まつや清の日記

2006年05月31日(水) 収用法47条に基づく却下実現への道

 今日の収用委員会は16:50ころから開始され、増田会長から開会宣言、今後の運営についての権利者グループとの事前協議についての考え方、収用委員会の役割などについて説明、が示されました。

 事前協議については、これまで権利者グループから進行についての事前協議の申し入れが伝わっているが双方にコミュニケーションがかけていた、本件の適切な運営のために審理計画による具体的協議を原則として行う、

 形として事務局に書面で出してもらい委員会で協議する、直接話をして考え方を伝えていくことも考える、権利者全員に発言の機会を与えてもらいたいとのことであるが、できる限りご意見を、可能な限り伺いたい。

 ただ、収用法による迅速な審理という要請もある、気持ちとしては可能な限り、時間的制約もあるが、ご趣旨を尊重したい、発言者、内容、時間、期日などご要望を検討したい、事前協議窓口は、委任状という形での集約をお願いしたい。

 このあと、藤沢弁護士からオオタカの森の家の権利者特定が行われていない点についての調査の要請、中村英一さんからの昨日の意見書陳述、県からの起業者説明、藤沢弁護士からの次回での求釈明の時間の確保の申し入れが行われました。

 最後に増田勝さんから収用委員の現地視察質問、増田会長は、委員会としてはしていないが、その計画も検討している、との回答。次回は7月4日、会場は後日連絡、事前協議は6月15日までに書面で提出してほしい、とのことで終了。

 全体が終わったのは18:30くらいでした。長い1日でした。今日の行動が今後どのような形で展開して行くのか、不安を感じながらも、何とか47条に基づく却下の道が開き始めた、しかし、その道が平坦な道でなく、まだまだ始まったばかり、という印象でした。


※※ 長い1日を振りかえる

 収用委員会が一方的な指揮のもとで進行するのか、権利者グループとの事前協議前提の公正な運営に転換できるのか、大きな課題を抱えてのはじまりでした。朝9:00に会場のグランシップ前には100名以上の権利者達が集まりました。

 9:15に受け付けに移動し、三々五々に会場内に入ります。ただただ広い。最前列にいくと既にメンバー達は、収用委員会事務局との収用委員会席、起業者席、権利者席の配置を同じフロアでの位置にすべきと異義申立てが始まっていました。

 というのも高い舞台に収容委員7名の席があり、フロアの発言席を見下ろすようになっていたからです。収用委員会発行のパンフレットでは、同じフロアで対等審議できるように説明されています。

 そうこうしている内に開始時刻の10:00になり、参加者達は舞台の上にぞくぞくとかけあがり収用委員7名を待ちうける事になりました。しかし、大勢の権利者を前にして収用委員は地下の控室に退去してしまいました。

 そこで、代理人の塩沢・中野弁護士と私で、事態の収拾と運営に関しての話し合いを申し入れをしました。収用委員会側は、地権者グループが舞台から撤退することを条件に話合いに応ずる事になりました。

 私たちとしては、1、運営に関して「却下を実現する会」メンバ―を含めた事前協議の開催、2、同じフロアへの席の廃置替えを要請。増田会長としては、委員会内部での協議を行いたいとのことで30分後に協議再開を約束して別れました。

 12:00過ぎに協議が再開されましたが、とにかく開会する、事前協議は次回から行う、起業者説明、意見陳述(順番の変更、若干の時間の延長)、17:00は延長、席の廃置替えは三時間もかかるので今日はこの形で、との回答。

 これでは地権者グループとして受け入れる事はむずかしいと思うが、権利者グループに回答内容について説明し、再度の話をも持つことで、会議の席を離れようとしました。が、13:30に開始するので返答はいらない、との対応でした。

 当然にして権利者グループがこれに納得するはずもなく、膠着状態が15:00すぎまで続きました。再度の代表者による話合いを申し入れしました、受け入れる事は出来ないとの回答でした。

 ここで、逡巡。このまま流会でいくのか、それとも譲歩案を提示すべきか。地権者グループは、流会意見が多数を占めていました。迷いましたが、藤澤・中野・松谷で、以下の譲歩案を提示しました。

 事前協議を次回からはじめる、このことを開会にあたって会長から言明する、したがって事前協議のない今回の一方的な地権者の意見陳述スケジュールは破棄、起業者説明については認める、説明の前に権利者側から2点の意見表明を行う。

 2点とは、権利者の範囲(オオタカの森の家は共有であるので権利者再チェックすべき)、昨日の47条却下意見書の陳述、というものです。収用委員会側は、この案を受け入れるので話合いを再開したいとの回答。

 ただ、権利者グループがこの案で納得できるかどうかは未知数です。そこで、主だった役員に妥協案を提示したことを説明、しかし、了承はえられませんでした。そうこうしている中で収用委員会側との協議に出かける事になります。

 収用委員会としては、今回のこの事態は審議の妨害行為と認識、しかし、地権者グループと発言者、テーマ、時間について事前協議することを拒まない、可能な限り発言者を認めるが無制限ではない、開催曜日も協議対象とする。

 収用委員が権利者と会うのはルール外、事務局と協議してもらうが必要があれば収用委員として事前協議に参加する、ただ、権利者の窓口が今日の代理人は22人の代理、議員はどこまで影響力があるのか、疑問。委任状集約をお願いしたい。

 会場の席配置の変更は、今日の段階では難しい、今後は選定も含め、同じフロアでの席配置を検討する、との回答。この内容を持ちかえるが全体の了承を得られるかどうかはやって見ないとわからないが努力する、と席を立ちました。

 そして権利者の皆さんに説明しようとしますが、まずは役員に説明しないと合意は難しいとのアドバイスがありロビーにて状況説明と討論。ここは意見は真っ二つ。流会にすべき、事前協議の担保、意思ある権利者の発言確保は可能なのか。

 ドンドン時間が経過し、収用委員会側から16;30に会合の再開の催促を受けるハメにも。交渉人の交代も含めて議論になりましたが、かろうじての合意が成立。全体説明会に臨むことになります。

 全体説明でもいくつ者意見が出され、時間制約の中でのぎりぎりの合意。そのあと、収用委員会側との再度の協議となり、今日の日記のはじめの進行となるわけです。住民グル―プの民主主義の難しさとすばらしさが複雑に交錯します。



2006年05月30日(火) 明日は収用委員会

 明日の収用委員会を前にして、「却下を実現する会」で下記の申し入れをしました。団体名では、受け取っても権利者としての資格に問題があり、裁決過程での公文書扱いにならない、を巡って議論が平行線となりました。

