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女房様とお呼びっ!
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2001年08月31日(金) ツカレタラヤスモウ

「全部、アタシが悪いのよッ」
・・・そう言い放ったことが、何度もあります。

自分が関わる問題に悩まされて、追いつめられて、疲れ果てて、
そして、思わず縋ってしまうのは、いつもこの結論でした。若い頃。
何かの問題が起こった時に、自分と自分以外を冷静に見つめて、
客観的に考えるのは、とても難しいものです。

仮に、今自分の抱えている問題と、全く同じ状況について、
他人から相談されたとしたら、私は第三者として冷静に考えられることでしょう。
まさか、「全部、アナタが悪いのよ」という断を下したりしないはずです。
万一、どう考えても、「全て当人に非がある」と結論しても、
その結論は具体的で、実のある善後策も立てられると思うのです。

一方、「全部、アタシが悪い」という思いに捕らわれるとき、
それは、全ての事柄から逃げていることになりましょう。
その問題に関わる周りの人も、苦悩の元たる同じ渦中にあることを見ず、
自分だけが、考えることを放棄してしまう・・・。
全てが自分のせいだと思うのは、
一見自己犠牲的で自らに言い訳も立つのですが、
実は、責任逃れの自分勝手な逃避かもしれないのです。


何故、逃げてしまうのか?
自分や、他人について、考える誠意や責任感がないのか?
問題を解決するだけの力、思考力だの根気だのが、ないのか?

そうではなかったと思います。
「どうでもいいや」とか「もう駄目だ」と思う時、
そう思う一瞬手前まで、「どうにかしたい」と頑張っていたはずです。

しかし、人がイキモノである以上、走り続ければ疲れます。
疲れたならば、走るのをやめれば良いんだろうけど、そうも行かない・・・。
そのジレンマの中で、更なる疲労が募っていきます。

この先も、走り続けなければならないのなら、走り続けたいのなら、
「疲れを癒すために、一旦休めばいい」という、とても単純な思いつきさえ、
疲弊し切った体や精神は、思い出せなくなってしまうのです。
そして、全てを停止させる極論に達したりします。


私は、これまでに、幾度も後悔しています。
「全部、アタシが悪いのよ」と開き直り、床に這う私を前に、
私を取り巻く周りの人は、その事態にこそ困り、悲しい思いをしたんだろうな。
疲れ切る前に、休めば良かっただけなのにね。

疲れたら、休もう。
自分や他の人が大切で、だからこそ頑張っているキミ。
私もキミのことが大切だから、一層そう思うのです。


2001年08月30日(木) 麗しき演技(フリ)

きっと多くの人が気付いてて、けれど考えたくないのが、最中の女の演技だろう。
そう、感じてるフリ。イったフリ。もちろん、過去には私だってしたことあるよ。
そうする理由は、人それぞれさ。早く終わらせたいとか、相手を気遣ってとか。
男も、何かしらのフリをすることあるのカナ?っと、ある女の告白を思い出した。

にわかには信じ難い話だった。・・・けど、彼女は夢見るように語ってたんだよね。

・・・・・。

彼女とは、SMな繋がりで知り合ったから、恋愛や性に関して色んな話をしたの。
彼女は、マジに筋金入りのM性癖を持っていて、ずっとずっと悩んで来たらしい。
苦悩から逃れる為に、他人が聞けば、彼女の人格を疑うような事までやってたね。
彼女が語る激烈な性の履歴は、性癖とはいえ、重苦しくて痛い印象ばかりだった。

私達が知り合ってから、暫くして、彼女は「主」たる彼に出逢い、傾倒していった。
年かさの経験豊富なS男性らしい。彼女以外にも、何人も女を抱えてるんだって。
ま、複数の「従」を持つなんてのは、SM界ではありがちな話さ。方針の問題だ。
女達が、男の方針を納得してればいいんだ。彼女もまた、その状況に甘んじてた。

でも、やはり女同士の確執とか嫉妬とかはあるみたいで、再々に愚痴を聞いたよ。
ま、不満を漏らしながらも、男を一途に慕い、もぅ精一杯に心や体を使ってたなぁ
だから、男とのデイトの報告はノロケ全開で、聞いてる方が照れる位だったのさ。
とはいっても、彼らはSMカップルだからね、内容的には相当にグロいけど(笑)

