加藤のメモ的日記
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2020年05月05日(火) 病院の薬は危ない

医者は切らずに処方する

「番組放送後、『薬をたくさん飲んでいるから相談したい』と、外来の患者が増えています」こう語るのは、て日放送の10月22日放送のNHK『クローズアップ現代』に登場した神戸市・吉田病院脳神経内科部長、平田温氏だ。この日のテーマ、「たくさんの薬は害になる?〜”多剤服用”の深刻なリスク〜」が放送後、大きな波紋を呼んでいる。

番組の元になったのは、東京大学大学院医学系研究科の秋下教授(老年医学専門)を中心に発表された『高齢者が気を付けたい 多すぎる薬と副作用』という研究だ。秋下教授はこの研究を元に、「基本的に薬が多くなればなるほど薬の副作用は出やすくなる」と警笛を鳴らした。薬をたくさん飲んだり、飲み合わせが悪かった時に起こりうる副作用には、吐き気やだるさといった軽いものもあれば、頭蓋骨内の圧力が高まって脳ヘルニアになっり、最悪の場合、死亡するようなものもある。

森下教授たちの研究で明らかになった事実は、「6種類以上の薬を飲むと副作用が出やすい」ということだ。75歳以上では4人に1人が7種以上の薬を飲んでいるというデータもあり、不安に思う人も多かったはずだ。番組で登場した、薬の副作用のせいで寝たきりになってしまった80歳女性の姿も視聴者を仰天させた。女性は3年前、うつや狭心症、不眠などで複数の医療機関にかかり、12種類の薬を処方された。次第にふらつきや転倒が出始め、動くことが少なくなり、介護が必要な寝たきりにまでなってしまったという。しかし、原因だった薬をやめて5種類にまで減らしたところ、なんと一人で出歩くことまでできるようになった。

病院で処方される薬は、時に恐ろしい事態を引き起こす。番組が取り上げた5つのテーマを深堀してお伝えしよう。今回一番衝撃を与えたのは、病院で処方された薬とサプリメントの飲み合わせの問題だ。「飲み合わせと」というと、多くの人は薬と薬の問題だと思うだろう。薬は毒にもなるが、健康食品やサプリはスーパーでも買える安全なものだというイメージを抱いているかもしれない。50代を超えるとおよそ半数の人がサプリを買っているというデータもある。だが、「サプリだから大丈夫」という考えは今すぐ捨てるべきだ。

サプリと薬を一緒に飲むと、体の中で思わぬ作用が起こる。組み合わせ次第では、死に繋がるケースすらある。にもかかわらず。あなたがどんなサプリを飲んでいるか、薬を処方する医師は知らない。ブラックボックスなのだ。


『週刊現代』11.16


加藤  |MAIL