 やむなく参加したメンバー全員が権利者でもあったので個人名を書き添えました。今回の申し入れが反対派の基本的な姿勢となります。意見書を提出した全員の発言の場が確保される委員会運営をどう実現できるのか、がカギです。

 午前9:00にグランシップ入り口に集合です。10:00からの開会に備えます。できるだけの大勢の権利者の皆さんの参加と一般の方々の傍聴を呼びかけたいと思います。

2006年5月30日

意 見 書

静岡県収用委員会
会長 増田 尭 様

土地収用裁決申請却下を実現する会
事務局長 増田 勝
静岡市葵区鷹匠2‐12‐10「市民ひろば」内

 行政手続法や情報公開法などの様々な法制度によって、行政運営の公正の確保と透明化の一層の向上が求められる時代において、「公共の利益の増進と私有財産との調整を図」る(土地収用法第1条)ための妥当な審理を行わなければならない収用委員会においても、その透明性の確保は必要不可欠なものとなります。また、収用委員会は公正中立な行政委員会であり、損失補償に関する専門知識を有する機関であることから(「逐条解説土地収用法」上巻P723)、公正かつ慎重な審理が求められることも言うまでもありません。

土地収用法第47条では、収用委員会が申請を却下しなければならない場合の要件が複数定められています。多くの権利者によって構成されている私たちの会では、それらの要件に該当する重大な事実について、今後の審理過程において明らかにしていきたいと考えております。

そうした事実の概要について以下のように整理するものであり、収用委員会の公開審理の場において、権利者及び国民全体に対する透明性をきちんと確保した上で、これらの事実について充分な時間をかけた公正かつ慎重な審理が行われることを求めるものです。

また、そのような土地収用法の精神を担保する為には、土地収用法第43条の規定に基づき意見書を提出した、権利者全員の発言の場の確保が必要であることを申し添えます。
1、 収用申請に係る事実

イ、土地物件調書作成に係る事実
 土地収用法第36条では、裁決の申請に先立ち、収用又は使用する土地及びその上にある物件の状況、権利関係を調査し、土地物件調書を作成する必要があると定められています。そして、この土地物件調書の作成に瑕疵があるときは却下事由になるとされています。この土地物件調書の作成過程での法的問題点について、審理過程で明らかにしていくものです。

ロ、土地物件調書に係る事実
土地収用法第47条では、土地調書に当然記載すべき関係人の権利の表示、署名押印がかけているとき(昭和31・8・9建設計総受第72号新潟県土木部長あて計画局総務課長回答)、土地所有者を誤った裁決申請であるとき(昭和28・2・19建設計和第5号和歌山県知事あて計画局長回答)等には、申請が土地収用法の規定に違反するものとして却下の裁決をすべきものとされています。また、土地物件調書が所定の方式を欠いた場合、記載事項が真実でない等の場合は、却下事由に該当すると定められています。これらの問題について、審理過程で明らかにしていくものです。


2、事業認定申請に係る事実

イ、任意交渉に係る事実
土地収用法第47条では、起業者が適切な任意交渉をしなかったという事情は却下事由に該当すると定められています。そもそも、この静岡空港の土地取得交渉において起業者たる静岡県知事は、「誠心・誠意」の交渉を行った上であくまでも任意取得を図るという旨を公言してきました。さらに、国・国土交通大臣に対してその趣旨の確約書を提出し、その上で設置許可を受け、事業を進めてきたものです。ところが起業者は、そうした公的発言、確約書の内容を一方的に破棄して、土地収用法の適用申請を行って現在に至っているものです。その過程において、土地の権利者に対して適切な任意交渉努力が行われてこなかった事実について、権利者自らの証言において明らかにしていくものです。

ロ、事業計画に係る事実
 土地収用法第47条では、申請に係る事業と事業認定を受けた事業との間に同一性を認めることができるが、両者の間で事業計画が著しく異なる場合には、事業認定における土地利用や事業の公益性等についての判断をもはや維持することができず、改めてこの判断を経ることなしには収用又は使用の裁決をすることはできないので、却下の裁決をすべきものとされています。
 起業者は、2004年11月26日に開港予定を2年延長し、2009年とすることを明らかにしました。そして、その直後の同年11月30日に、国土交通省地方整備局に事業認定申請書を、同省航空局に工事完成期日変更申請書(2008年11月1日完成予定)を郵送し、事業認定申請を行いました。この2009年は、羽田空港の再拡張事業が完成する年とされており、この事業について土地収用法の適用等は予定されていないため、数回にわたって開港年次の延長がなされてきた静岡空港の事業とは異なり、この羽田空港拡張事業は予定通り2009年に完成するものと考えられます。しかし、開港予定延長発表直後に事業認定申請を行ったことからも明らかなように、この申請書における需要予測等の諸データは、2009年段階での周辺状況を全く考慮していないものです。
ところが実際には、拡張された羽田空港からは国内線はもとより、アジア便を中心とした国際線も数多く就航することとなります。そうなれば、成田空港、中部国際空港との競争を前提に算定された静岡空港の国際線需要予測はもちろん、国内線においてもその算定の根拠において大きな変更をもたらされることは明白なことです。そして、札幌便年間50万人の需要予測を基に大型機が就航することを前提として、2500mの滑走路を計画した事業の基本計画の根拠自体が揺らぐこととなります。その結果、収用対象地は必要最小限とすることとする事業認定の判断基準に基づけば、2500m滑走路を前提とした収用対象地の範囲も、その正当性を欠くこととなると考えられます。このような諸事実と問題点について、審理過程で明らかにしていくものです。


