V字経営研究所・酒井英之の4行日記
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2020年06月30日(火) コロナ禍に考えたこと91・ぐっさんの行動力

そのぐっさんは、キリンには知らせず、なんと自分で「キリン宣伝担当」の名刺を作り、お馴染みの黄色いジャンパーを着て、近所のスーパーなどに宣伝に回ったといいます。それが本社に伝わり、ある日、本社に呼ばれました。すると、ぐっさんは社長室には行かず、「営業部」に電撃訪問。そして、営業部の皆さんを激励したといいます。この行動に、営業部門はがぜん盛り上がり、「のどごし生売るぞ!」と団結できたのです。


2020年06月29日(月) コロナ禍に考えたこと90・のどごし生のコンセプト

毎日愛飲している『のどごし生』。その開発物語を聞きました。キリンでは、商品コンセプトをターゲットの言葉で書くルールになっています。『のどごし生』が開発された当時のターゲットは「日産エルグランデ」に乗るお父さん。コンセプトは「家族の笑顔に囲まれて幸せ!」。CMのキャラクターに使われたのは、ターゲットをそのまま映した「ぐっさん」。この頃、ビールは「会社の付き合いで飲むもの」から「家庭で家族と、友人と飲むもの」に変わりました。ぐっさんがCMで黄色のジャンパーを着て、サラリーマンを演じながら、会社の束縛と無縁なスッキリ感が出て、とても気持ちよかったですね。その後、このCMの真似をして全国の営業マンが動き、全国のスーパー至る所で同じ陳列が登場しました。


2020年06月28日(日) コロナ禍に考えたこと89・『るるぶ』の語源

10年前、JTBの人とこんな話をしました。「るるぶ」の語源は、「見る・食べる・遊ぶ」の語尾の略。これが昔々の旅行の目的でした。それが、10年前には旅行の目的が変わり、「るるぶ」の意味も「体験する・食べる・学ぶ」に変わったといいます。確かに、秘境体験とか、検定試験合格とか旅行の目的がずいぶん変わりましたね。そして今、旅行すらままならない時代を迎えています。とくに、「体験する」が難しくなりました。新しい「るるぶ」は何になるのでしょう?……?考えてみました。ジャーン!「つながる・伝わる・尊ぶ」なんて、いかがでしょう??OnLineで、多くの人とつながる時代。もっと地球環境や資源や時間やひとり一人の個性や自分らしさを尊ぶ時代にしていきたいですね。


2020年06月27日(土) コロナ禍に考えたこと88・発展の秘訣

大手靴チェーン店の社長からの質問をいただいた。単刀直入に、ズバッと。「靴屋がやらなきゃいけないことを3つ教えてください」。この手の質問をする社長にはいつも脱帽する。
立派な企業の創業者がどうしてそんなに素直に、こんな若造に聞けるのか。(彼から見たら、私などはなたれ小僧みたいなものだ)成長企業のマーチャンダイジングを題材にいろんな話をしたが、発展の秘訣は細かい施策にあらず。社長の誰からでも学ぼうとする、この貪欲さと素直さにある。


2020年06月26日(金) コロナ禍に考えたこと87・大きな人とは

小説『宮本武蔵』の中で、沢庵和尚が、商いで成功した武蔵の友人・又八にこう喝破します。「商売がうまく行ったからといっ人間が大きくなったように思うなよ。小さいものを大切にする心が人間を大きくするのだ」。これを読んだ瞬間、和尚の言葉の重さに圧倒されて思わず仰け反ってしまいました。家族、困っている人、小さな約束、小さな夢…こうしたものを大切にしている人は確かに強い。大きい。30代の頃、利益の拡大こそ使命としてきた若手コンサルタントとしては頭にガツンと一撃喰らった思いでした。以来、規模の大きさを誇示するのをやめました。さて、ドラマ『半沢直樹』はビジネスの大きさばかりを競っていますね…頭取のひと言にも小ささを感じてしまいます。どんな人物が大きな人として描かれるのか興味津々です。


2020年06月25日(木) コロナ禍に考えたこと86・何のためのプロ野球?(後)

