妄想誘発剤

2001年09月30日(日) 不意に微笑まないで あなたの言葉にさえまだ慣れないのに

何かにどきどきと心臓が激しくなる
何に?
たったこれっぽっちの時間の中で
ほんの少しの二人なのに
その全部に
その全部に
心臓がどきどきと激しくなる



2001年09月29日(土) 過ぎ行く日常はその時へ向かう階段

毎日毎日
重ねているの
私こんなふうにして
言葉を使って
はりめぐらせている
私が使うのは言葉
あなたは?
あなたは私に何をはりめぐらせているの

わたしはね
まるで違う人間なのに
やっぱり言葉が通じてしまうことが
愛おしい
それからね
言葉があるくせに
笑顔や仕草だけで
同じ気持ちになる瞬間があって
それはもう 誰にでも訪れるでしょう
そこがすごいなと思うの



2001年09月28日(金) 泣かないでと言われて 泣いてないよと応えながら泣いてしまった

どうしてこんなに毎晩毎晩泣いているんだろう
どうしてどうして
その理由を知っているのは私だけなのに
どうしてどうして
なんて考えてしまう
からだの1部分を
切り取られたままでいるみたいに
いつもどこかが足りない感じ
その切り口が痛むのです



2001年09月27日(木) たたずみじっと待つことを恐れてはいけない

反応や
周囲からの言葉
気持ちの表現
そんなものが皆無でも
立ち止まることに意義がある
自分から騒ぎ立てないことに
意味があることがある
何もしないでいることが
こんなにも不安だけれど
それでもこの時間をやりすごせれば
またひとつ階段を登れる



2001年09月26日(水) 黒に浮かぶ白がきれいよ

なんだかまるで
真っ暗闇だけれど
それはここがいなかだから
街灯の明かりが空まで届かない
だからあんなに月が映えて
私の目にやきついてはなれない
どうして視線をそらせないのか
不思議なくらいに
惹きつけられた
三日月でも満月でもないのよ
あんなに中途半端なカタチで
でもそこが美しい


たくさん笑えた ありがとう

はしゃぐのってスキなの
嬉しい時には
両手を大きくふって歩く
そわそわして
ふふふんと鼻歌が流れてくる
笑って発散できるのっていい
笑っていたら知らないうちに
ちゃんとした自分が戻ってくればいい
今日はありがとう



2001年09月25日(火) 軽はずみなキス しっかりとした笑顔も作れます

偽ること
にっこり笑う
何かを隠す
見せたくないから?
見られたくないから?
何を隠しているのかも
よくわからないね。



2001年09月23日(日) 少ない時間 あたしがあたしでいられるために

何かをやりたいと思う時には
いつも残り時間の少なさを思う
お部屋の片づけを始めるのが
夕方なんだもの
朝からやろうとは思っているのに
それとおんなじことを
あのことでも このことでも
繰り返しているなぁ
これって、後悔というのかい
午前中のあののんびりした時間を
もったいないと思ってるわけでもないんだよ
あれがあれで大切ならば
手がける前のあのゆったりした時間を
有効と言えるからいいのか



2001年09月22日(土) 変わってゆくものを止められない 変わらないものを越えられない

変わらないでいてほしいものは
いつも変わっていく気がしている
自分のことを振り返れば
変わりたいと思って
変わりたいと願って
でもいつまでたっても
変わりばえのしない自分

そのための努力ってしていると断言できる?



2001年09月21日(金) 背中がとっても暖かかった 秋のぬくもり

これ、普通じゃないかな?
これ、普通じゃないよね
コドモのすることだよね
コドモだからいいか
コドモでもいい?

後ろから抱き付いて
「たばこくさーい」と
わざとイヤそうなことを言う
本当はとても暖かかった



2001年09月20日(木) 恋人はモロハのヤイバとあなたは言った 私もそれほどの影響力?

良くもあれば
悪くもある
うまく使いこなせるなんて思ってないけど
何もかも隠し立てしても
いいことないね

さて
あなたの恋人は?



