世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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2002年03月15日(金) 善良な魂 が終わってご挨拶

 みなさん、どうも読んでくださってありがとうございました。どうでした?もし、少しでもプルーたちの世界を楽しむのに一役買ってたら、メチャクチャ嬉しいです。
壊してしまっていたら・・・っていうことは、考えないことにします。

 昨年の9月末にふと思いついて、勢いではじめてしまったまさに「世にもいい加減な」物語、「善良な魂」が、始まって、終ることができて、本人、わたくし、一番びっくりするとともに、ほっとしています。
 「世にもいい加減な」更に「ネバーエンディングなんちゃって海外ドラマ」なわけですから、「チャームド2」の放送も春から決まったところですし、また何か終りそうで終らないお話を書いてプルーたちがそこにいるような気持ちを味わってみたいなぁと思ったりもしています。

 それから、海外ドラマは「チャームド」ばっかりじゃないので、他のでも遊べたらいいなぁ、なんてすっごい大胆なことを考えてしまったりします。ま、「いい加減」が信条ということですから、たなからぼたもちがおちてきたら、突然はじまるかもしれません。

ということで、また、時々のぞいてやってくださいまし。

では、では、またお会いできる日を楽しみに。


2002年03月11日(月) 善良な魂 28 最終回

       3姉妹は顔を見合わせて、階下にダッシュで降りるが、
       そっと覗くとアルはまだ止まっていた。
       色々ありすぎて思い出せないけど、なんとなく、これ?というポーズで
       時間が戻るのを待つ。
       戻る。一瞬あっけにとられる、アル。


フィービー 「(にっこり笑って手をつないでいる)」
パイパー  「(それをふりほどきながら)本当にプルーを助けてくれてありがとう。」

        こんな話だったよね?というような、パイパーの視線に。
        プルーは少し複雑な面持ちで・・・・。


プルー  「ありがとう。」
アル   「(なんだか不思議な感じは否めない)え?あぁ。それより、なんか、今、あった?」
3人   「え?」
アル   「僕、ずっとこうしてた?」
パイパー 「いやぁね、ずっとって、一瞬よ。」
アル   「そう、そうだよね?・・・
      でも、なんか、すごいことが起きたような気がするんだけど・・・」

フィービー 「(小声でプルーに)さすが魔女の息子、するどい!」
アル    「何?」
プルー   「なんでもないわ。」
アル    「そう、それじゃ、僕はこれで帰るよ。じゃ、よろしくたのむね。」

      「じゃぁ」「OK」などと口々に、アルを見送る。
      心の中で、3人ともが「何をよろしく?」とか思っている。
      
      そして1人プルーはランディがまた行方不明になることをあの家族が
      どう受け止めるのか、考えてしまうのだった。
      そんなプルーを見て


パイパー   「ね、飲みに行かない?」
フィービー  「って、どうせクエイクでしょ?」
パイパー   「いやなの?」
プルー    「いいえ、いきましょうか・・・。」

        出ようとしたところで、アンディとモリスに出くわす。

アンディ 「プルー!戻ってたのか、家に。」
プルー  「ええ。そうよ。」
アンディ 「無事ならよかった。聞いたかい?ランディのこと。」
プルー  「あぁ、ええ、聞いたけど、その話しは今はしたくないわ。」
パイパー 「(プルーの気持ちを察して自分が、とばかりに)また行方不明になっちゃうのかしら?」
アンディ 「どうしてそう思うの?」

パイパー 「あ、えーと、いなくなったんでしょ?家族に何も言わず。」
モリス  「そうだけど?」
アンディ 「(プルーの顔色が優れないのを気にしながら)すぐ戻ってくるとは思わないのかい?」
フィービー「思ってないのは、警察じゃないの?
      だって、ランディのこと重要参考人と思ってるんでしょ?」
アンディ 「君達も、思ってなかったっけ?」
プルー  「行動や、死んだ人との関係はあったけど、でも、アンディ、
      あなたが言ってたような、例の屋上の離れワザみたいな、足跡を残さないっていうの?
      そんなのランディの年で、できるわけないじゃない。」
アンディ 「考えてみてくれたんだ。」
プルー  「えぇ、幼なじみの頼みだもの。(笑顔を取り戻している)でも、
     骨董の鑑定師にはなんのことか、わからなかったわ。私がマジシャンならわかったかもね?」
アンディ 「(彼女の笑顔に安心して笑って)そうだな・・・。」