3、事業認定無効に係る事実

 土地収用法では、事業認定に関することは事業認定庁(本件では国土交通大臣)が行い、補償などに関することは収用委員会が行うこととされています。したがって、収用委員会は自らの判断権限を有しない事業認定の適法性についての判断は行わないため、その審理権限もないとされています。しかし、「審理に入った段階で、当事者の主張などにより収用委員会が重大かつ明白な瑕疵があると認めた場合には、収用委員会は不適法な審理手続きを開始したことを認め、改めて申請を却下するのが適当であると考えられます」(「Q&A土地収用法」)とあるように、事業認定自体が無効である場合には、収用委員会は申請を却下しなければなりません。
 無効な行政行為とは、重大かつ明白な瑕疵を有するものであるとされますが、「重大かつ明白な瑕疵」という概念は、きわめて抽象的で漠然としており、その具体的な中身が明確に定義されているわけではありません。最高裁は、「瑕疵が明白であるとは処分成立の当初から誤認であることが、外形上客観的に明白である場合を指す。・・・行政庁がその怠慢により調査すべき資料を見落としたか否かには拘らない」と「一見明白説」をとっていますが(最判昭和36・3・7民集)、下級審の中には、「明白な瑕疵とは、何人もその瑕疵の存在の格別の調査をするまでもなく一見して認識しうる場合ばかりでなく、行政庁が特定の行政処分をするに際し、その職務上当然に要求される調査義務を尽さず、しかも右調査義務の履行として簡単な調査をすることにより容易に判明する重要な処分要件の存否を誤認してなした場合にも、右に所謂明白な瑕疵があると解すべきである」として「客観的明白説」をとるものもあります(東京高判昭和34・7・7行集)。
 このように、「重大かつ明白な瑕疵」についての判例の理解は必ずしも一致しておらず、個別具体的事例に応じて弾力的に運用されるものと解されます(原田尚彦・行政法要論)。こうした意味において、本件の事業認定そのものに重大かつ明白な瑕疵が複数認められるため、審理過程で個別具体的に明らかにしていくものです。


以上     



2006年05月29日(月) またも気になる静岡新聞「日曜社説」

 昨日の静岡新聞「日曜社説」、テーマは教育、「政治が操る季節 惑わされず、本質を見きわめよう」、どうしても気になってしまいます。先週の介護保険についても意見をと思いましたが自省しました。

 最後の所に「一国のリーダーたらんとする者には「日中」「日韓」「日米」の外交力も大切だが、それ以前に国づくり、人づくりにいかなる経綸を持っているかだ」と書き手のいつもの手法での非難されるべき政治家像が提示されています。

 5月7日の「それでも優しい気遣いがうれしい」という社説の最後に「他国に拉致された国民の救出の先頭にも立てずしてリーダーを目指そうとはおこがましい」とあります。拉致問題とはすぐれて外交問題です。

 それぞれの社説の主張自身については考え方あり、それはそれとして受け止めたいと思います。問題は、主張の一貫性であり、それぞれの社説の底流にあるジャーナリズム原点である批判的精神・価値観の存在です。

 これは私自身、石川知事を批判する時にどの観点で、どのような価値観に基づいて、どことどこで食い違い、どことどこで一致点があるのか、ないのか、批判するだけでの自らの優位性に溺れていないか、自己点検をしているつもりです。

 因みに経綸とは、辞書を引けば「国家を治めととのえること。また、その方策」、近代の歴史の中では、中江兆民の「三酔人経綸問答」を思い出します。グローバリズムというアメリカ一辺倒のこの時代に「教育における経綸」とは。



 



2006年05月28日(日) ごみゼロサミット2006、大いに感動

 47の県内環境市民・学生サークルの協賛を得て開催された「ごみゼロサミット2006」、会場の三分の一を占めたであろう学生・若者の熱気の中で成功裏に終わりました。主催者のみなさんのご努力に敬意を表したいと思いました。

 西原茂樹牧之原市長の忌憚のない、論旨明確な発言、上勝町ゼロウエイストアカデミー事務局松本夏子さんの実践と理念に裏打ちされたゼロウエイスト紹介、二人の組み合わせもなかなか良かったと思います。

 そして、今回の一つの目標であった若い世代の環境への取組みを知ると言う点についても本当に多くの実践例が紹介され、大いに感動しました。彼らが社会に出てどのような自己主張をしていくのか、関心が湧きます。

 松岡さんによればウエイストとは浪費、無駄を指す言葉との事で、ゼロウエイストと言うとゴミ収集がないとか、34にゴミを分別することと理解されがちであるが、それは結果であり問題は捨てられるゴミの潜在的価値を見つけること。

 34の分別があるが、例えばトイレットペーパーの芯の回収があるが普通では「雑紙」に分別される事になるが、「トイレットペーパーの芯」として分別にしている、そうすると分別に参加しやすくなる、という現象があるとのこと。

 つまり、生活感覚に引き寄せることで回収・分別・処理という「ブラックボックス」に想像力が生まれ、過程が透明にすることができる、そのことはゴミをきっかけにモノ・自然との接し方を考える文化につながる、と。

 一方で、ここまでやってリサイクル率を高めても、自治体の努力によっては越えられない壁がある、企業・中央政府への働きかけが必要になる、と。改めて循環型社会への道筋を教えられた思いです。感動と刺激いっぱいの集会でした。



2006年05月27日(土) 静岡市にLRTが走る日

 「静岡にもLRTを走らせる会」の例会が昨日開かれました。ちょっと遅れて参加しましたが、世界のLRTのビデオを中心に事務局の山本耕三さんが熱心な説明をされていました。ちょっと、今までと感じが違います。

 というのも、盛んに静岡市にLRTが走る事が前提のようなお話が言葉のはしはしに伺えるのです。小嶋市長がLRT導入を決めたということなのか、何なんだろう、と。受付のスタッフの方に静鉄がLRT導入を発表でもされたんですか?

 テレビ局取材も入っています。詳しくはわかりませんが、静岡鉄道が新静岡センターの改装の際に、LRTの復活があっても対応できるような設計をしているとのことのようです。事実とすればすごいことです。

 会場の閲覧資料で富山県のLRTの写真がありました。以前に国土交通省が富山県のLRT構想をバックアアップするとの情報は聞いていましたが、もう走っているんでんだという事を知りました。静岡県からも視察にいっているとの事です。

 閲覧資料の三浦展氏の『ファースト風土化する日本』(洋泉社)にあるように、ある意味、LRTはファーストフードでなくスローフードに似合う乗り物です。LRTは、交通手段だけでなく社会のあり方や街作りとも絡んで来るキーワードです。

 フランスのストラスブールのLRTを視察に出かけて10年近くが経過しますが、山本さん達の市民活動の成果が現れてくる大きな時代の変化を実感します。来年は市長選挙、LRTが政治争点となり、走る日が1日でも早くなることを願うばかりです。



2006年05月26日(金) イージス艦シャウプをま近にみる

 今日は、イージス艦シャウプの清水港入港に市民・労働団体の皆さんと一緒に抗議の声をあげました。今回で4回目となるイージス艦シャウプ、ヨコスカ港を母港にしていることもあり、神奈川県からも参加者がありました。

 イージス(Aegis)という言葉は、ギリシャ神話に出てくる神ゼウスが娘アテナイに与えた、肩から胸にかけて身につける「盾」のことだそうで、その盾は「悪を払いのける」といわれ、その名が軍艦につけられたとのことです。