2001年09月19日(水) ささやきだした愛の言葉 まだつまずくことを知らない強さと弱さ

わざとに立ち止まって
いつも見ない風景をあえて見るんだ
あなたの背中
歩く姿
隣にばかりいては
気づかないことだってあるよ
これから充たされると判っている容器をかかえて
私はまだ何も知らない
これから起こること何も知らない
この目の前の背中だけを見ている
恐れを知らない
それが強さであり弱さである
もう5メートルほど離れたか
あなたはそろそろ振り向く

ほら



2001年09月18日(火) そういう運命にあったのだなあ いろいろなことがからまりながら

小さなことも
全部全部
このひとつの糸にからまっていたんだと
そう思うよ
全部ね
どんなささやかなことも
全部関係があったんだ
こんな二人になることに



2001年09月17日(月) 口ではなんと言ったって 態度や仕草や表情が肯定してる

だから何度も尋ねた
あなたは口では否定した
それなのに
安心できなかった
今になって
「やっぱり」と思う
「やっぱり」と思おう
あの時、これっぽっちも信じてなんていなかったと
そう言おう
声を高らかに



2001年09月16日(日) 充たされない 欠けた切口が愛しいあなた

ずっとずっと
その部分だけ充たされないのが
愛しているということなのかな
あなたを失えば
違うところが充たされない



2001年09月15日(土) うそ 嘘 ウソ うそ 嘘 ウソ どれが本物のうそ?

うその中に本物があるなんて
おかしなハナシ



2001年09月14日(金) 視線が合う レンズはさんで 言葉なく

すれ違った瞬間に
あなた言葉を投げかけたでしょう
その瞳で
私にはわかったの



2001年09月13日(木) もう一生懸命な気持ちはなくしてしまった?

誰に言ってるの?
ずるいよね、こんなところで言葉にして
私が私をいじめる



2001年09月12日(水) 同じことを伝えるのに違う言葉を選ぶあなたの感性にはっとする

言葉に敏感なのかな
あなたと違う人間であることに
はっとする
こんなにも近くにいて
それでも
まったくのべつもの



2001年09月11日(火) ケンカしても手をつないで歩くおかしなふたり

ケンカしても
遅刻しても
不機嫌になっても
わかってもらえないことがあっても
わからないことがあっても
やっぱりスキ



2001年09月10日(月) せつなさの中にいる自分がいとおしい

こんなにすきで
すきな気持ちの中にいて
こんなに埋もれて
うずもれて
あなたが離れて感じるせつなさを
あなたがいなければ感じることもないのだと
それをおもえば
せつない自分が
いとおしい



2001年09月09日(日) 右へ行けば左を見 左へ曲がれば右を想う

手に入れられなかったものほど
大切に想う
過ぎ去った時間ほど
きらきら想う
ないものねだりとは言うけれど
私が選択したものたちは
本当に私に選ばれて喜んでいるのか



2001年09月08日(土) 私に降り注ぐキセキを 魔法でコトバにかえて あなたにあげる

携帯電話に届け
ねぇ ねぇ
私にだって意味のない言葉かもしれないのよ
本当に魔法をつかえるのは
この言葉を読んだあなた
胸に染み込ませたら
妄想トビラへ第一歩
踏み出せ
そして誘発された想いのカケラを
私にまた届けて



見逃すのにもほどがある

やりすぎかもしれない
私からのサインを
見逃すのにもほどがある
もうギリギリの場所にいるんだよ
知っている?
たぶん
これで最後だよ?



2001年09月07日(金) 震える胸 おさえて走るペンの先 想いの深さがおいつかなくて

おもしろいように
いろんな言葉が溢れてくるんだ
胸の先
今日も昨日も
1時間前とも違う気持ちが
きちんと言葉になって
時には言葉にならなくて
それでも溢れてきたからには
形にしてやらなくちゃ浮かばれない
だからこんなに焦って綴るんだ
もうどうしようもなくなって
綴るしかなくなるんだ



2001年09月01日(土) 待つのは楽ちんだけど待ってるだけは耐えられない

もう時間過ぎる
ただ立ってるだけ
ただ待ってるだけ
この30分間
あなたは
ひたすら急いでいるでしょう
ひたすら走っているでしょう
待ってるだけのあたしは楽ちん

だけど
だけど
ずっとずっと
いつもいつも
待ってるだけは耐えられない

待ち合わせに遅刻した代償は???


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茜 幸美 [HOMEPAGE]

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