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2007年05月31日(木) 軌跡 〜その2〜


少々 男性不信気味な 私だったけれど

ヒロと 2人きりで 飲みにいくことになった。


九ちゃんから聞いていた ヒロの人物像とは

全く 違う感じだった。



とにかく、よくしゃべる。


楽しいなぁ♪




居酒屋を出て、車内で2人きり。


こんな時に限って、九ちゃんの言葉を思い出す。


「あいつ お前の事 気に入ってたぞ」


なんで こんな時に、

自分で 緊張を煽るような事を思い出すんだ!

yuuは アホか (;¬∀¬)
 

ヒロは 何度も 顔を近づけてきた。

だけど、ギリギリのところで やめる。


私は そんな様子を、どこか他人事のように

動かずに 見ていた。


触れてしまってもいい


そう思っていたのかもしれない。



結局、その日は 何事もなく 解散。





9月の ある日、私に 異変が起こった。


右腕を 圧迫したまま 寝てしまったせいで、

痺れたまま、動かなくなってしまったのだ。



撓骨神経麻痺。(←字は間違ってるかも)


手首が上がらず、握力も 全く無い。

暫く 病院に通わなければならない。


ヒロに そのことを報告すると


「大丈夫? 治るの?? 

 運転 危ないから、俺が仕事終わるまで 待ってて。」


それから 毎日、ヒロが 病院に 連れていってくれた。


毎日の注射も、電気治療も、薬を飲むのも、

ヒロがいてくれたから、頑張れた。


少しでも 手が動くようになると

自分の事のように 喜んでくれた。


「早く 治るかも!」と 言って

ヒロが してくれた マッサージは、

右腕だけでなく、心にも 効いた。








2007年05月30日(水) 軌跡 〜その1〜


2005年、夏。

コンビニ店員である私には、気になる人がいた。


年齢も 本名も知らないその人は
「九ちゃん」と呼ばれていた。

いつのまにか 惹かれるようになっていた お客さん。

いつのまにか 二言三言 交わすようになり、
メアドも交換して、日に日に 仲良くなっていった。


そして 告白され、付き合うようになった。


私には 到底 似合わないような人。

両手首に、 タトゥーが入っている。

ひとつ年上の、怖そうな 塗装職人だった。


付き合い始めても、友達だか何だか分からない、

そんな日が続いていた。

だけど 優しい言葉・甘い言葉は 何度もくれた。

ぶっきらぼうな態度の裏に、温かさがあった。


大好きだったけど、1年も経たないうちに

終わってしまった―――。




九ちゃんと入れ違いで、ヒロと仲良くなった。

九ちゃんの 仕事仲間。


3つ年下で、店でも何度か話したことがある。


私を気に入っているようだ と、
前に 九ちゃんが言っていた。


付き合っていた時、九ちゃんが
つねに警戒していた人だ。





ヒロは、とにかく私に纏わりついた。

好かれている・・・と 言うよりは、なつかれている感じ。


当時、私にとっては 恋愛対象外だった。


かと言って 友達という感じでもなく・・・・

「姉さん」と呼ばれていたこともあり、

“弟分”でしかなかった。


“弟分”でしか ない はずだった――――。








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