モリス  「で、お嬢さんたちは、まさかこんな夜に出かけるのかい?」
フィービー「こんな夜に、出かけないってこともないでしょ?」
パイパー 「警察の人がしっかり働いてくれてるみたいだから、私たちも安心して食事にいけるわね。」
プルー  「クエイクに行くだけだから、大丈夫。心配してくれてありがとう。」
アンディ 「わかった。何かあったらすぐ電話して。」
プルー  「こっちもね。」

          しばらく後、クエイク。3人で飲んでいる。

フィービー  「これからどうなるのかはわからないけど、
        とにかくオコーナー氏まで犠牲にならなくてよかった。」
プルー    「そうね。さっきアンディから電話があって、
        よく話を聞いたら、彼は別に自殺願望なんてなかったらしいわよ。」
フィービー  「え?どういうことだろう」
パイパー   「ランディの体から離れたくないから、合いそうな魂なら死を望んでなくても
        狙ったとか?」
フィービー  「それはないと思うんだけど・・・・あ、そういえば、ね、プルー、
        ランディの話しても、大丈夫?」
プルー    「ええ、大丈夫よ。きっと呪文の通りに死の世界へ消え去ったのは
        魔物だけだと思うの。ランディの魂は昇天したと信じるわ。そして、
        きっとマリアナに会えるって。」
パイパー   「そうね。そうでなきゃ、ね。」

フィービー  「じゃ、1つナゾが残ってるんだけど、告別式のあの日、私たちが発見した人の魂、
        どうやって奪えたのかな?だって、みんな一緒だったんでしょ?」
プルー    「あぁ、そのこと・・・実は、ランディの姿が一時わからなくなっていたらしいわ。
        それで遅くなったって言ってたから。言わなくて、ごめん。」
パイパー   「言えなくて、だね。」
フィービー  「信じたかったんだよね、プルー。」
プルー    「信じてもどうしようもないことだったんだけど。」
フィービー  「信じてたから、プルーの声が内なるランディの魂に聞こえたのかも・・・・。」
パイパー  「そうだよ、プルー。きっとそうだよ。」
プルー   「やさしいのね。(微笑む)・・・(胸にかけてる十字架を触って)
       明日、他のものも一緒にリサに返しに行くわ。きっとまた大変だろうけど、
       何か、手伝えることがあれば力になろうと思ってる。」
パイパー  「それがいいわ。だって、親戚みたいなものよ、きっと。
      (と、例の祖母たちの写真を出して見て)私たちは祖先に助けられたんだもの。」

      と、ほっこりムードの中、フィービーが突然ににやっと笑う。

パイパー  「あ。あんたまた、アルのことで変なこと考えてないでしょうね?」
フィービー 「え?あ、それはまた考えるかもしれないけど(笑って)違うの、それよりさ、
       ね、ね、パイパー?」
パイパー  「何よ?変な子ね。」
フィービー 「私たちがバックランドにいるプルーに電話した時、聞こえたよね?
       アルの車がついたとき。」
パイパー  「あぁあ。(にやっと笑う)」
プルー   「(見つめられて)何よ?私は別に・・・」

パイパー  「違います。アルじゃなくて、あの時、プルーったら、誰の車かわからないのに。」
パイパー・フィービー 「(楽しそうに)『アンディ?』」
フィービー 「って、最初に叫んだよねぇ。」
プルー   「(はっと思い出し)それが悪い?アンディは警視なんだし、
       来るかもしれないじゃない。少なくともアルが来る可能性より、
       普通に考えればあるじゃない。」

     と、むきになるプルーを中心に今夜も3姉妹は魔女として活躍したことも
     嘘のように、普通の無邪気な年頃の3姉妹のようにクエイクで過すのです。






                                  END          


2002年03月10日(日) 善良な魂 27(最終回の前)

