見たことのない動きの　見慣れた唇。

聞いたことない言葉を発する　聞き慣れた声。

慣れ親しんだ躰を　思い出すまでもう少し。

目は逸らしたまま　ただ黙っているしかなかった。

隙間があることを知った日。

疲れてた心に　甘い言葉 ありがと

少し　楽になれたよ

忘れずに居てくれて　嬉しくて笑っちゃう


何度も何度も　繰り返して

何度も何度も　思い出して


全部忘れない　きっとずっとね

「ホントはね」ってつぶやく。

今だから言えることって　何？

また　小さな嘘を重ねて。

目をそらして。

遠くを見てる。

目の前の景色が　突然消えた感じ。

壊れた蛇口。手折られた花。


小さなアザと。残り香だけで。

言葉は　どこへ行くの。


自分の狂気に　気付いているだけ。

目を閉じて。　今すぐに。

一人でやっていけると　あの人は言う。

自分の足で歩かなきゃと　今は思えない。


それでも　いつかは。

生きてさえいれば。


あの人を　まっすぐに見ることが

出来る自分になるように。


どんな手段を使っても。

優しいの　ダメでしょ。


満たされない何かを　埋めたくて

日常に　流されていくの。


『辛いの』って言っちゃって

後悔するんだ。


優しいの　ホントは嫌い。


欲しくなるから。

歩く速度を　いつもより

ほんの少し　ゆるめた。

切なすぎて。


誰かを求めるのは　　時として

痛くて　優しくて　逃げ出したくなる。


でも、やめない。　　

あなたに　逢いたくなる。