アイデンティティー

2007年05月29日(火) ABC

「待ってたよ。

 舞が来るんじゃないかって、

 閉店まで待ってたよ。」


何で電話くれないの!?


「アイツと一緒だと思ってさ。」


いないょ。


「アイツは本気だからな。

 絶対口には出さんやろうけど、舞が好きなんや。

 中学生の恋や(笑)」





知ってるよ…


そんな事、私が一番知ってる。


でも、興味ないんだよ。



誰と付き合っても、

貴方が一番好きだと言い続けてきた。


いつまでも、

貴方にしがみついたりなんかしないから、

今だけは、

貴方だけを好きでいさせて欲しい。


あんまり見くびらないで?


相変わらず、

貴方の手の中で、

甘やかされて、

転がされているけれど、

私は貴方が思っているより、

強かな女だ。



2007年05月28日(月) don't you know?

「俺さ、言ったんだよ。


 会社に拘りはありません。

 俺の師匠は彼だけです。

 彼が掛川からいなくなるなら、
 
 戻る必要は何一つない。


 だから、

 彼が掛川に居るうちに帰らせてくださいって。」



こんな科白を、彼の部下は堂々と課長に胸を張って言う。


これだけ信頼されてる彼は、

仕事が出来るだけじゃない。


「俺、初めて男に負けたと思ったよ。

 彼以外に負けなんて感じたことなかった。」



こんなに尊敬されてる彼は、

優しいだけじゃない。







…壊したくなる。


彼への周りからの信頼や、尊敬や、羨望の眼差しを

一気に覆したくなる。




もぅ、やめてよ。


あんまり寂しい思いさせないでよ。






…日曜日って嫌いだ。



2007年05月19日(土) どうして?






好きよ。




誰よりも、


何よりも、


貴方が大好きよ。





たぶん



でもない。



だった


でもない。



たった今、


この瞬間


貴方が好きよ。







会いたいょ。




声が、


聞きたいよ。









2007年05月17日(木) tel2

5月xx日 20:11 仕事がめっちゃ忙しくなる時間


…安い関係になってしまったなんて後悔を

吹き飛ばした電話だった。



「もしもーし」



仕事中か?



「ぅん、そだよー?どしたの??」




今な、エレベーター乗ったら舞の匂いがしたんや




「え?いつも香水つけてないよー」
(どきどき)



仕事の時とかやぞ?



「うん。つけてないって(笑)」



シャンプーの匂いやな。前に乗った人が同じのだったんかな?



「エロイ!」




二人で爆笑した理由はきっと同じだったと思う。


5年の内に、

仕事したりたくさん話したり一緒にご飯食べたり

笑顔を見るたびに

いつの間にか彼は私の一部分を持っていてしまって、

いつの間にか私も彼の一部分を持っていてしまって、

ずっと内緒にしていたんだけれど、

やっとそれを共有する事が出来たからだと思う。



大変な仕事を器用にこなす彼は

私にだけ不器用だ。



2007年05月16日(水) tel

3月xx日 18:52 仕事中


…もう、本当に恋をしてしまったんだと

改めて気付かされた電話だった。






もしもし?



「はいはーい♪」



舞か?



「そだょー?」




切るぞ。




「え?え?なになに?」




声が聞きたかっただけや





2007年05月12日(土) キーマン

人の集団の中には必ず核になる人が居て。


立場でもなく、権力でもなく、

たったの一言で、

ほんの一瞬の表情で、

集団の雰囲気を変える人間が必ずいる。



逆に、そのキーマンを抑えてしまえば

その集団を抑えられる。



400人を1人で管理は出来ないけれど、

50人の中のキーマンを見つけ、

手の上で転がせば、

8人の管理で済む。



自分の魅せ方を知らないまっつんにはそれが出来ない。

400人も、その中の8人も見つけられない。

でも立場って強いんだね。

責任者という名前はやっぱり管理者。


一緒に仕事していれば、
調子に乗りっぱなしなトコとか

楽天的なトコなんてすぐ分かるのだけれど。



トミーがふらっと詰所に立ち寄って。


一瞬で空気が変わる。


彼が来たのは年明け一回入った以来だと思うのだけど。

ほんの10分で問題点と解決策を明確にして、
まっつんにやる気を与えて帰って行った。

彼がまっつんと同じ立場の時は確実に400人を抑えてたなぁ。

誰に何を聞かれても的確に答えていたっけ。

色んな側面を持ってないと、人は寄って来ない。

トミーは一瞬で見極めて最適な自分を出してくる。

だから、どんな人でも対応出来る。

信頼されてて、でも遊び心があるからみんな慕ってた。



男は仕事をしてる姿が一番かっこいい。

いつもはちゃらちゃらなまっつんが真剣な顔で
トミーの話に、喰らいつくように聞いてる。


仕事してるフリをしながら
彼の横顔をずっと見ていた。


きっちりした髪も、眉間に皺を寄せて話す姿も、
全部かっこよくて。


一人でこっそり
ぼさぼさ頭の、疲れて瞳を閉じて、私にしなだれかかる
トミーを思い出す。

そのギャップについつい笑ってしまう。



秘密ってこんな時

スゴク楽しいもの♪



2007年05月10日(木)



20:11


聞きなれた着信音。


忙しい時間って分かってるのに何でー?と思いながら出る。


「もしもーし」


「仕事中か?」


「ぅん、そだよー?どしたの??」


「今な、エレベーター乗ったら舞の匂いがしたんや」


「え?いつも香水つけてないよー」
(どきどき)


「仕事の時とかやぞ?」


「うん。つけてないって(笑)」


「シャンプーの匂いやな。前に乗った人が同じのだったんかな?」


「てか、エロイ!」


2人で爆笑♪




ねぇ、ねぇってば。


嬉しいょ。


どきどきするょ。


ホントに、ホントに大好き。



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桜木 舞 [MAIL]