         パイパーは力をこめて、時間を止める。
         そして3人は準備された屋根裏へ走る。
         
         パイパーは用意してたろうそくに火をつけ、
         プルーは真珠のついた十字架をガラスのうつわの上に置く。
         まわりには、いくつかのハーブがちりばめられている。
         
         全てのろうそくが灯されると、鏡に反射して
         その光が乱反射しながらだんだん十字架の真珠に集まっていく。
         真珠の光が異様に白く明るく、真昼の太陽のようになる。
         
         もう一度、経典で呪文を確認したフィービーが輪に入る。
         プルー、パイパー、フィービーの3人が手をつなぐ。


3人唱和  「『今こそ封印された力を解放させよ。善良な魂と同じ光を放て。
       死すべき魂は、永遠に死の世界へ。善良な魂の光に焼き尽くされよ。』
       『死すべき魂は、永遠に死の世界へ。善良な魂の光に焼き尽くされよ。』
       『死すべき魂は、永遠に死の世界へ。善良な魂の光に焼き尽くされよ。』


       太陽のような真珠の光はまぶしく屋根裏全体を包むように広がる。
       ちょうど、傘をさかさにしたような形に扇形になった光が寄せ集まってくる。
       真珠を中心線とした彼女たちの目の上でそれは一瞬平にひろがる。
       
       恐ろしいうめき声とともに青白く光るランディと思しき年恰好の男が
       突然その中に現れ、広がった白い光の中に磁石でもあるようにはりつけられる。
       それは、さながら光でできた死の床のようである。
       3姉妹の見守る中、やがてその光は少し持ち上がったかと思うと、
       激しい光彩を放ち、一瞬にして消え去る。断末魔の叫びがかすかに残った。
       
       まぶしさに目が眩んだ3姉妹であったが、目が慣れてくると
       まず、お互いを確認し合う。


フィービー  「これで消えたの?」
パイパー   「あの時白い光に巻き込まれたのは、あんたが見た青い光の魔物?」
フィービー  「うん、間違いないよ。」
プルー    「ええ、あれが多分、ランディの体を借り、魂から生気を奪いながら、
        他の人たちの命を奪ってきた魔物よ。」

         3姉妹は、なんとなく後味の悪さを感じている。

フィービー  「これからどうなるの?」
パイパー   「わからないわね。そこまで経典には書いてなかったんだもの。」
プルー    「ランディの日記にもね。・・・あ、見て!十字架、さっきより光って見える。」

パイパー   「蝋燭はきれいさっぱり燃え尽きて、ハーブも鏡もどこへやらいってしまったけどね。」
フィービー  「終った、ってことかな・・・?」
プルー    「(少し微笑んで)鏡、買いに行かなくちゃね。ふふ。
        十字架はリサに・・・・上手く説得して、マリアナの血族の女の子に
        受け継がれるように伝えるわ。あ、他の宝石も取りに戻らなきゃ。」

フィービー  「あ!!アル!!」

次回最終回


2002年03月07日(木) 善良な魂 26

        あわててパイパー、フィービーはプルーの視線の先を追う!
        どうしたことか?すらすらと、ランディの最後の文字のあとに
        マリアナらしき文字が浮かび上がる・・・・まるで、今書いているように。


フィービー 「すごい!すごいよこれ!私が見えるだけじゃなくて、
       実際、書き文字が現れるなんて!」
プルー   「(読む)『すぐに逃げて、ここから離れて。二度と死を望むような事は言わないで。
       私のことを信じて。すぐに子供たちのところへ、急いで!
       死神よりもひどい魔物があなたの魂を奪いに来る前に、急いで、逃げて、
       生き延びて!あなたをずっと見ています。マリアナ』
・・・・」