そんなノロケ話の中で、男と彼女のファックについて聞いたのね。告白たる場面。

・・・・・。

前から彼女は、ファックは嫌いと言ってたの。まんこの中ではイけないからって。
クリトリスも不得意だって言うし、つまり彼女は、まんこの性感に乏しいワケだ。
それが、彼女の個性なのか、未発達な故なのかは解らないが、相当辛いらしい。
やはり、普通の男は女のまんこを責めたがるし、最後はそこに挿入したがるしね。

だから、ファックされたら、ひたすら演技よぅと彼女は自嘲気味に言ってたけど、
かと言って、彼女が全くの不感症だって事では、もちろんない。寧ろ多感症(笑)
聞けば、人並み外れた性感を持ってるらしい。だって髪の生え際でイけるんだぜ?
ファックも、尻穴ならイけるって。なら、そっち専門でやれば?とも思うんだが。

どうやらそうもいかないらしく、儀式の様に、まんこでファックを勤めると言う。
「まぁ今の男なら、「従」たるご奉仕として、粛々とお使い頂くのもイイカモネ?」
なんて茶化してたの。ま、気心知れた友達だからサ。「うんまぁね」と彼女も笑う。
「フリなら慣れてんジャン」と冗談めかして言葉を継ぐと、遂に彼女が言ったのよ。


「うーん、実は『入ってるフリ』もしてんだ、アタシ・・・彼、勃たないのよぅ」


・・・・・。

つまりだ。男は柔らかなちんこを女のまんこに擦りつけて、腰を振り立てるのだ。
そして、犯されるのはどうだ?と言葉を投げて、彼女も応えて、悶えてみせると。
・・・私には想像もつかない現実に驚きながら、おそるおそる彼女に訊いてみたよ。
「男も『入れてるフリ』をしてるってことね?」「うん、たぶん、ね・・・」

男は、己のちんこが硬く屹立し、女の肉を抉るイメージで、欲情してるのだろう。
女は、イけない肉穴であっても、男の肉に抉られるイメージで、萌えるのだろう。
だって、男も彼女も、その事実に納得してるんだ。そうして交歓してるんだもの。
彼らのファックは、物理を超えているんだね・・・何だか、心の奥がシンとした。


2001年08月29日(水) 出すべきか?出さざるべきか?

SMクラブに頼るM魚の愚痴として、射精をもって終りは不本意だってのがある。
終了時刻が近づくと強制自慰を命じられ、分かり易い結果で一段落が通例とか。
世間の皆様には「?」な話かもしれない。男が性風俗行って、出さずにドースル?
百歩譲って、出す為に行くんでなくても、興奮したら出すのが普通だと思うかな?

いや、まさに射精する為に、M的行為を受けるM魚もいるよ。こりゃ納得だよね。
この手の輩だって、制限時間に縛られてフィニッシュする空しさは感じるだろう。
でもま、それは、お商売で欲望を晴らす時にはついて廻る問題だしさ、仕方ない。
只、冒頭のM魚の不満は、出来れば出さずに帰りたいてな心情に根拠するのだ。

それなら、予め「射精はなしで」とオーダー出せばいいじゃん?と思うんだけど、
彼らに言わせると、それは嫌なんだって!女王様のお心のままにして欲しいとか。
あぁ、M魚特有の我が儘だよぅと呆れつつ、ま、その気持ちはワカランでもない。
彼らは「裏切られたい」んだもの(笑)それで、矛盾した不満を抱えるってワケ。

だから、「ハイッ時間ヨ、オ帰リッ」ってな乱暴な結末でもいいのかもしれない。
どマゾなら、その冷徹で即物的な扱いが、いよいよツボにハマっていいかもね(笑
尤も、この方法を採るのは、サービスする側の女性にとっちゃリスクが高いもの。
余程の馴染み客でない限り、射精を見届けるのが、心情的にも落ち着く筈だしね。

・・・・・。

ところで、射精の問題以前に、プレイ中には勃起しないってなM魚も結構居る。
私の古い奴隷もこのタイプ。過去に一度射精した事があるけど、勃ってなかった。
何故そうなのかは、本人も分からないらしい。機能不全ではないと言い張るが(笑
最中の勃起を防ぐ為、プレイ前に射精しとくってなM魚も居るヨ。ご苦労な事だ。