以下は、震災直後の嶋選手スピーチの書き起こしです。「開幕5日前、初めて選手みんなで仙台に戻ってきました。変わり果てたこの東北の地を目と心にしっかりと刻み、「遅くなって申し訳ない」と言う気持ちで避難所を訪問したところ、皆さんから「おかえりなさい」、「私たちも負けないから頑張って」と声を掛けていただき、涙を流しました。その時に何のために僕たちは闘うのか、ハッキリしました。この1カ月半でわかったことがあります。それは誰かのために戦える人間は強いということです。東北の皆さん、絶対に乗り越えましょうこの時を。絶対に勝ち抜きましょうこの時を。今この時を乗り越えた先には、もっと強い自分と未来が待っているはずです。絶対に見せましょう、東北の底力を。本日はありがとうございました」今、映像を見返して、私も拍手してしましました。「何のために」。当事者は常にそれを問い続けることが大事ですね。


2020年06月24日(水) コロナ禍で考えたこと85・何のためのプロ野球?(前)

NHKがナゴヤドームでの中日VS広島を中継しました。試合終了後、中日の選手会長の京田選手がホームベースの位置から観客の皆さんへスピーチしました。それは、お客様の前で試合ができる喜びと、最前線でコロナと戦っている医療・介護関係の皆さんへの謝辞でした。それを観ながら、東日本大震災当時、楽天の主将だった嶋選手の、開幕試合でのスピーチを思い出しました。この年の開幕は4月29日。場所は宮城スタジアムです。震災当時、楽天は神戸でオープン戦を戦っていて、交通網の関係で長らく東北に戻ってくることができなかったのです。是非、VTR見てください。「何のための野球」が、色濃く出ています。


2020年06月23日(火) コロナ禍に考えたこと84・初めて4番に座った部下への言葉

今のプロ野球の最年長はタイガースの福留選手。99年に入団した彼がドラゴンズで初めて4番を打った2003年、たまたま私は地元のTVの仕事で当時の山田久志監督にインタビューする機会を得ました。そこでこんなことを尋ねました。「福留選手を初めて4番にするとき、何か動機づけるようなことをおっしゃったのですか?すると監督は「打順を気にせずに」と言ったといいます。そして、その後でこう付け足しました。「孝介は、4番が似合っている」これを聞いて、この言葉は彼には宝だろうと思いました。「○○がよく似合う…」という言葉は誰に言われても不思議と長くその人の心に残るもの。社員は、上司の何気ない一言に育てられるものですね。ピンチの時こそ思い出したい言葉のひとつです。


2020年06月22日(月) コロナ禍に考えたこと83・ワクワクを生み出すちょっとしたこと(2)

CSを高める方法は、おもてなしばかりが正解ではありません。「顧客に何かひとつ仕事を与える」こともそのひとつ。顧客が仕事をすることで、「自分が主人公」の意識が生まれ、それが思い出になるからです。コンサルの現場でも、クライアント自身に調査や分析をしてもらうと参画意識がグン!と高まります。あるセミナーでこの話をしたら、受講生したある葬儀屋の社長は「喪主に祭壇の花を飾らせたい」。工務店の社長は「施主に壁塗りを手伝わせる」。と発表してくれました。ちょっとしたことが、ワクワクをつくりますね。


2020年06月21日(日) コロナ禍に考えたこと82・ワクワクを生み出すちょっとしたこと(1)

夏休みになると思いだす、三重県の「モクモクファーム」の宿泊施設「おかえりビレッジ」。家族で何度も宿泊しました。ここでは、宿泊者に「朝のひと仕事」を義務付けています。同施設に泊まると、朝6時半から「馬小屋の掃除」「牛の乳搾り」「しいたけ狩り」「ブルーベリー狩り」など、なにかひとつを選んでしないといけないのですそこで、家族揃って朝から馬小屋を掃除するわけです。しかも、同社の社員さんとおしゃべりしながら。さらに、その社員さんと一緒に朝食のバイキングをいただきます。話が弾んで、子供たちは大喜び。ブルーベリー狩りをしたときは、その日、自分たちが摘んだブリーベリーをそのまま朝食でいただいて、感激でした。


2020年06月20日(土) コロナ禍に考えたこと81・運の良い人の正体(2)

もし、あの時断っていたら、その後のことは発生していません。だから、頼まれたことは、有無を言わさずYESで返す。チャンスに恵まれたい人は、何よりも自分の引き受け力を磨きましょう。無理なくそう言うには、自分のためでなく他人のために働くことに喜びを感じる「他喜力(たきりょく)」を磨くこと。仕事をいただいたことに感謝すること。それさえできたら、疲れも苦労も吹っ飛んで、人生とても楽しくなります。