         驚きのあまり、顔を見合わせる3姉妹。

プルー 「これは、・・・どういうこと?マリアナの知らせたい未来はランディにだったの・・・。
     ランディは、それで失踪したのね。」
フィービー「そうよ、マリアナはもう見えていたのよ。自分が事故で死んでしまうことも、
      それで、ランディが落胆することも。」
プルー  「だから、急に日記を書くことを勧めた?」
フィービー「そして、私が見た過去の通り、きっとランディが書くであろうページまで先送って、
      そこにメッセージを残したのよ。」
パイパー 「彼女が未来を知った時にランディに知らせることは出来なかったのかしら。」
プルー  「きっとできなかったのね。ランディはマリアナたちが魔女だって知らなかったと思うし。」
パイパー 「そうだとしても、でも、じゃ、どうしてそれを今、フィービーにも
      見せようとしたんだと思う?」
フィービー「わからないよ。」
パイパー 「魔法で魔物をしとめる前に必要な何かって、フィービー、言ったじゃない。」
フィービー「そうだけど、こういうこととは思わなかった。」

        パイパー、戻りそうな時間をまた止める。
        プルーが、黙って考え込んでいる。


プルー  「知って欲しかったんじゃないかしら。
      きっとランディはこの驚くべき事実を受け止めて、必死で逃げたと思うわ。
      ただ、魔物が追いついて、半年のうちのどの時期かわからないけど、
      ・・・もしかしたらかなり早い時期かもしれない。マリアナの願いは虚しく、
      魔物にランディは魂を取られ、体も取られた。
      でも、彼が本気で死を望むことはなかったこと、魔物に奪われまいと
      必死で逃げたことは、知っていて欲しかったんじゃないかしら。」
パイパー・フィービー  「マリアナ・・・・・」

プルー  「それに、確信した。まだ、ランディの魂は生きているんだわ。かすかだけど。
      完全に失われてはいないんだわ。」
パイパー 「そのかすかな『善良な魂が魔物を生きさせている』・・・」
フィービー「ほんと、残酷すぎるよ。いい人間が魔物を生きさせるために生きているなんて。」
パイパー  「乗り移らずにランディの体にいるのは、魔物にとってメリットがあるから、って思ったけど。」
プルー  「ランディの魂の力が強いのよ。それにマリアナがきっと守っているんだわ。
      だから魔物は体を乗り換えられないのかもしれない。
      他人の魂を取り込んでランディの体を利用している。
      もちろん、立場も利用できるから、魔物の方も、マリアナの力やランディの魂の力に
      気付いていないかもしれないけれど。」

パイパー 「ねぇ、ちょっと待って、それなら、かすかにでも生きているのなら、
      そんなに強い魂ならランディを元に戻せないかしら?」
フィービー「そうよ、マリアナが守っているんだし。」
プルー  「私も、ランディが生きているのなら、戻して欲しいと願っていたわ。
      そのヒントになれば、って魔物退治より、先にマリアナが教えたいと言う
      未来について知りたかったの。」
パイパー 「そうだったのね・・・。」
プルー  「でも、残念だけど、ランディの魂を昇天させることを考えなきゃ、
      完全に魔物は退治できない。」
フィービー「でも、経典には『善良な魂を食い尽くす前に封印された魔女の力を秘めた
      白い石が魂と同じ光を放つとき、魔物は消える。
      そして二度と蘇らない。』
って、書いてあったじゃない。」

プルー  「そうね、だけど、いくらなんでもランディの中に居座りすぎだと思うの。
      マリアナはおそらく被害を最小限にするために、魔物をランディの中に
      封じ込めておくためにも守っているんじゃないかしら。悲しいことだけど。」
フィービー「プルー、それだけじゃないよ。きっと、あんなに楽しそうにマイケル達と暮らしてるのは、
      ランディの魂だよ。マリアナはそれを少しでも味わわせてあげたいんじゃないのかな。」
プルー  「(やっと少し笑って)そうね、そう信じたいわね。」

      時間を止められているアルの笑顔を見ながら

プルー  「家族でない私たちが判断を下すのは、許されるのかどうかわからないわ。
      ・・・私、バックランドでランディに追われた時、彼を投げ飛ばせなかったの。
      少しでもランディの魂があるならって・・・。
      でもそれは、次の魂へ魔物が乗り移らないために、必死でランディやマリアナが
      守っている砦なのよ。時は迫っているわ。魔物をやっつけたあと、どうなるかなんて、
      想像つかないけれど、やるしかない。」
パイパー 「プルー・・・・。そうね、これ以上、悲しい思いをする人を増やすわけにはいかない。」
フィービー「それがマリアナが伝えたかったことかも。」