ま、この類のM魚にとって、SM行為での快感と勃起/射精は別物なんだろうね。
そう納得できれば、行為の結果が勃起や射精に反映しないのは、問題じゃない。
ところが、行為で勃起出来なくて、相手に申し訳ないとか、気に病む輩も居るの。
そいつらを相手するS側も悩んでたりしてね。早く気付いて楽になって欲しいよ。

・・・・・。


さて、ここまでの文章が、昨日記事の言い訳の前フリだとお気づきだろうか?(笑)
それにしちゃ長いけど・・・ま、理屈こねて鬱憤を晴らしてるって面もデカイ(爆)


長年M魚と関わってみて、最中のM側の射精については、私なりの感覚がある。
相性の関係でコアなM魚とのご縁が多いので、若干ずれた感覚かもしれないが。
それは「M側が射精しようがしまいが、問題ではない」という乱暴なものだ(笑)
この感覚がプレイの方針に結びつき、実際、ちんこへの責めは気まぐれなんだね。

割と多いパターンは「お持ち帰り」だ。刺激したとしても、出させないってこと。
「その方が、お家に帰っても楽しめるでしょ?」なんて、だまくらかしている(笑)
相手を貶める方法として、プレイの割と早い段階で、強制自慰させることもある。
羞恥心を煽り、射精が無力感をもたらして、スムーズに服従出来たりするからね。

性感への責めが高じて(或いは手違いで、笑)射精に至っても、特に気にしない。
不調法な結果を嘲笑し、「粗相したネ?」等と言葉で責め、後の展開は自在だ。
昨日記事の経過のように、私への奉仕を命じる理由にしたり、動機付けをしたり、
「汚いナ、綺麗にしろ」と床に散った精液を舐めさせたり、口に塗り込めたり(笑)

・・・・・。

ってな訳で、M側が射精した途端、素に戻るなんて経験は初めてだったのね(汗)
確かに読みが甘かったけど、何だか「マシーン」になった様な心持ちだったわよ。
そこへ追い打ちかけて「器の大きい人デスネ」なんて言われてさ、一層凹んだの。
あー、くどい説明と言い訳と愚痴につき、ごめんなさい。この話題は終了するワ。


2001年08月28日(火) 史上最悪の失策 #3

さて、奴の体内に私の尿が注がれる展開までに、既に2時間程が経過していた。
ま、私のプレイは大抵長っ尻で、ワンクール4時間位かな。ここで半分所なワケ。

・・・・・。

徐々に奴を追い詰めながら、私の欲情も昂まり、狂おしさに胸が潰れそうになる。
尿に濡れた掌を奴の顔面に擦りながら、手にした浴衣の紐で奴の喉元を結わく。
このまま奴に、私の汚れた股間の始末をさせようと思ったが、ひとまず紙で拭く。
紙越しに、まんこのぬかるみが分かる。じきにコイツに舐めさせるさ。ニヤケル。

奴の首にかけた紐を引くと、のろのろと四つん這いで従う。んー、準備は万端ネ!
便所から戻り、正座し直す奴を捨て置いて、その眼前で、私はゆっくり服を脱ぐ。
奴の瞳は恍惚に輝き、露わになる肌を見つめている。お預けを喰らった犬の様だ。
本物の犬さながらに、屈めた脚の間に突き出たペニスが、硬く充血して痛々しい。

ややあって全裸になった私は、奴の太股を跨ぐように仁王立ち、顎に手を掛ける。
奴の唇の間近に私の匂い立つ股間があり、けれど、まだ接触を許さない。うふふ。
その体勢から前屈し、伸ばした手で奴のペニスを鷲掴み、やわやわと刺激する。
吐息混じりの切羽詰まった呻き声が、奴の口から漏れ、その目が何をか訴える。

その目を制して、手の動きを速める。「あぁ、やめて・・・」苦悶の言葉が溢れ出す。
淫靡な響きに煽られ、更に強く刺激する。「もぅ・・もぅ・・」奴は息も絶え絶えだ。
「あっ!ダメッ」と叫ぶ。ナニガダメ?と笑いかける。「ダメだ、出ちゃいますッ」
奴は譫言のように繰り返す。苦しそうな喘ぎ声。イツマデモ、キイテタイヨ・・・

