妄想誘発剤

2007年08月31日(金) 夜の底から響く鈴







凛とした静かで清らかな夜には

瞳を閉じることさえ儀式のように



2007年08月30日(木) 何も言わないでくれてありがとう





あえて言葉を選んだりせず
何もふれず
ただそばにいてくれて
ありがとう

たったひとつの本当のことを
私はちゃんと見つけて戻ってくるから



2007年08月29日(水) 明日の風にきいてみて




何もわからない
先のことなんてひとつも

今の気持ちを今のままで保存することはできないから

永遠という言葉だけが
今の時間を上滑りしていく
それだけ



2007年08月27日(月) 何がそんなに優しくさせるの





きみのその途方もない天然な優しさに

ぼくはいつも救われていたんだ



2007年08月26日(日) 今はあなただけを守りたいと思う




他のことは少しくらい我慢しよう
今はあなただけを守ろう
今一緒にいられるこの時間を守ろう



2007年08月25日(土) 沈んだまま空へ投げて




この気持ち
沈んだまま空へ投げて
せめてスカイブルー



2007年08月24日(金) なんて潔い雨






さよならを
跡形もなく消し去るような
潔い雨

強い雨音に
かきたてられた
別れ



2007年08月23日(木) このぶんならしばらく来ない





このぶんならしばらく来ない

それがわかるからあんなことを言った

しばらく不安にならない

何か強いものを得たような気がして

それが錯覚かもしれないけれど

今はそれでいいの



2007年08月22日(水) 遠くのブレーキに不安が募れば




遠くのブレーキに不安が募れば

なんでもない一言に安心する


何もかもきっかけ

何もかもあなたへの



2007年08月21日(火) 何度目かのさよなら





もう
この流れの中で
いくつめのさよなら

あなたを想う中で生まれる
いくつめのさよなら

立ち止まるたびに
もう振り返らないかもしれないと考える


今はまだ
ずっと先の話



2007年08月20日(月) まためぐり来る夏の日





いくらでも夏はやってくるのね
生きている限り

秋と冬と春さえ越えれば
いつだって夏にめぐり会える

暑くて
楽しくて
たくさん笑った
あの夏

ちゃんとめぐり来る夏の日

ここにあなたがいなくても



2007年08月19日(日) 言われるまですっかり忘れていた





すっかり忘れていた
あなたに言われるまですっかり

すっかり忘れている自分に驚いた
まったく何事もなかったかのように過ごしていたなんて

なんて冷ややかな記憶



2007年08月17日(金) きみとの時間はいつもこんなふう





きみとの時間はいつもこんなふう

すごく少ないと思うんだ
さよならと手をふってから



2007年08月15日(水) どうしてそこで微笑むの







どうしてそこで微笑むの

理解に苦しむキミの思考回路

何をどうしたって

キミとボクは別人




2007年08月14日(火) あの日から一度も鳴らない




あの日
どんないきさつであんなことになってしまったのかしら

思えば
それまではとてもしあわせだったのに

あの日を境に途切れたメロディー



2007年08月13日(月) 何を許してもひとり






過去のいしころを
たまに思い出してひろいあげる
手のひらにのせてころがして
どうしても許せないことよりも
それなりに楽しかったことの方が多いかもしれない

時間がたちすぎたから
そんなことにも気付く

たとえここで許しても
今はひとり




2007年08月12日(日) とりあえず何でも楽しい日曜日





この日曜日は
先週とも来週とも違う
特別な日曜日


日曜日はいつも楽しい
ふたりの約束
うきうきの予定
にこにこの視線



2007年08月11日(土) 何かしらいつもとは違うものよ




毎日同じように過ぎていくけれど

何かしらいつもとは違うものよ

日常に埋没する

ひそやかなサイン



2007年08月10日(金) 手のひらがいつも優しい






わけのわからない
べったりとまとわりつくような優しさがきらい
その場しのぎのような
誰かの何かを真似たようなそんな優しさが
どうしてもいやでいやで
なんとかしてそれを避けてきた


そうしてたどりついたあなたのてのひらは
いつもふんわりとそこはかとなく
くすぐるように優しい




2007年08月09日(木) 怒ってごめんね。




怒ってごめんね
でもあれは怒ったのかな
自分でもよくわからない
つんとして
落ち込むきみの弱みにつけこんだ

怒ってごめんね
もうしない

だからもうしないでね



2007年08月08日(水) 大きな変化があればきっとわかってしまう




どんなにひそやかにやり過ごそうとしても
それは私にとって一大事
あなたにはきっとわかってしまう

何もかもきっとわかってしまう


どこからともなくにじみ出てしまう


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茜 幸美 [HOMEPAGE]

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