        屋根裏にあがろうとして。

パイパー  「アル。どうしよう。」
フィービー 「危険な目にはあわせられないよ。」
プルー   「プルー、時間を止めなおして!その時間内でなんとかするのよ!」
パイパー  「できなかったら?」
プルー   「ううーーーん、ごまかす!」        

つづく


2002年03月06日(水) 善良な魂 25

         玄関でパイパーと、フィービーが待っている。車に駆け寄る2人。
         車から降りるプルー。アルも降りてくる


プルー   「ただいま。」
パイパー  「プルー、よかった。」
フィービー 「ほんとよかった。」
プルー   「アルにはなんてお礼を言っていいか。ありがとう。」
アル    「いや、でも、ほんとに警察届けなくて大丈夫かい?」
プルー   「あぁ、ええ。それに友達が警察の人で、・・・もうすぐ来るはずだから。」
アル    「じゃ、大丈夫だね。」
フィービー 「アル、ありがとう。」(といって、軽く手を握る)
プルー   「あの、じゃ、これ預かってみるわね。」
アル    「何か、わかるといいんだけど(と、遺品である宝石のこと位に思っている)」
フィービー  「ちょっと待って、それ・・・」

       フィービーの体に電流が走ったようになり、映像が見える。
       さっきの続き。すらすらと文字を書き始めるマリアナの映像。


プルー・パイパー 「フィービー?!」

       パイパーはあわてて、時間を止める。

プルー   「どうしたの?何が見えたの?」
パイパー  「ちょっと、だいたい、いつまでアルの手を握ってんのよ!」

       と、アルの手をはがしにかかる。するとフィービーが

フィービー 「待って!パイパー!」
パイパー  「何?」
フィービー 「ねぇ、お願い。アルを帰さないで。」
パイパー  「何、のん気なこと言ってるの?」
フィービー 「違うの、ねぇ、これ、何?」
プルー   「え?あ、アルが届けてくれたランディの日記よ。」
フィービー 「マリアナが、過去の映像の中で書いてるの、・・・これだよ。」
プルー・パイパー  「え?本当?!」
プルー   「だって、これ、マリアナじゃなくてランディの日記よ。ランディの文字しかないもの。」

       はっとなる、プルー。最初に日記を見たとき感じた気持は・・・。

プルー  「この日記、ここで終わってるんだけど、何か続きがあるような気がしたの。
      インク消しで消してしまったとか、破られてないんだけど、破り去られたとか。」
パイパー 「残存する意識を感じられた?プルーって?」
プルー  「私にそんな力はないわよ。」

3人   「マリアナ・・・・。」
パイパー 「ちょっと待って、時間がとける。」
プルー  「続けて!」

        パイパー、時間が動き出すや否やまた時間を止める。

パイパー   「どうするの?これ、いつまで続けるの?」
フィービー  「ことが終るまでよ。まさかその間、お茶、飲んでてもらうわけにも、
        説明するわけにも行かないでしょ?」
パイパー   「そうだけど。フィービー、私たちには説明して。」
フィービー  「『未来を知る者は未来を見る者に伝えることができる。
        未来を見る者は未来を知る者からの伝えを聞け』

       ・・・想像したとおり、未来を知る者がマリアナで、私が見る者なら、
       何か伝えたいことがマリアナにあって、それを私は聞かなくちゃいけない。」

プルー    「そうね。」
フィービー  「見つけたページに方法は載っていなかった。でも今、アルと触れていたら、
        続きが見られたの。アルは男性だけど、マリアナの子供よ。」
パイパー   「じゃぁ、アルの存在が、何か助けになるかもしれないってこと?」
プルー    「ね、アルがこの日記を発見した時も、風が吹いてこの、
        ランディが最後に書いたページを示したらしいわ。」

        プルーは、そのページを開ける。
        『君のいないこの世は全ての輝きを失ったようだ。
         この世ではもう生きている気がしない。寂しくてたまらない。』