 イージス艦はイージスシステム塔載の艦船で、現在、佐世保港に入港しているエイブラハム・リンカーンなどの原子力空母の護衛艦で、アメリカは60隻を保有しています。核ミサイル・トマホーク塔載もできます。因みに日本は4隻です。

 イージスシステムは、画期的艦隊防空システムで、フェーズドアレイレーダーと高性能情報処理システムにより、同時多数の航空攻撃に対して対空ミサイルを同時に何発も発射し、艦隊防空を果たす事が出来ます。

 親善、休養で入港といいますが、3月の米韓共同演習、その後、タイ、シンガポールを経ている事や、原子力空母との同期入港を考えれば、民間港をどのように軍事作戦に使用できるかなどの調査と訓練であることは間違いないでしょう。



2006年05月25日(木) 土地収用認定取り消し訴訟と収用委員会

 5月31日の第1回土地収用委員会の開催を前に事業認定取り消し訴訟公判が行われ、第4準備書面が原告・弁護団から提出されました。土地収用法20条の2の「事業遂行に必用な充分な意思と能力」の認定においての主張でした。

 強制収用は、「有権者多数が納得するだけの社会経済的な展望と視野に支えられた説得力、法的理念に対する忠実性、充実した財政力、事業の精緻な計画力と着実な達成能力を含むものと考えなければならない」ものと主張しています。

 そして、石川知事・静岡県に果たして「充分な意思と能力」は備わっているのか、毎日新聞4月1日の石川知事の4つの主張への反論という形で論旨が展開されます。詳しい主張については準備書面があります。必要な方は連絡を下さい。

 訴訟後に記者会見を含む裁判内容についての集会、そして、そのあと収用委員会に数十名の権利者の代理人となった阿部浩機基弁護士を中心に31日の運営についての申し入れに同行しました。

 主張の基本は、意見書を出して意見を述べたい人は全員採用することに関してです。収用委員会は、一方的に運営の指揮権を乱用して、発言すメンバーや発言テーマまで決めてしまっています。これで公正な運営といえるんでしょうか。

 31日は是非とも大勢の権利者のみならず一般傍聴者に参加していただきたいと思います。

 



2006年05月24日(水) 団塊のシニア、全員集合!

 22日、母の病院に泊まり込みにいっていたその日の午後に「団塊シニア、全員集合!! 地域創造ネットワーク・ジャパン」の設立総会・記念フォーラムが開催されました。予定では、この総会に参加するつもりでしたが。

 今日そこに参加した方から資料をいただきました。「共に手を組み、団塊シニアの手で日本を変えよう!」という準備会からの呼びかけ文、シンポジウムのパネリストの紹介があります。

 浅野史郎・前宮城県知事、落合恵子・作家、笹森清・前連合会長、ヘロン久保田雅子・タイムバンクUSA理事、コーヂィネーターに小川泰子・社会福祉法人いきいき福祉会専務理事。

 もう一つのパンフレットに「団塊シニアが社会を変える」とネットワーク・ジャパンの具体的活動計画が示されています。全国共通事業と地域事業があります。相談・研修・登録・情報提供・サービス提供が全国共通です。

 地域ネットワークとしては、地域のネットワーク作り、シニア(退職前の)地域参加の啓発、当該自治体との協議、地域センターの設置、課題別プロジェクトセンターが掲げられています。

 徒党を組むのが好きだった団塊世代、今度はどんな徒党を組もうとするのか、団塊世代が社会をダメにしているとの酷評も一方で聞かれます。そうした反省をどのように活かして、地域での活動をはじめるのか。

 団塊の世代の終わりの方にいる身としては、少なくも、威張り散らすことなく、個人の資格で、あらゆる世代と対等な感覚を大事に。団塊の世代が経験したあの青年期の初期には少なくも個人の尊厳がまず存在したことを思い出したい。

 



2006年05月23日(火) 新たにイージス艦・シャウプの入港

 今日の清水港への入港予定であったモービル・ヘイは昨日の夕方の段階で中止連絡があったとのことです。私が母の件で病院に出かけた後でのfax連絡でした。

 替わりにイージス艦・シャウプが26日に入港するとのことで、県として外務省に核塔載など問い合わせているとのことです。しかし、県としての非核に関する明確な姿勢がない限り、どうにもなりません。

 市民団体にこのことの連絡が行き届かず、今日の朝は清水港に抗議のために集合するという混乱もあったようです。申し訳ないことをしました。それにしても、アメリカのやり方もひどいものです。

 この変更自身が軍事作戦という印象です。日本側の対応も訓練のうちというのが実体ではないでしょうか。26日の抗議行動に参加をできる方は是非ともご参加ください。



2006年05月22日(月) 母に回復のきざし

母が一般病棟へ移ったとのこと。
急遽、新潟の病院へ行きます。



2006年05月21日(日) 静岡県民百年会議総会に参加

 昨年の県知事選挙で大活躍した「新しい静岡県を創ろう会」が静岡県民百年会議として再スタートする総会が開催されました。前半は規約・活動計画など総会部分、後半は記念講演で静岡大学小桜義明教授によるお話でした。

 この会の目的は「静岡県の県政の歴史に学び、その百年後の理想の姿を志向し、現在の県政を変革してゆくための諸活動を行うこと」として、その「目的を達成するために、学習・調査・宣伝その他の活動を行います」とあります。

 そして、活動計画として、選挙、市民活動、組織に関しての計画を掲げています。これまでの「新しい静岡県を創ろう会」からある意味、飛躍しての総会といった印象でした。どんな活動もパワー無くして,規約だけでは実現できません。

 これからの活動に大いに期待したいと思います。記念講演の小桜さんは、今の私の問題意識に重なるところがあり、とても刺激を受けました。小桜さんは、どちらかというと異義申したてとしての市民活動に辛いアドバイスをしてこられました。

 そのことの印象が強かっただけに、まとまっての問題提起は、違った先生の姿を知ることができました。新しい社会運動と小さな政府、新しい社会運動と政党、グローバリズムとローカリズム、今後も議論を継続したいと強く思いました。



2006年05月20日(土) 陽気なコンサート−タプラトゥーラコンサート

 時空を越えてやってきた世界最強の古楽器バンド=タプラトゥーラコンサート。リュート奏者のつのだたかしさん、フィドル奏者の田崎瑞博さん、リコーダ奏者の江崎浩司さん、パーカッションの近藤郁夫さん、ビウエラ奏者の山崎まさしさん。

 5人がジャズ演奏のように様々な音色を繰り広げてくれます。フィドラは私にはバイオリンにしか見えませんでしたが、その演奏パフォーマンスに感動してしてしまいました。ヨーロッパのクラシックが町の音楽のように飛び跳ねます。

 楽しい演奏会でした。老若男女の5人でメンバーに花束贈呈。私は、田崎さん担当。花束を渡すと体を抱きしめるように喜びを表現してくださいました。演奏中からもそうでしたが、すっかり田崎さんファンになりました。

 演奏会の前は、県立大学の「学生NGOあおい」のグランシップでの企画に。「学生だってできるさ!子どもための国際協力フェスティバル」。会場は若者の熱気でムンムン。その解放空間に、このパワーはどこから?世界の若者とどこが違う?

