は負けて泣いてたみたいだったけどいい試合だったと思うよ。


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▼第2試合
○宇和野貴史 VS 黒毛和牛太●
(11分51秒 ジャーマンスープレックスホールド)

この試合は正直・・・(以下略)。

しかし曲がりなりにもゼロワン所属だった(今もなのか?)黒毛より、
宇和野の方が声援が多いのはいかがなものか。

あと大森よりは宇和野の方が素直そうなだけ伸びる可能性があるかもと思った。
あくまで比較の問題ですが。

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▼第3試合
○小笠原和彦・中嶋勝彦 VS 崔リョウジ・浪口修●
(15分09秒 レフェリーストップ)

おもしろかった!
中嶋君って本当にいいよ〜。
WJの選手はどれも不要だけど、中嶋君だけはぜひともゼロワンに入ってほしいな。
小笠原先生とのタッグ、めちゃくちゃぎこちなかったけどそれはそれで味わい深かった。

ただ、崔はせっかくの復帰戦だったのに中嶋君に喰われてしまったのがちょっと
かわいそうだったかな。

ゼブラースーツを着ていない先生はやっぱり危険な男で最後はアクシデンタリーっぽく
浪口君がダウンしてしまい急遽試合終了。

その後なかなか浪口君が姿を見せないのでかなり心配だったけど、メインになって
やっとセコンドについたので一安心。
これ以上誰も怪我しないでほしいよ。


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▼第4試合
石井智宏・●和田城功 VS 坂田亘・星川尚浩○
(11分55秒 片逆エビ固め)

・・・和田っていったいなんなの?

見た目が全然かっこよくないのに、技も全くダメダメダメ。
こんなんならまだ和牛太の方がましだよ。
どこがダメかって技を受けたときにマジで泣きそうになって切なそうな悲鳴を
あげるのが萎えた。
あまりにいじめられっ子タイプで見ててすごくイライラ。
しかもそれの相手がナチュラルいじめっこタイプの坂田なんだもんなあ。


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▼第5試合
○越中詩郎 VS 高岩竜一●
(9分36秒 サムライドライバー→片エビ固め)

おもしろいだろうなと言う期待通りにおもしろい試合。
越中を見るたびに毎回思うけど、大森じゃなくって越中を入団させた方がいいよ。


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▼休憩中

またしてもハッスルの宣伝で島田登場。
長州が関わってる限りハッスルとゼロワンは切り離してもらいたい派の私は
ちょっと複雑。
でも中村さんが何も書いていない台本を持ってきて、直前に出たアサヒ芸能の
記事の打ち消しをしたのはうまいなと思った。

そしてなんとリング上には坂田登場!
盛り上がる場内に坂田もかなり嬉しそう。

さらに観客の声援を受けた坂田が島田にパイルドライバーをかけたのには大爆笑。
あれって小川のかなり手加減気味のSTOよりよっぽど効いたと思う。
やっぱり坂田だけはガチ。

それにしても坂田がハッスルポーズまでやるとは思わなかったな。
坂田ってあんな端正な顔してて実はノリがいいのね。
ハッスルポーズも小川よりうまかったよ〜。

なんだかんだ言って結局おもしろかったハッスル劇場。
あんな坂田を見られただけでも今日来たかいがあったってもんだ。


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▼第6試合
○大森隆男 VS 横井宏考●
(9分24秒 アックスボンバー→片エビ固め)

最も不安要素だったこのカード、さすがにセミから第6試合に変更になってた。
横井君がずいぶん体を絞ってたけど、また総格の試合があるのかな?
(後にプライドGPに参戦することが発表されました)

試合はこの2人から想像されるよりはおもしろい試合だったので
ちょっとびっくりした。

横井君が大谷、田中を撃破した大森にあっさり勝ってくれたらもっと
おもしろかったんだけどな〜。


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▼第7試合
田中将斗・○黒田哲広 VS 金村キンタロー・葛西純●
(12分02秒 ラリアット→片エビ固め)


前から不協和音があった金ちゃんと哲っちゃん、とうとう仲間割れ?
田中・黒田っていうタッグはなかなかいいと思うので私的には歓迎です。

試合は、このメンツならではのハードコアな展開。
しかし、リングサイドのすぐ側にお孫さんらしき人に付き添われた車椅子に乗った
相当年配のおじいさんがいたので、場外乱闘の度に巻き込まれるんじゃないかと心配に。