        この文字を読んでパイパー


パイパー  「これを、死を望む魂って魔物は思ったのかしら・・・・。」
フィービー 「そうかもね。そしてランディは、体を乗っ取られた。」
プルー   「アルは、この十字架をオークションにかけることについて
       この日記を調べてくれていたんだけれど、突然、頭の中で、
       私に渡すように声が聞こえたって言ったの。」
パイパー・フィービー 「どういうこと?」
プルー   「つまり、フィービーのいうように、アルにもマリアナの力が
       作用しているってことじゃない?」
フィービー 「なら、マリアナが私に伝えたい未来を知る力になるのが
       アルの中のマリアナの血かもしれない!」

パイパー  「で、結局、どうするの?」
フィービー 「わかんないけど、とりあえず、さっき手を握っていたら映像が動き出したから。」
パイパー  「心なし、喜んでない?」
フィービー 「ないない、真剣だよ!」
パイパー  「ほんとかしら?」
プルー   「でも、やってみる価値はあるわ。パイパー、時間止めつづけるのも大変でしょう?」
パイパー  「そんなことより、さっさと、先に魔物をやっつけた方がいいんじゃない?
       3人揃ったし、十字架もあるんだし。」
プルー   「(すかさず)だめ!」
パイパー  「なんで?」
プルー   「・・・なんででも。」
パイパー  「・・・プルーらしくない・・・」
フィービー 「・・・待って、とにかく、このことがわかった以上、
       きっと魔物がそれだけじゃやっつけられないとか、なにか理由があるんだよ。
       今、知るべき何かがあるって気がする。」

       パイパー、時間を止めて。

パイパー  「わかった!やるだけやってみましょう?で、どうやるの?
       さっきから、手をつないでるけど続き、見えてこない?」
フィービー 「・・・・んーーーーー。」

        目を閉じて何かを感じようとしているフィービー
        それをじっと見守るパイパー
        その横で突然プルーが


プルー   「え?!何これ?!!信じられない!」

つづく


2002年03月05日(火) 善良な魂 24

       日記を見つめながらプルー

プルー 「ね、アル・・・でも、どうしてこれをあなたが?」
アル  「(どう説明しようか、少し考えて)母が亡くなってサンディエゴへ行った。
     親父の落胆振りはひどかった。兄と僕は患者が待っているから、そういつまでもいられない。
     こっちへ一緒に帰ろうって言ったんだけど、ダメでね。」

プルー 「わかるわ・・・。マリアナのそばを離れたくなかったのね。」
アル  「あぁ。リサとマイケルが残ってくれたんだ。1週間ほどして親父は
     『もう大丈夫だから』と、2人を戻した。実際、落ち着いたようだったけど、
     それから毎日、マイケルに電話をさせていたんだ。」
プルー 「そうだったの。」
アル  「だからね、電話に出ないってことで、親父がいなくなったのは、
     もうその日のうちにわかったんだ。」
プルー 「それで?」

       次の台詞から映像はアルの回想シーンになる。

アル(声) 「僕が先に出られたからすぐサンディエゴへ行った。
       2階に親父が書斎がわりに使っていた机があって、その上にこれがあったんだ。」
プルー(声)「すぐに気がついたのね。」
アル(声) 「いや。家中、それから近所を探して、警察にも連絡をして、
       次に何をするべきか判らなくなって、ふと思い出したんだ。
       親父が書き物や読み物をする時、そこに座っていたってね。」

       現在のアルの車中。

プルー  「・・・(聞いている)」
アル   「そこに座ってみた。
      (その時の感情を思い出したように少し驚いた表情、そして少し困ったように笑って)
      びっくりしたよ。」

      アルの回想。サンディエゴのランディの家。
      2階、書斎机から見える庭の緑が美しい。


アル(声) 「目の前の窓から庭が見渡せるんだ。それも、母が大切にしていた菜園が。
       親父はいつもそこから母を見ていたんだよ、プルー。」
プルー(声)「素敵なご夫婦だったわ。」
アル(声) 「あぁ、慈しみあっていた・・・(本題を思い出した、というように)
       それで、僕は窓を開けてみようと思った。柔らかな風が入ってきたよ。
       驚いたことに、手元の日記がぱらぱらとめくれて、この最後のページを示したんだ。
       母が教えてくれたんじゃないかと思ったね。」
プルー(声)「(どきっとしながら)ええ、そうかもしれないわね。」