 学生企画の前は、麻機地区での県政報告会。精一杯しゃべらせてもらいました。ちょっと数字が多すぎたのでは、とのアドバイスもいただき、報告内容のわかりやすさ、再検討です。それにしても地域のみなさんの準備活動に感謝です。

 午前中は、久しぶりの太鼓の練習。参加したかったのですが、報告会の準備に追われて休んでしまいました。たまっている原稿が2つあり、どうしよう!状態です。明日がんばるしかありません。

 



2006年05月19日(金) 共謀罪、強行採決は回避

 今日は忙しい1日でした。まずは、清水港へのアメリカ軍艦入港の中止を求める市民・労働団体の知事申し入れに同行しました。マスコミの皆さんの取材もあり、少しでもこの問題を県民の皆さんに伝える事が出来たのではないかと思います。

 私は、日米軍事再編が三兆円と言う日本側負担が明らかになる中での清水港入港の問題、更に静岡市の核兵器の根絶を求める平和都市宣言が昨年12月に議会決議されたあとでの核兵器搭載可能なイージス艦入港する事の問題を述べました。

 臨時議会は議長人事など。議長は、芦川清司議員73票、花井征二議員3票、松谷清1票。勿論自薦です。副議長は、石橋康弘議員41票、岡本護議員20票、滝田光男議員7票、松井三郎議員5票、酒井政男議員3票、小野健吾議員1票。

 私は岡本議員に投票しましたが、小野健吾議員の1票は一体誰が投票したのか。犯人探しが選挙後に行われていました。議会直後の議会運営委員会では、1票だから「松谷議員では」などという憶測が飛び交いました。

 議会後は、直ちに常任委員会協議会の開催があり、6月議会後の県内視察、9月議会後の県外視察の日程調整が行われました。こんなことが最初に協議することなのか、疑問は多くの方が思われるでしょうが、現実です。

 議会終了後、すぐさま、虹と緑・地方自治政策情報センター主催の核燃料サイクルに関する政策研究会で国会議員会館に向かいました。環境エネルギー政策研究所の大林ミカ副所長からのプルサーマルはじめ核燃料サイクルについてのお話し。

 政府からは、原子力安全委員会事務局・安全調査管理官・中矢隆夫氏、資源エネルギー庁・原子力立地・核燃料サイクル産業課・宮本拓人氏らからの問題提起でした。中矢氏は、御前崎市池新田にいたことがあるとのことでした。

 研究会終了間際に社民党福島瑞穂党首が参加され、共謀罪、教育基本法、国民投票法を巡る国会での審議についての報告がありました。そこで、共謀罪の本日の強行採決が回避された事を知りました。思わず、拍手してしまいまいました。

 ただ今、東京から戻りました。

 



2006年05月18日(木) 一進一退

 母の病状も一進一退。人口呼吸器がはずせる段階になれるかどうか、です。

 ※ 明日は、06年度の議会人事を決める臨時議会です。議会前に市民団体や労働団体が清水港へのアメリカ軍艦モービル・ベイ入港に抗議する申し入れが行われます。9:15東館ロビー集合とのことです。



2006年05月17日(水) 民団と総連の和解

 民団と総連が和解し、5・17声明が発表されました。韓国政府の北朝鮮(正式名は朝鮮民主主義人民共和国)に対する太陽政策が日本での韓国人・朝鮮人社会に波及したものと推測されます。勿論、大歓迎です。

 ただ、合意内容の中にこれまでの双方の路線の違いがどのように克服されているのか、十分には伝わってきません。各マスコミが伝えるように、例えば、地方参政権問題は今後、どのように共通の目標に位置付けられていくのか。

 声明に「民団と朝鮮総連は昨今、在日同胞社会で民族性が希薄化し失われる現象が増えている深刻な現実に目を向け、民族性を固守し発揚させるために新しい世代の教育と民族文化の振興などの事業に共に努力して行くことにした」。

 これはやや気になります。韓国での民主化闘争が激しかった時期、在日韓国人青年たちがはじめた指紋押捺拒否運動。本国政府内での政治的闘争を横目に自分たちは日本社会で生き続ける存在であるとして、人権をキーワードにした闘いでした。

 一方で日本社会で差別を受けながらも日本列島に生きる存在としては第3世界を搾取する側にいる自分たち。日本、アジア全体の中での存在、民族性とは何であるのか。韓民族だが日本語の方が意思を伝えやすい、私たちは何者か。

 その悩みは極めて多義的であったと記憶しています。この民族的エネルギーを今回の共同声明はどのように吸収できて行くのか。つまり、民族と国家が一致する社会と多民族が共生する社会の同時並行的課題にどう対応するかです。注目です。

 
 
 

 



2006年05月16日(火) 鹿島、大成など大手10社への公正取引委員会の立ち入り調査の行方

 夕刊で、鹿島・大成など10社に公正取引委員会が防衛施設庁官製談合事件に関連して立ち入り検査に入ったことが報道されています。談合問題で刑事処分が行われた後に公取委が乗り出すのは、13年ぶりとのことです。

 マスコミ各社は「東京地検特捜部が今年3月、元技術審議官ら計12人を起訴したが、岩国飛行場(山口県)など一部の工事に限定したため、公取委は、全国の工事を対象に調査に乗り出したとみられる」との分析です。

 静岡空港建設事業に談合の疑いありとの外部包括監査結果を受けて、空港反対運動に関わる住民グループは、公正取引委員会に鹿島、大成グループの独占禁止法違反で提訴しています。このことをきっかけに新たな動きを出てこないのか。

 何故か、期待をしてしまいます。本体工事の総額は490億円です。今回の約10社は03〜05年度に同庁が発注した合計は約1000億円といわれ、規模も違います。
既に刑事処分に伴って、鹿島、大成はペナルティを受けています。

 私は、防衛施設庁での公取委の展開は当然に静岡空港に大きな影響をもたらすと考えています。表門からだけの疑惑解明だけでは限界があります。内部告発含め、新たな情報収集が必要な段階に至っているように思います。さて、どうする?