とくに、おじいさんの目の前で葛西がテーブルに向かってダイブした時は
おじいさんそっちのけで写真取ってる孫(推定)に対して
『そんなことやってないで、おじいさんを守ってあげて〜』と叫びたくなった。

ところが、葛西がダイブした瞬間、おじいさん大喜び!
それまでほとんど動きがなくて、見てるんだか見てないんだかよくわからなかったのが
葛西が飛んだ瞬間におじいさんが手をバタバタとふって喜んでいたので
何だかこっちまで嬉しくなってしまった。


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▼第8試合
○大谷晋二郎 VS 佐藤耕平●
(15分46秒 レフェリーストップ)

これもちょっとと言うかかなり心配だったんだけど結果的にはおもしろかった。
耕平、よく頑張ったよ。
もちろんまだまだ伸びてもらわなきゃ困るけど。

試合の途中から田中やら黒田やら金村やら葛西やら大森やら、それこそ
リングサイドに大集合だったので何かあるかな?と思っていたら
案の定やってくれました、恒例の大乱闘!

うーん、やっぱり最後はこうやって盛り上げてくれないとね。

大森のマイク、・・・だったけど努力は買いましょう。

ただ、田中と黒田と義人が締めようとした時、声援が少なかったのが
何だかかわいそうだった。
大谷と別れた田中と、金ちゃんと別れた哲ちゃんに対して観客はちょっと
冷たい感じ。
私は大谷より田中派、金ちゃんより哲ちゃん派なのでちと寂しいですよ。

そして最後に大谷が「正直言って今日はこんなにお客さんが入ると
思ってなかった」って言ってたのが印象的だった。
橋本がいなくても少なくとも後楽園では客は集まるんじゃないかなあ。

とりあえずこれからも応援していこうという気持ちになりました。



2004年03月12日(金) 悲観的ではあるが否定的ではない

3月10日全女後楽園大会をSAMURAIテレビで見た。
ガラガラの会場風景は今や女子プロレスでは珍しいことではないのね。
でも、試合見てて、びっくりしたり感心したりしたのは
選手たちがとても元気なこと。

全女って数年前に会社が倒産しているし、
事務所や道場、合宿所なども近日中に移転する(した?)そうだし、
台所事情は苦しいはず。
選手の離脱も多いし・・・というような背景があって
私が色眼鏡で見すぎていたのかもしれないけど
本当に威勢がいい。
それに新人選手がどんどん育っている。

威勢や元気がいい、というのは
そのままプロレス技術が上手いということじゃなくて
グダグダした印象もあったけど
でも、プロレスの一番の基本は「元気一杯」ということだと思う。
とにかく選手が元気であれば客にもその意気は届くよね。

私は、女子プロレスはもう終わりだなあと思っていたけれど
全女の試合を見ていて、まだまだ捨てたもんじゃないと思った。

そして今日生ゴン情報で知ったのだが
3月14日にNEOが川崎市体育館で興行を開催するとのこと。
そのカードを見てまたまたびっくり。
ガイアを除く女子団体から選手を集めて8試合。
これは快挙ですねえ!!
(LLからもイーグルさんが参加)
8試合提供ということ、各団体が参加すること、
よくこういう大会をまとめることができましたね!

それに井上京子などベテランが前座から中盤を固めて
メインには田村欣子vs中西百重のタイトルマッチにしたことも
とても大事なことだと思う。
次の時代へ歩き出そうというプロデューサーの意志が感じられる。
誰のプロデュースか知らないけど・・・
(NEOの甲田社長でしょうか?)

ぜひともこの大会が成功するといいと思う。
私ももっと早くに知っていたら
スケジュール都合して駆けつけたんだけど。

私は最近女子プロレスに対して思いっきり悲観的になっていたんだけど
全女の選手の元気のよさやNEO大会のことを知って
まだまだ捨てたもんじゃないなあと思った。
正直なところ、女子プロレスが盛り返すのは至難の業とは思うけど


あと蛇足ですが・・・
全女の選手のマイクの下手さ(LLの選手も同じなんだけど)
これは直した方がいいんじゃないかな。
昔からの伝統的なマイクの仕方というのか、
プロレスラーはこういうしゃべりをしなきゃいけないんだ、
(や○ざ風な言葉づかい?語尾に「ああん?」と付けるとか)
という思い込みがあるんじゃないかな?
こういうマイクは、若い女の子たちにはアピールしないと思う。
その点、秋野選手(Ms)やNEOの選手は上手いと思った。
とくにNEOのタニー・マウス選手。


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