2020年06月19日(金) コロナ禍に考えたこと80・運の良い人の正体(1)

世の中には運の良い人がいます。が、その人の運の良さはほとんど必然だと思います。その源は「引き受け力」。人から無理難題を言われたときに、「ハイッ!」と引き受ける力のこと。自分がどれだけ忙しくても、睡眠時間を削ってやり切ります。依頼した人はその努力に感心し「あいつはなかなか使えるな」と認めます。すると、次の重要な仕事の時に「ちょっとあいつに頼んでみようか」と声がかかります。それを成し遂げると、「彼はあの重要な仕事に携わった人」となり、グンッ!と信用が増すのです。この信用が次の仕事を呼びこみます。それを人は「あの仕事に携わった運の良い人」と言うわけです。


2020年06月18日(木) コロナ禍に考えたこと79・挑戦する風土をつくるには(2)

経営者に失敗を許してもらうと、その社員の経営者に対するロイヤルティは高まります。それが、モチベーションを高めます。「倍にして返してみぃ」と言われて本気になる人もいます。モチベーションの高い人財は、ごまかしません。手抜きをしません。セカンドチャンスをものにした物語の多い会社からは失敗を恐れる風土はなくなります。そして、挑戦する組織に変わっていきます。


2020年06月17日(水) コロナ禍に考えたこと78・挑戦する風土をつくるには(1)

「失敗したらどうしよう……」誰だって失敗は怖いです。その恐怖心が、人の成長を止めてしまいます。それを取り除くには、経営者が社員の失敗を責めるのを止めること。
社員が失敗したら、その原因を「人、偶然、物理」の3つに分けましょう。このうち偶然は「仕方ない」ことですから、善後策を考えましょう。「物理」は発生原因をとことん突き詰めましょう。そして二度と発生しないように善後策を打ちましょう問題は、「人」が原因のヒューマンエラーです。このときは、言いたいことをグッとこらえて「次、どうすればいいかを考えて、今後は注意して!」で済ましましょう。「失敗した部下を責めるのは、時間の無駄」そう割り切ってしまうことです。ただし、「もっと悔しがれ。その悔しさ、覚えておいて!お客さん、泣いているで!」と自分を見つめ直すことを要求します。自分に対して情けないと思う感情が、その人の心のバネとなります。


2020年06月16日(火) コロナ禍に考えたこと77・サプライズを生み出す人の条件(2)

では、どうしたらそんな人を選び、採用できるのでしょう?社長に選ぶポイントを聞いてみました。すると、次のような答えでした。「就職希望者に『なぜ式場の仕事がしたいの?』と尋ねると殆どが「お客様から『ありがとう』と言われる仕事だから」と応えます。でも、中には自分がお客様に対して『ありがとうございました』と言いたいから、と応える人がいます。私たちはそういう人を選ぶのです」。誰かを応援したくて、応援したその人に感謝されるのではなくて、応援させていただいたことに感謝する。そういう人が、感動のサプライズを起こすのでしょうね。


2020年06月15日(月) コロナ禍に考えたこと76・サプライズを生み出す人の条件(1)

「挙式を楽しみにしながら逝ってしまった母はひまわりが大好きでした。だからどうしても、雛壇にひまわりを飾りたい」とあるカップルが、式場に希望しました。しかし、式の日取りは秋。ひまわりの季節ではありません。そこで、式場に代理している花屋さんは考えました。「冷蔵庫の中でひまわりを育ててはどうか…」そして挙式の日、見事季節遅れのひまわりが雛壇を飾りました。この事実に、お客様は大感激。涙が止まりませんでした。
「うちがお付き合いしているのは、ブルーをサプライズに転換する。そういうことが大好きな花屋さんなんですよ。花屋さんだけでない、シェフもコーディネータもうちのスタッフはみんなそうです」と、この結婚式場の社長は笑います。同社は激戦区名古屋でCS No.1と言われた式場です。


2020年06月14日(日) コロナ禍に考えたこと75・ネッツトヨタ南国の心配り体験(2)