2006年05月15日(月) 16日から始る政務調査費閲覧公開

 16日から政務調査費の閲覧公開が始まります。「県政ウオッチングの会」は、みなんで閲覧にいってみようと呼びかけています。4月28日に会派「市民の風」として議長申し入れ、連休明けから、領収書など事務書にて閲覧公開を行っています。

 県庁前に9:30に集まり、議会事務局にいって政務調査費の閲覧を行い、内容について意見交換を行い、申入れ文書をつくり、11:00くらいから議長への申し入れをおこなうとのことです。お時間のある方は是非ご参加下さい。

 全国オンブズマンによる静岡県情報公開ランキング全国最低45番目であることは既にお伝えしています。その理由が、知事交際費と政務調査費の公開度の低さに原因していることは多くの方がご存知のことがらです。

 知事をチェックする県議会が自らを透明にせずしてその機能を果たすということは大変な困難さを伴なうことは自明の理です。政務調査費の問題は、その意味において静岡県が改革される大きな条件といえます。

 



2006年05月14日(日) 今日は母の日

 今日は母の日です。多くの家族で、感謝の気持ちがお母さんに示されていることでしょう。私も手術後に回復しているはずと、今日のお見舞いを予定していましたが、依然としてICUの中です。明日以降の状況変化に応じて訪ねるつもりです。

 午後から、元第五福竜丸の元漁労長見崎吉男さんの手記をまとめた『千の波 万の波−元第五福竜丸漁労長 見崎吉男のことば−』の出版記念・さし絵展に出かけました。会場は焼津市にある「ギャラリーシペースK」。

 実は、私自身は、3・1ビキニデーという平和運動に直接的に関わった事はありません。関心が無かったわけでありませんが、政党色の強い運動、ということで敬遠していました。勿論その存在や政治的意義については知っているつもりです。

 著書の中でも触れられていますが、呼びかけ文に「地元焼津に平凡に生きるために政治的中立を貫きながらも、熱く平和を希求する姿は老境に入っても変わらず、孤高の精神とすばらしい人柄は、触れ合う人々に感銘を与える魅力があります」。

 このことを深く理解をしていたかというとそうではありません。その政治的中立性については、”中学生との対話”のページできちんと触れられています。とても感動します。見崎さんに直接お会いして、そのことを実感しました。

 見崎さんは、母についてもかなりのページを割いています。「母というなの人生」「少年時代の船番」「学べ」「漁士へ」「自分のことは後回し」「非道の時代」「別れ」「号泣」。どれだけ愛されていたかが伝わってきます。

 「さし絵」をお書きになった水野紀子さんにもお会いできました。作品の原画は、多種多様な手法が使われていて、どうしてこんなにすばらしい表現が出きるんだろうと感銘してしまいます。もともとは建築士とのことです。必見!
 



2006年05月13日(土) 静岡空港収用委員会への対策

 今日は、東京都の収用委員会の実情についての勉強会に参加しました。18:00から別の会合があり交流会に参加できませんでしたが、それにしても圏央道の土地収用委員会の話は学ぶべきものが沢山ありました。

  



2006年05月12日(金) またもや清水港に米海軍モービル・ベイ入港

 今日の夕方、土木部港湾総室長・清水港管理局長名で米国軍艦清水港入港が公表されました。入港するのは、核ミサイル搭載可能な米海軍巡洋艦モービル・ベイ(9,750トン)です。5月23日9時に入港し、27日の9時に出港です。

 日米新ガイドラインに基づき98年11月に「カッシング」、2001年8月に「ジョン・S・マッケイン」、2004年8月に「カウペンス」、そして今回のモービル・ゲイです。清水港の軍港化の既成事実化を狙うものです。

 入港の根拠としては、日米安保条約第6条に基づき締結されている日米地位協定第5条での「米軍出入りできる規定」をあげています。また港湾法第13条第2項の「何人に対しても・・・不平等な取扱をしてはならない」を付け加えています。

 外務省への核兵器塔載の有無について紹介したところ、以下の回答を受けたとしています。非核三原則を堅持している、日米安全保障条約に基づく事前協議が行われている以上、核持込がないことについて、政府として疑いを有していない。

 これでは何の非核三原則を確認した事になりません。神戸市は非核条例に基づき、神戸港への入港に際しては自治体としてのチェックができます。できるからこそ、非核かどうかを明らかにしたくないアメリカは入港しないのです。 

 静岡市は、2005年の12月議会で「平和都市宣言」を行っています。県も静岡市もこの宣言を根拠に、自治体としての非核三原則の確認を独自に行う事が出来るわけです。果たしてこの努力はなされているのでしょうか。

 ※※静岡市平和都市宣言
 南アルプスから駿河湾へと広がる豊かな自然に恵まれ、長い歴史の中で独自の文化と伝統を育んできた私たちのまち、静岡。この素晴らしいまちで、平和で豊かな暮らしを次の世代に引き継ぐことが、私たち静岡市民の願いである。
もとより、世界平和の実現は人類共通の願いであるが、今なおこの地球上では、戦争やテロリズムなどにより尊い人命が失われており、核兵器の拡散も懸念されている。
 戦後・被爆60年の節目の年を迎えた今日、私たちは、あらためて日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明し、静岡市が平和都市であることを宣言する。


 



2006年05月11日(木) 山を迎える原発裁判

 今日は「浜岡原発とめよう訴訟」の進行協議が11:00から12:00まで行われました。弁護団から争点整理表が提出されました。何が対立していて、まだ中電側が回答していない部分がどこなのか、大変よくわかります。

 裁判長もやる気十分で、証人調べについてもパワーポイントを使っての説明方法についても言及がありました。専門的すぎると言われるこの種の裁判をどう裁判所として問題点を明らかにするか、意欲が感じられました。

 それに対して中部電力側は証人を7人考えているということは明らかにしましたが、証人調べの日程調整については次回6月8日以降と応じませんでした。原告側は4人で一人は中電側と重なっているとのことでした。

 最終的に今日の段階では、証人調べの日程は確定しませんでした。それでも弁護団としては、9月か10月くらいには証人調べがはじまり、年内いっぱい集中審理になるとの見通しを述べています。

 志賀原発訴訟の地震と関連しての運転中止判決の影響は、この裁判にどれほど大きな影響を与えているか、進行協議を聞きながら実感しました。次回の裁判は、6月8日11:00、7月6日、8月17日。

