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| 2018年06月29日(金) | なぜオールドレンズを使うのか |
今の最新のレンズはどれもデジタルカメラで使うことを前提として設計されている。
そういうレンズは、絞り開放から四隅までシャープで、木々の葉っぱの1枚1枚まで解像する。
色乗りもコントラストもはっきりしていて、立体感があり、ボケも美しい。
逆光でも写真が破たんするようなフレアやゴーストは発生せず、
どんな場面でも安心して使うことができる。
一方で、オールドレンズと呼ばれるレンズがある。
主にフィルム時代のレンズで、当たり前だがデジタルでの使用など想像もしていない。
ほとんどは開放でピントの線が甘くにじみ、逆光でド派手なフレアやゴーストが発生する。
色乗りもコントラストも今のレンズより大抵低く、カラーバランスもちょっと怪しい。
中心部はともかく、周辺部は像が乱れたり流れたり渦を巻いたり、変なクセがある。
絞り込んだらまだまともに写るけれど、開放近くでは使いこなしに慣れが必要である。
もし僕が仕事で写真を撮っていたら、そんなレンズなどには目もくれず、
最新で最高のレンズを求めていただろう。
しかし、最新のレンズを使ってみて、楽しいかと聞かれると答えは「ＹＥＳ」ではない。
開放から絞り込んだ状態まで常にきちんと写るレンズって、人間に例えると平日でも休日でも
スーツをかっちり着込んで、なにをしてもそつがない、全く隙のない人のようだと思う。
普段、一緒に仕事をするには信頼できるしすごいとも思うけど、
例えば休日に一緒に旅行したいとは思わない。
友人ではなく、ビジネスパートナー向きである。
一方でオールドレンズを例えれば、平日(絞ったとき)はそれなりにちゃんと仕事をするけれど、
休日(開放付近)はぼーっとしていて、どこか抜けている人である。
しばしば失敗をやらかして手を焼かされたりもするが、
時に想像もしてなかった驚きや喜びや笑いをもたらしてくれる。
そういう人と旅に出ると、苦労したりイラッとすることもあるだろうけど、
きっとそれ以上に楽しい。
僕はそういう人と友達になりたいと思う。
ということで、長々と書いてしまったけれど、冒頭の問いへの答えは一言で済む。
そういうやつの方が気が合うからである。
2018年6月 「オールドレンズ女子・オールドレンズ男子」に寄せて
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＊
『旅と日常』の最後のページに挿入していた文章。
読んだ人のリアクションはいろいろで、呆れる人、失笑する人、共感してくれる人…
そしてこれを読んでいる彼女の眉間には、今まで見たこともないような深い皺が刻まれていたのでした。
ドン引き。(笑)
…これでも、最初に書いた文章から半分ぐらいに絞ったんやけどなぁ。。。＾＾；
| 2018年06月28日(木) | 『旅と日常』 |
昨日書いたオールドレンズ展の会場に1冊、写真ファイルを置かせてもらいました。
そのタイトルが『旅と日常』。
テーマがなかなか決まらなくて、オールドレンズで撮った旅(山)の写真にするか、日常の写真にするか、
迷いに迷った挙句、ある夜シャワーを浴びている時にふと思いついたのです。
「旅＋日常＝人生」やから、『旅と日常』ってタイトルにしたらなんでもありやん！と。(笑)
そんなわけで、全てのページでは無理でしたが、できるだけ見開きで旅と日常を対比して組むようにしました。
上の写真はその一部。(全部で20組ぐらいありました)
その意図が見てくれた人たちに伝わったかどうか…見てくれてる時の様子や、いただいたコメントを見ると、
あんまり伝わってなかったみたいですけど。＾＾；
もちろん、見てくれた人がどう感じるかはその人たちの自由だし、僕の意図を押し付けるつもりはないし、
伝わってないことを嘆くのであれば、自分の伝える力の弱さを嘆くべきですね。
もっと精進しないとなぁ…＾＾；
| 2018年06月27日(水) | オールドレンズ展(事後報告) |
大人になった彼女に見てもらいたくて
僕は彼女を撮っています。
こんばんは。
気付いたら今年に入って初めての日記？去年の11月以来？
みなさま、明けましておめでとうございます。(遅っ！)
そんなわけで、先日、何年ぶりかの写真展に参加してきました。(ホンマに遅っ！！)
南青山でのナダール東京での「オールドレンズ女子・オールドレンズ男子」展。
その名の通り、オールドレンズ×デジタルカメラでの写真による企画展です。
出した作品が上の写真。何年か前の、夢中でシャボン玉遊びをする幼いこよたん。
カメラはSONY α900、レンズは一番好きなMINOLTA MC Rokkor58��F1.2(後期)。
個人的な思い入れもあるし、客観的に見てもいい写真だと思うし、オールドレンズらしい特徴が良く出ているので、
ほぼ迷わずにこの写真に決定。
キャプションはいろいろ悩みすぎてわけわからなくなって、最終的にシンプルなこの2行にしました。
大人になって、辛いことも嫌なこともあるだろうけど、そんな時に僕の撮った写真を見て、
なにかちょっとでも感じてもらえることがあれば嬉しいな、と。
こよたんに限らず、子供を撮る時はいつも同じことを考えながら撮っています。
で、みんなの展示を見たら、全員オールドレンズについてのキャプションで、
なんか僕一人がかっこつけて気障なことを語っているみたいになってたという…＾＾；
＊
しかし、やっぱり展示はええね。
ここのところ、自分の写真はSNSで見てもらうばっかりで、
もちろんそこでの「いいね！」やコメントも嬉しいんやけど、
やっぱりプリントを見てくれている人の姿とか、直接言ってもらえる感想とか、
カードに残してくれた手書きのメッセージとか、格別でした。
他の出展者の方々も、ギャラリーオーナーの林さんとマネージャーの早苗さん以外は誰も知らんかったんやけど、
これを機会にたくさんの人と知り合えて、いろんな写真を見れて、オールドレンズについてマニアックに語り合えて、
ホントに楽しかったなぁ。＾＾
また、機会があればなにか出展したいものです。
その時こそは事前にお知らせしますね。(笑)
