徒然なる Short story 集

もしも感想があれば、掲示板をご利用くださいo/)
掲示板はちょっと・・・(^^; という方は、
メール(テキスト形式・日記の下部にもボタンがあります)をどうぞ☆


『月のカケラ』五

2005年06月04日(土)

「まあったく……月の神さんも何やってんだかねえ?
案外抜けてるよな?」
「いや〜そんな事言われても、何て答えればいいのか」
ハタハタと手を振るあたしに、レンは「そうか〜」と、ちょっと気落ちした様子。溜め息一つつき、
「なあ……やっぱ疑っているか?」
「それは……」
あたしはどうしたもんかと考えたが、
「そりゃそうよ。そんな夢みたいな話、ある訳ないじゃない」
「去年の夏休み幽霊見ただろ!?」
「あれはあれ、これはこれですー!
幽霊が存在することはわかったけど、妖精とか月の神様とかは話が別よ!」
きっぱりと言うあたしに、
「ケチ!」
とレンは言った。
(ケチとかいう問題じゃないでしょうに……)
思わず呆れるあたしに、レンは石をポケットにしまいながら、
「信じる信じないは別として──これから大変になるぞ」
「……何?」
聞き返すあたしに不敵な笑みを浮かべるレン。
「何で?」
「こいつが、『月のカケラ』だからだ」
答えにならない答えをし、今度はいたずらっ子の笑みを浮かべた。


つづく


 < Past  INDEX  Future >


如月なつき [MAIL] [HOMEPAGE]