 ※母の手術は無事終わり少し安堵ですが、まだいくつも課題がありICUから出ることはできず緊張が続きます。



2006年05月10日(水) 増えたスクランブル交差点

 人口呼吸器をはずして天命を待つか、高齢故危険性も高いが手術による回復か、迷いました。明日は母の手術の日となりました。

 今日は運転免許証の再交付の手続きに追われました。更新手続き期限最終日、5月1日の前日に母が倒れ、手続を放棄していました。それでも、10日間で新免許証を入手できました。「うっかりミス」対応がうまくできています。

 あらためて交通法規研修、聞けば聞くほど、クルマは「来魔」で、運転することがこわく感じてきてしまいました。本当に危険なクルマという輸送手段、クルマ社会の便利さに、社会全体がクルマ優先に作りかえられています。

 しばらくの間、徒歩、自転車、バス、タクシーをつかった生活・労働スタイルでしたが、都市の交通システムを見なおす機会を得ている感じでした。ただ、クルマをもっている方々に助けてもらっている現実もあります。

 昨年の6月議会で静岡駅から県庁までの地下道を2回も通る静岡市・県庁所在地の異常さを訴えました。私だけの主張でなかったと思いますが、それにしてもこの1年間にスクランブル交差点が増えました。

 静岡駅前がスクランブル交差点に、江川町交差点がスクランブルに、中町がスクランブル交差点に、変わる日が近づいているんじゃないかと密かに期待をしています。



2006年05月09日(火) 迷い

 母がICUに入って1週間、電話での遠距離親族会議、どのような結論をだすべきであるのか。

 今日は横浜市の市立病院への指定管理者制度導入に関しての調査に出かけましたが、後日に報告します。



2006年05月08日(月) 会員制雑誌『Foresight』5月号

 新潮社が会員制にして刊行している『Foresight』という雑誌があります。目次を見ると「郵貯銀行の“突進”を目前にメガバンクと地銀の迎撃戦略」「タイ政界で囁かれる「タクシン」復権のシナリオ」、

 「新たな米国安全保障戦略が日本に求めた「積極性」」「ホルムズ海峡を監視下に置く中国の新戦略拠点」「今や秘密会合すらもてないイスラエル・パレスチナ」「シラクに「12年目の屈辱」を与えたフランス学生デモ」・・・・。

 新潮社の骨太の雑誌戦略でありましょうか。この雑誌に「それでも罷り通る空港整備特会の借金増幅体質」と銘打つジャーナリストのまさのあつこ氏による静岡空港をメインにしたルポルタージュが載せられています。

 副題に「いちど決まった計画は、需要がなくても突き進む。赤字も平気な役人の、長きにわたる“成果”こそ、競争力なき空港と1兆円もの借金だ」とあり、空港整備特別会計への痛烈な批判が繰り広げられています。

 小泉首相、最後の仕事に行政改革を掲げていますが、果たして、本当にその一つである空港整備特別会計を解体できるのでしょうか。実は、この改革と静岡空港は切っても切れない関係にあります。

 このルポに刺激されながら改めて空港特別会計の実情を調べ始めました。この雑誌を読んでみたい方はご連絡下さい。お貸しします。読み応えがあります。

 



2006年05月07日(日) 静岡新聞社説と憲法60年企画

 連休最後そして日曜日、静岡新聞は定期的な長文の社説を載せます。今日のタイトルは『からむ外交戦略、それでも優しい気遣いがうれしい」と北朝鮮の拉致問題とブッシュ大統領を取り上げています。

 その一方で1面企画の「憲法60年シリーズ」の最後のインタビューがカン・サンジュンさん、タイトルが「アジア外交に歴史戦略を」です。5回目にふさわしい人選に時代への緊張感を感じさせてくれます。

 しかし、私には何かアンバランスを感じさせられてしまいます。社説の書き手自ら「天の邪鬼」といっていますから、「敢えて」の主張なんだろうとは、思います。ブッシュ大統領はそんなに「優しい」んでしょうか。

 大量破壊兵器も見つからなかったイラク戦争を仕掛け、いまだ撤退できず、世論の支持を失っているアメリカのリーダー、社説の書き手はどう評価をしているんでしょうか。勿論、拉致問題を肯定しようなどとは思っていません。

 私自身にも自己反省があります。私の同郷の蓮池薫さん、彼がたどった運命はひょっとしたら私の運命であったかもしれないという荒浜海岸での拉致事件。もしかと思いながらも、拉致被害者の周りにいる右より政治家。

 その古い思考にとらわれてこの問題に近づこうともしなかった自分、一方で過去の侵略の歴史については声高に叫んでいた自分、実は過去の歴史におけるひとりひとりの朝鮮人の痛みについて理解していたんだろうか、との自問。

 私たちが拉致被害者の境遇に共感するということと、過去の歴史の痛みに心を寄せる想いは、本来同じものであるはずです。イラクで爆撃される人々と拉致被害者は同じ境遇とするなら、もう少し、違う表現があるのではないか。

 アメリカの外交戦略の思惑について冷やかさを見せながらも、日本の政治家をあざけわらうわけです。その姿勢はジャーナリズムの原点において、石川県政とどのような緊張関係として,自らに問い直されているんでしょうか。

 カン・サンジュン氏の自らを切り刻む「内と外」に対する厳しいその姿勢は取材する側は当然に感じ取ることができていると思います。静岡新聞社内緊張がどのようなものであるのか。大いに関心が湧いてきます。
 

 



2006年05月06日(土) 久しぶりに走る

 この1ヶ月ほど、総会の準備などでマラソンができませんでした。いつものコースをいこうとすると川の橋の工事で通行止め、違う道を走りました。久しぶりだとまわりの景色がどんどん変わってしまいます。

 つつじが咲き始め、季節の変化を感じさせられ、畑や田んぼのトラクターや耕運機に農家の気分を思い起こさせられます。自然の恵みは、私達の生活や労働を支え、記憶をもよびおこしてくれます。

 それにしても街の中はガランガランでしたが、帰省ラッシュが始まっているといいますから、だんだんに人が戻ってきているのでしょう、車が増え始めました。連休が終われば、活動再開、また、あわただしい街並みに変わります。

 連休中に、大失敗しました。免許証の書き換え時期だったのに見逃してしまいました。書き換え期間が延びていたので、まだ、時間があると手紙入れに入れてしまっていて忘れしてまいました。せっかくの法律改正を無にしました。