アル(声) 「文字が目に入ったよ。悲しげな文字。父は、母のいない庭を見つめていて、
       思い余ったのかと、そのときは考えた。」
プルー(声)「そう思っても仕方がないわ。」
アル(声) 「警察が来るまでの間に、どこか行きそうなところとか、手がかりはないかと、
       他の日付のものも見てみたけど、わからなくてね。」

       現在のアルの車中に戻る。

アル  「警察に渡していたんだが、調べ終わって手元にね、却ってきたんだ。」
プルー 「それであなたが持っていたの。」
アル  「サンディエゴの家はまだそのままにしてあるから、向こうに戻すつもりで
     僕が預かっていたんだよ。そうする間に親父が帰ってきたんだ。
     でも、親父に渡すのも、何だかね。」
プルー 「そうね。でも、それで、どうして今、私に?」
アル  「母が宝石を売るつもりだったかどうか?って、話してくれただろう?
     これを思い出してね。親父が母からそういうことを聞いていたかどうか、
     何か書いてないかと、もう一度見ているうちに、何か、胸騒ぎがしたんだ。」

プルー 「でも、ヘンリーたちでなく、私に?」
アル  「わからないよ。不思議だな。(少し笑う)君に渡さなきゃって、
     まるで頭の中で声が聞こえたような感じかな?なんていうんだろう、
     夢で見たような・・・上手く説明できないけど。」
プルー 「そう・・・(考えている。心の中でつぶやく)もし、何かマリアナが伝えたいとして、
     どうしてそれがランディの日記なの・・・わからないわ。」

アル  「(プルーが黙り込んだので)もともと親父は日記なんてつけてなかったんだ。」
プルー 「え?!」
アル  「もちろん、医者としての記録みたいな日誌はつけていたよ。」
プルー 「それじゃ、これは?」
アル  「最初の部分に書いてあった。突然、母が言い出したらしい。」
プルー 「マリアナが?」
アル  「あぁ、サンディエゴでの日々のことを書いてみたら?ってね。
     親父、リタイアして田舎に引っ込んでぼーっとしてしまうんじゃないかと、
     母が心配したのかもしれないね。(笑って)」
プルー 「(笑ってみせる)」

アル  「強く勧められて書き始めたけど、日記っていうより、日誌って感じなんだよ。
     親父らしいっていうか。・・・それが、だんだん、日を追うにつれ、
     詩的っていうのかな?その日あったことだけじゃなく、考えていること、気持とか、
     そういうものも書くようになったみたいだ。」

プルー 「そう。(と、手元の日記のページを戻してみる。)あら?」
アル  「母の事故の日『今日、妻が死んだ』と書いてからは、日付だけで何も書いてないだろ?」
プルー 「ええ。」
アル  「マイケルたちに戻ってもいいと言ってから、少しづつまた書いている。
     そして、最後のは、本当に、詩的すぎて、びっくりさせられたよ。」

プルー 「あの、今は?今はもう書いてらっしゃらないの?」
アル  「あぁ、これは渡さない方がいいとは思ったけれど、母の勧めだったからね、
     兄が新しい日記帳をプレゼントしようとしたらしいけど、興味を示さなかったようだ。
     辛いのかもしれないし。だから、書いてないよ。」
プルー 「そう・・・・。」

     と、言っているうちに、ハリウェル家に着いた。
     アンディたちはまだのようだ。

つづく


2002年03月01日(金) 善良な魂 23

アル(声) 「プルー!そこにいるの?アルバートだ!プルー!どこなんだ?」
プルー  「アル?!アルなの?ここよ!(叫ぶ)」

     もうすぐ、というところで、アルの声に反応したランディはプルーの車に身を寄せた。
     そのすきにプルーは、アルの車まで走る。十字架は胸にかけて。

       
アル   「(空気を察して、プルーの手を引き寄せ)とにかく早く乗って!」
プルー  「(振り返るとランディは追ってこない。まだ倒れているのか。心の中で)
      ごめんなさい、ランディ。(しかし、視線は感じる)ランディ・・・?
      十字架じゃなく、アルの声で?ランディが生きているからなの?それとも、
      ただまだ、マクダウェル家にいたいから、アルに知られたくないだけなの?」