第二は写真の梅昆布茶。カフェテリアメニューから選んだのですが、一番人気だそう。粉を溶かすものでなく、本当に昆布が3枚入っています。そして、その昆布を食べられるように、爪楊枝が添えられています。お茶だけ飲みに来るお客様も多いといいますが、こんな梅昆布茶なら、是非また飲んでみたいです。
約60分の打ち合わせ後も、見えなくなるまでお見送り。こういうありがたさは、現地現物、体験しないとわかりませんね!たった5分で期待以上のおもてなしをいただける会社は他にないかもです。


2020年06月13日(土) コロナ禍に考えたこと74・ネッツトヨタ南国の心配り体験(1)

昨日アップしたネッツトヨタ南国にお客様を見学に連れて行きたく打ち合わせのために訪問したときのこと。同社は人間力の高さで超有名な会社です。なんと、訪問から5分でそのおもてなし力を体験しました。
第一は、来店時、駐車のためにクルマを店員さんに預けたのですが、助手席にスマホを忘れてしまいました。しまったなぁ…と思っていたら、何も言わないうちに店員さんが「お忘れでしたよ」と、スマホを持ってきてくれました。この対応に感心すると「急な連絡などないとお困りだと思いまして」。本当にお客様のことを考えていますね。


2020年06月12日(金) コロナ禍に考えたこと73・神とはだれのことか?

研修の講師を務めていて、これは許せないなと思い、叱る時があります。それは決って、CS調査で厳しい評価を受けた企業が、その評価結果を軽く受け流すとき。この会社にもっと良くなって欲しい!その思いを込めて苦情を語るお客様が、どうにも可哀相になってしまうのです。自社への苦情や他社への賛辞は、真正面から受け止めましょう。そうでなければ会社は、お客の顕在ニーズは勿論、潜在ニーズや己の力量を見失い、孫子の言う「百戦百敗」に陥るだけ。本宮ひろ志が描いたマンガ『夢幻の如く』で織田信長は次のように語ります。「神とは大衆のことである」。至極名言。お客様の声は天の声"素直な心でお客様の意見を受けとめましょう。


2020年06月11日(木) コロナ禍に考えたこと72・値引きを要求されたら

「『1円でも安くしてくれ』そうお客様に言われるとき、そこには(あなたには期待していないから)という前置きがあるのです。そうならないようにするには『早く安く怒られないためのオペレーション』から『喜ばれるためのオペレーション』に変える必要があるのです。あなたじゃなきゃダメ、という人は値引き要求などしないですから」。そう力強く語ってくれたのはトヨタ系ディーラーで連続CS No.1で有名なネッツトヨタ南国の長山大助さん。
8年前、同店をノーアポで訪問。私が「接客の評判がいいので体感したくて来ました」と伝えたら、なんとも気持ちよく迎えてくれました。値引きを要求されたら、その時点でビジネスマンとして、「負け」。以来、私は単価だけは下げるものかと守りつつ、また、その姿勢を維持できるだけの自負を持ち続けられる努力をするようクライアントにも伝えてきました。
ふらりと寄っただけの私にとても貴重な考え方を教えていただきありがとうございます。


2020年06月10日(水) コロナ禍に考えたこと71・不況期こそ人を育て、人を遺せ

「人材育成に金をかけるか否か」不景気の今こそ、社長の器量が問われる時!広告・教育・コンサルティングの3Kは経費カットの最優先項目……と言われています。が、リーマン・ショックの時には以下のような社長がいました。当時の日記です。「俺が社長でいる間にさ、金をどんどん使っちまおうっと思って」ある会社の社長から幹部研修のオファーを頂きました。そのプレゼンの後に頂いた最初の言葉が、これ。
「ケチっても仕方がない。企業は結局は人なんだから。赤字になってまで人財育成に投資することはできないが、そうでない限り人を育てないと企業は育たない」。同社は大手商社の子会社です。社長はその大手からの転籍者。他にも子会社があり、昨年までは別の子会社(メーカー)を率いていました。そこでは特に人財育成に力を入れ、同社を好業績に導いた実績があります。今、この新たな赴任先(メーカー)で、プロパー社員たちに成功体験を付与したいと考えているのです。
「自分たちは、できる」『組織として目標達成した経験』は、様々な荒波を乗り越える強さ源となります。危機の時こそ、この自信をつくるチャンスです。このコロナ禍の中でも、こんな大胆な社長がいると日本にとっても社員にとっても有難いですね。


