加藤のメモ的日記
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2018年12月20日(木) リビアの大虐殺

テレビでは決して報道されない”現実”
恐怖と混乱に包まれた、リビアの大虐殺

人間の本性は善である。現在のリビアの惨状を知ってなお、そのように言える人はいるだろうか。カダフィ政権下の空爆、虐殺、狂気…我々の想像もつかない”悪”がここにある。

チュニジアから始まった革命の連鎖。3月7日現在、混乱の最中にあるのが、カダフィ大佐独裁政権下にあるリビアである。しかし、マスメディアがほぼ機能していないりびあにおいて、現地の”生の映像”をニュースで見ることは一切ない。その生々しい殺戮の瞬間を見る手段は、市民たちによって撮影されたユーチューブなどの動画サイトにアップされた投稿映像のみ。

そこでは狙撃される市民、処刑された遺体など、信じられない悪夢のような現実をまざまざと見せつけられる。国家が国民を容赦なく殺し、国民は兵士を殺して高揚する狂気。そして、それは紛れもなく我々と同じ世界の出来事なのである。人は誰しも欲望、妬み、怒りなど負の感情を持っている。それらの感情は、何らかの契機と感情次第で簡単に殺人など、普段においては考えられないような残虐な行為へ、我々を駆り立てる要因となる。

そう、ここは対岸の火事ではない。平和ボケしている日本が、憎悪で渦巻く戦渦に巻き込まれない保証などどこにもないのである。中国、北朝鮮というルサンチマンの塊のような国々が、日本に牙をむくことはない、と誰が断言できるだろうか。また、国内に溜まった不安が不満が何らかの機会で一気に爆発したとしたら…。

浮かれ切った毎日を過ごしている我々日本人が、そのような危機的状況を乗り切ることなどできるはずもない。このリビアの惨状は明日の日本の姿なのかもしれないのである。


『週刊朝日』6.8


加藤  |MAIL