アル   「(呆然と後ろを気にする彼女に)プルー!大丈夫?」
プルー  「あ、ええ、なんとか。」
アル   「何があったの?」
プルー  「ちょっと、仕事のトラブルで・・・。ありがとう。
      アル、あなたが来てくれて本当助かった。でもどうして?」
アル   「パイパーに聞いた。誰かに追われてるの?なら、早く警察に行った方がいい、送るよ。」
プルー  「パイパーがあなたに?」

       つながっている電話のことを思い出す。

パイパー、フィービー(声) 「プルー?プルー?答えて!」
プルー   「ごめん。パイパー、フィービー。
パイパー  「今、アンディから電話があってランディが姿を消したって!」
プルー   「えぇ、こっちに現れたわ。とりあえず無事よ。ちょっと待って。」
プルー   「(アルに)警察じゃなくて、家に戻って。お願い、急いで欲しいの。」
アル    「家?大丈夫かい?」
プルー   「ええ、とにかく妹達に会わなけりゃ。3人揃わないとダメなの。」
アル    「?」

     アルは、家に向かいスピードをあげる。
       一方ハリウェル家、パイパーとフィービーはプルーの安全がわかり、
       でかけようと手にしていたコートなどを置き、ソファに座り話す


プルー 「(アルに気を使い名は伏せて)現れたけど、でも、『白い石』のチカラと、それから、
     アルがここに来てくれて、助かったの。(アルを感謝の表情で見つめながら)」
アル  「(とんでもない!と言った表情をするが、車を飛ばしている)」
プルー 「でも、パイパーどうして?」
アル  「(横から)僕が聞いたんだよ。プルーにね、親父の日記をどうしてもすぐに
     渡さなきゃならない気がして。胸騒ぎがしたんだ。来てみてよかったよ。」
プルー 「ランディの日記?(小さい声で)どうなってるの?パイパー?」
パイパー「それは、彼に聞いて。それより、ねぇ!準備は全て整った。
     あとは、プルーが無事帰ってきてくれて、真珠と呪文を唱えるだけ。」
フィービー 「(電話をとって)の、はずだったんだけど、あの写真が、別の経典のページを示したの。」

       フィービーは『未来を知る者と見る者』について話し、それはマリアナとフィービー
       自身ではないか?と、考えている事を伝える。


プルー   「O.K.フィービー、わかったわ。もうすぐ家に着くから待っていて。私も考えてみる。」
フィービー 「でも、過去の映像見るなんて初めてだし、それに、何を書いているかまでは見えないんだ。」
プルー   「大丈夫、きっとなんとかなるわ。一度切るわね。バイ」

      電話を切るのを待ちわびていたように、アルがランディの日記を渡す。

プルー  「これが?」
アル   「そう、日記だよ。親父の。」
プルー  「これが、遺書めいた言葉が書いてあったっていう日記。・・・どうして私に?」
アル   「わからない。ただ、渡さなきゃいけないって、強く感じたんだ。」

      ランディの日記を見る。最後のページにたどりつく。

プルー  「これね・・・。
      『君のいないこの世は全ての輝きを失ったようだ。
      この世ではもう生きている気がしない。寂しくてたまらない。』

アル   「(暗唱できるほどになっているそれを、プルーが言うのをなぞるように聞いて)
      そう、それを見たときは、ほんと死ぬつもりかと思った。」
プルー  「そうね。そう取っても不思議じゃないわ。・・・(?!)これ、ここで終っているのよね?
      (ページを進め)何か書いてあったのをインク消しで消したみたいな・・・。」
アル   「そんな事、誰もしないよ。親父もできないね。」
プルー  「そうよね、破った跡もないし。でも、何か大切な事が他にも・・・・。」
アル   「プルー?大丈夫かい?」
プルー  「ええ、何でもないわ。」  

        あと少しで色々なことが一つにつながりそうな予感がするが
        考え込んでもまだ、プルーにはわからない。


つづく


moto |M@IL日常こんな劇場(^▽^)ノネェネェd(@^∇゚)/前向きに

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