2020年06月09日(火) コロナ禍に考えたこと70・手段と目的を混同するな

「〇〇化」という言葉が会社に溢れています。「強化」「特化」「平準化」「高度化」「見える化」など。が、それぞれは、目的でも目標でもありません。ある目標を実現するための手段です。例えば、「多角化」が目的ではなく、不景気に強い会社を創るのが目的で多角化はそのための手段なのです。あるいは、「お客様の満足を高める」が目的でそのために「営業力を強化」するのであり、「特定市場に特化」し、「負荷を平準化」し、進捗を「見える化」するのです。よって目的や目標に「〇〇化」という言葉が出てくるのはおかしいのです。「〇〇化」という言葉が目的や目標の欄に多数散見される経営方針書は、目的と手段を混同している可能性が高い。これをやっちゃうと、仕事はどんどん辛くなります。「強化」ばかりするうちに、何のための強化なのか皆が忘れてしまうからです。あなたの会社の方針書の目的や目標の欄に「〇〇化」という言葉の登場回数は何度出てきますか?是非チェックしてみてくださいね!


2020年06月08日(月) コロナ禍に考えたこと69・目指す山頂は変わらない

シェイクスピア曰く「成し遂げんとした志を、ただ一回の敗北によって捨ててはならぬ」。コロナ禍の中、苦しんでいる会社は少なくありません。計画していたことは変更を余儀なくされます。80代の米国人たちは、自分が若かりし頃に出会った日本人をこのように振り返ります。「日本人は、どれだけ言ってもくじけず改善案を持ってくる。その姿勢に驚愕した」。登る道筋は遠回りになるかもしれません。持っていきたかった荷物を捨てたり、一緒に登る仲間は変わるかもしれません。が、目指す山頂は変わりません。敗北を敗北と思わないところが、復興経験を持つのが日本人なんですね。私達にもそのDNAが流れています。それを信じて今日も一日、集中していきましょう。


2020年06月07日(日) コロナ禍に考えたこと68・底力が出る瞬間

先日ご紹介した、高知で障がい者を120人雇い、レストランやカフェ、ケーキ屋等を経営しているワークスみらい高知の竹村代表の話の続きです。「障がい者をウリにしたくない。だから、グルメ雑誌以外の取材をお断りしてきました」。と、竹村代表は笑います。障がい者を売りにすると「不味そう」と思われ、最初は慈悲で来てくれた客も次には来なくなります。結果的に障がい者が育たなくなってしまう。逆に「障がい者が働いています」「障がい者が作りました」とは言わず、後から「あ、障がい者さんが働いていたんだ」とわかれば、お客様から「頑張ってたねありがとう」「美味しかったよ。ありがとう」と言ってもらえます。その声が、障がい者が育てるのです。雑誌に取り上げられれば、目先の売りは増えます。しかし、竹村さんの焦点はそこではなく、障がい者の成長にあります。そのぶれない姿勢に感動しました。ちなみに竹村さん、開業当初にこんな経験をしたそうです。「経営が逼迫して、自分が底の底まで落ちていきました。が、あるとき足が底に着いた……と感じた瞬間があったのです。すると、その底を蹴る力が出ました。その力を「底力」と言うんですね」。


2020年06月06日(土) コロナ禍に考えたこと67・垣根のない社会を作る

社員数200人のうち、120人までが障害者。そんな食品工場&レストランを経営するNPO法人ワークスみらい高知の代表竹村利通さんにお会いしたときのこと。竹村さんの想いは、障碍者を自立させ障害者と健常者の間に垣根のない社会を作ること。その彼は障害者雇用のポイントを「HOWを考えること」だといいます。例えば、洋菓子をつくるとき、80gのカスタードを量って盛るのが苦手な身障者も、足で踏めば80gのカスタードが自動的に出てくる機械を使い、それを足で踏むことができれば、仕事はできます。そのような機械を作るようメーカーに相談し、投資をすれば、雇用が生まれます。健常者と同じように働くのではなく、健常者と同じアウトプットを出せるようにするには、どのような環境が整えばいいか。そのHOWを考えることで大勢の障碍者の雇用を創出しているのです。同社の洋菓子店・ストロベリーファームに行ったら、店が見学コースになっていて、店員さんが働く様子をガラス越しに見ることができました。働く姿を見られることも、モチベ―ションを高め、
可能性を引き出す秘訣ですね。