 6月から駐車禁止チェックを民間がやる事になります。この法律改正は、大都市中心の施策ですが、この静岡にどのように展開されて行くのか。「みなし公務員」となる民間人の法律行使に市民がどんな反応を示すのか、注目です。



2006年05月05日(金) こどもの日

 風もさわやか、こいのぼりが空高く舞うにふさわしい、こどもの日。やや暑かった1日でしたが、何かを感じました。弟からは、母が回復に向かっているとの知らせ、病床での姿が目に浮かびます。

 ニュース23で筑紫哲也さんと宮崎駿さんが10年ぶりのこども日に対談。聞き逃すまいと二人のトークに集中しました。子供は3年テレビを見るなといった自分がDVを売っている、宮崎さんの自分とのせめぎあい、を感じました。

 でも、結局はコミュニティの崩壊に行き着きます。筑紫さんの、小さな頃は道草をくって親に怒られながらもその道草が楽しかった、でも今の子供は、その道草の楽しさを経験できない、その感覚のゆがみが社会をおおう、と。

 だから、民族教育だ、愛国教育が必要だという議論は何かおかしい、まさに実感です。教育基本法での愛国心を、と叫ぶ人々の気持ちはわかります。しかし、復古主義では、おそらく、この社会の現実をケアできないと思います。

 いつも私が主張しているわれわれ世代の「未成熟な個人主義」と今の若い世代の「過剰な個人主義」、どこでどうか重なり、どこで食い違っているのか。まさに国家とは、公とは、そこにいる個人とは、根源的な問いです。

 ジェンダーパッシングも結局、そこところに行き着きます。5日のこどもの日に3日の憲法問題がどうしても重なってしまいます。少子化でこどもたちがどんどん減っていきます。未来のこどもたちの人権と共同体はどうなるのか。
 



2006年05月04日(木) 映画『ホタル』をビデオで観る

 新緑の季節、旬が食卓に並びます。タケノコ、菜の花、新ジャガ、たまねぎ。これだけ、あれば充分。最近、きよみというみかんを焼酎お湯割に使います。近くの方に無農薬のものをいただいてからの「のめりこみ」です。

 連休ということで、前から観たいと思っていてかなわなかった、5年も前の作品『ホタル』を借りました。知覧特攻隊をテーマにした作品で、高倉健、田中裕子主演の心温まる夫婦映画であると同時に痛烈な社会派作品です。

 キム・ソンジェという朝鮮人特攻隊、朝鮮民族のために、許婚(いいなずけ)のために、明日は敵艦を撃沈します、朝鮮民族万歳、ともこ万歳、が検閲のために文書で残せない、と明日はわが身の、特攻隊員に語られます。

 長年、連れ添う夫婦の愛の深さに涙します。忘れがたい青春期の愛の想いでも、その戦争という時代を生き抜いた二人だけに、そのことが透析が義務付けられる病をも抱えながら、昇華していきます。

 日本の特攻隊と、ベトナムの民族解放のために戦車に鎖で自分の体を巻きつけて米軍相手の戦った青年達、そして、今、イラクで米軍に突っ込んでいくイスラム原理主義の若者達、どこがどう違うのか。国の為に、民族の為に。

 「生きろ」と叫ぶ北岡総長。病床の母の姿が浮かびます。生きて欲しい、もう一度、母の声を聞きたい、誰しもが想う肉親への愛。国のため、世界のために死んでくれ、と小泉首相はイラク派兵に際して、自衛隊に命令しました。

 『ニュース23』で筑紫哲也さんの多事争論ー今日のテーマは、人気TV番組のキャスターであったエドワード・マローと「赤狩り」を先導したマッカーシー上院議員の闘い・映画『グッドナイト・グッドラック』。

 テレビと政治、誰がこの時代をきちんと語ってくれるのか。語りたい自分がいるということはすぐにわかるのですが、私たち、遅れてきた団塊の世代・特有の「思い込み」にどう自嘲しながら、次の世代に語れるのか。

 

 



2006年05月03日(水) 59年目を迎えた日本国憲法

 母の病状を気にしながら静岡に戻りました。しばらく小康状態という間に、抱えている宿題の解消する必要もあり、連休だからとゆっくりできない状況が続いています。今日は憲法59周年。マスコミの社説を追いました。

 憲法問題を正面に掲げたのは、中日新聞と毎日新聞です。産経新聞、日経新聞は、憲法問題を取り上げず、在日米軍の再編問題を取り上げています。朝日新聞も在日米軍再編問題をとりあげ、1面で憲法問題を取り上げました。

 読売新聞は、米軍再編問題と憲法問題を取り上げていますが、「小沢さんの改憲論はどうなった」と半分茶化し気分です。我が、静岡新聞も、憲法問題と在日米軍再編問題の両方を取り上げています。

 中日新聞が、憲法は本来、権力者を規制するもの、ところが、国民規範として憲法問題を位置付けようとする改憲派に警鐘を鳴らしています。極めて原則的です。マスコミ界で一番の護憲派ではないでしょうか。

 毎日新聞は、記者の目で岩見隆夫氏を登場させ、改憲論のエネルギーの消失を軸に、憲法と自衛隊、米軍再編など小泉首相の情熱のなさに、政治への冷やかな評価を展開します。このリアルな分析エネルギーは驚嘆に値します。

 朝日新聞は、現実と憲法のずれを埋める解釈改憲を、「巧妙な妥協」として、3人の識者の発言を引用しながら、「一種の成熟」した政治バランスと紹介しています。護憲派側からの「苦肉の策」という感じです。

 勿論、私は9条改憲に反対の立場ですが、国際連携のなかに9条の精神を生かした外交戦略をどのように打ち立てていけるのか。人と人の関係を含めて具体性と政治的潮流をどのように作り上げることができるのか。

 アメリカ・フランス・イギリス・ドイツでも、若者や労働組合がイラクへの戦争加担に反対するデモンストレーションが起きているのに、また、人種差別に対してもフランス、アメリカで。何故、日本に直接行動が起きないのか。

 何か、おかしい、日本。9・11が世界を変えたのは間違いないのですが、アメリカ政府追随とは異なる市民レベルでの国際性をどのように発揮していくのか。団塊の世代故か、嘆きと同時にパワーも湧いてくる昨今です。
 

 
 



2006年05月02日(火) CCUからICUへ

 さすがにインフォームド・コンセントは徹底しています。



2006年05月01日(月) 一命はとりとめる

 神の恵みとしか言いようのない形で一命は取り留めたものの小康状態。


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K.matsuya

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