2020年06月05日(金) コロナ禍に考えたこと66・人生を楽にする言葉(2)

さらに、先生の話は続きます。「人間は成長します。自分が変われば周りが変わります。変わることを信じなさい。『ムリ、ムリ…もうだめです…』泣き言を言えば変わります。変わることを良しとしなさい」。
これを聞いて私もビックリしました。泣き言は言ってはいけない…そう信じ込んでいる経営者も多いのではないでしょうか。しかし私の人生に照らしても、「自分は何て馬鹿なのだろう…と泣き言を言えば変わる」は真実です。こんなアドバイスをするコンサルタントにとても大きな包容力を感じました。


2020年06月04日(木) コロナ禍に考えたこと65・人生を楽にする言葉(1)

ある女性社長に、彼女の恩師だというコンサルタントの話を聞きました。その先生の「問題が次々発生するんです…」と相談すると、先生は次のように言ったといいます。「会社は建設現場のように、いつも金槌の音がするものです。どこかで何かが見つかって修正、修整しているもの。問題だらけでいいの。問題に気づいていなさい!」問題があってはならないもの、と考えて仕事をしていた社長は、この言葉ですごく楽になったといいます。


2020年06月03日(水) コロナ禍に考えたこと64・金のために個性を捨てた街

街の駅近くの伝統的な建物が壊されて、高層マンションができました。その町らしさが、またひとつ消えました。その光景を見ながら、利だけを求める利益至上主義者に、「らしさ」のある存在は常に壊される運命にあると感じました。顧客第一の経営をしていた企業が、突如儲け主義に走ったとき、その企業「らしさ」は壊れてしまいます。誰かのために一生懸命だった人が、「金・金・金」と言い出したとき、その人らしさが消えてしまいます。人・企業・地域固有の魅力は、金の亡者の前に消し飛びます。そして何の特徴もないノッペラボウな人・企業・町が残ります。私個人にもそんな経験があります。自分を見失ってしまうのです。このような破壊を必然と言う人もいますが、同じ生きるなら、「らしさ」のある独自性でお役に立ちたいですよね。不自由な日常を余儀なくされる時こそ、「事実前提」より「価値前提」の人でありたい。手づくりマスクを提供される方と、大量に仕入れたマスクを叩き売る人を見比べながら、そんなふうに考えています。


2020年06月02日(火) コロナ禍に考えたこと63・近江鉄道・車掌さんの存在価値

そろそろ旅に出たいですよね。良い車掌さんに出会うと電車旅がぐんと楽しくなるます。ワンマン列車でもおかしくないほどローカルな近江鉄道(2両編成)に乗って米原から五個荘に向かったときのこと。そこにはトレインアテンダントと称した20代?と思しき女性の車掌さんがいました。彼女の仕事はとても丁寧で、親切。私が「五個荘の駅前にタクシーは泊まっているの?」尋ねたときも、なんと膝つきで応じてくれました。他にも彼女は足が不自由なおばあさん降りるまで待ってあげたり無人駅からギリギリで飛び乗ってくる親子連れへの労いの言葉をかけたり。車掌さんは、その土地の空気を作ります。見ていて心が温まりました。


2020年06月01日(月) コロナ禍に考えたこと62・「頑張る」と「気張る」はどう違う?

志賀内泰弘先生のベストセラー「京都祇園もも吉庵のあまから帖」(PHP)の中で、主人公のもも吉(甘味処の女将)が、こんなセリフを口にします。「『頑張る』と『気張る』は似てるけど違うんや。わかりはるか?」「『頑張る』いうんはなぁ、『我を張る』こと。つまり自分一人の頑張り、独りよがりのことやなぁ。それに対して、『気張る』いうんは『周りを気遣って張り切る』ことや。仕事は一人ではできへん。周りの人たちを巻き込んで、助けたり助けおうたりして、いろいろな考えを一つにまとめて自分の力を発揮することや」。志賀内先生によると、昨今、皆が暑い日でもマスクをしているのは、自分を守る「頑張る」行為ではないといいます。それよりも、自分が持っているかもしれないウイルスを人に移さないためにする「気張る」行為なのです。


酒井英之 |MAILHomePage

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