・・・・・。

っと、次の瞬間、奴は射精をしてしまった。私は、その断末魔を聞いただろうか?
いや、私にとってはソレよりも、不意の結果に驚く方が先だった。シマッタ・・・!
奴の声に陶酔する余り、力加減を間違えたのだ。始末をしながら、展開を考える。
ま、SMプレイでのM側の射精なんて、さほど重大ではないワヨ。気を取り直す。

そして奴に言い放つ。「先にイクなんて、行儀悪いわね・・・」ま、有り体な展開だ。
無様な粗相をした罪を濯ぐべく、奴に奉仕を命じる筋書き。回収に掛からねばっ!
次の場面で味わうだろう奴の舌の仕事を期待して、体が疼き始める。胸が高鳴る。
満を持して、呆然と俯く奴へと近づく。が、その顔を見た瞬間、私は驚愕した!!


スイマセン・・・と呟く奴の目は、欲情の欠片もなく澄んでいたのだ。オマイガッ!


・・・・・。

結局、プレイは終結を余儀なくされ、昂ぶった私が、全裸のままに取り残された。
はしたなくも、暫くは、奴を懐柔しようと試みたが、ダメだった。あぁ情けない。
突然にすっかりと脱力してしまった私は、自嘲気味に笑いながら、浴衣を羽織り、
そして、ぼんやりと奴が言い訳するのを聞いていた。いや、聞こえてたんだな・・・

コンナノ初メテデ凄イ興奮シテ、ツイ出チャッテ、ソシタラ急ニ醒メチャッテ・・
デモ、ソン時マデハ、ゴ奉仕シタイ気持チダッタンデス・・・アア困ッタナ・・・
ア、マッサージトカナラ出来マスヨ・・・オ詫ビに何デモ好キナ物ゴ馳走シマスシ
ア、ソウダ、映画イキマセンカ?オゴリマスカラ・・・ホントスミマセン・・・

「スポーツの後みたいに爽やかです」とも言ってたさ。殺意さえ湧くぜ?マジに。
「もういいから、帰って頂戴」と私が遮っても、奴は喋り続けるんだ。ムカツク。
「アタシは怒ってるんじゃない、心配しないで」あー、鬱陶しいこと言わせるな。
「こんな結果になって残念だ、それだけよ」言葉を継ぐ。っと、奴は宣ったのだ。

『 ・・・青葉サンッテ、器ノ大キイ人デスネ・・・ 』

ナンダソリャ?奴の迷言に呆れ返りながら、私は曖昧に微笑むしかなかったサ。


2001年08月27日(月) 史上最悪の失策 #2

チャットの段階で、奴と打ち合わせたプレイ内容は、お姫様ごっこだったの(笑)
女に奉仕し、歓んで貰う事が、自らの歓びだと奴は言った。ありがちな願望さぁ。
けれどSMクラブのように、決まり事に沿って行うのは不本意だとも聞いていた。
うん、そりゃ確かにツマンナイネ、と私も同意し、奴とのプレイに期待したのよ。

プレイのプランは、当然、相手の様子や出方を観察した上で、決定してくのね。
初対面で情報が薄い場合には、特に慎重に環境作りから始める必要がある(笑
奴の場合、まずは性的刺激に集中させて、プレイに没頭出来る事を目指したの。
性感の昂まりが、初見の女に傅く理由になるし、緊張感や違和感を払拭するしね。

・・・・・。

奴が漸くプレイにハマる態勢となり、私の足元に跪いても、性感刺激を続ける。
上から奴の目を覗き込みながら、掌を奴の肌に滑らせていく。産毛を撫でる感じ。
動きは一定しない。時々、ツボを指先で突く。ランダムな刺激。徐々に追い込む。
奴の口から絶えず吐息が漏れ、時折、ウッと息を詰める。もっと、乱れてしまえ。

予定通りに呼吸が乱れ、心拍数の上昇が確認できる。肌も汗ばんできた。イイネ。
苦痛は好まないと聞いてたが、僅かな痛みは、奴が堕ちていくのに役立つ筈だ。
硬くしこった乳首を捻り潰しながら、奴の目を凝視する目線に蔑みの色を添える。
沸き上がる緩慢な痛みが、奴の顔を歪ませ、苦しそうな声を導く。ああ、素敵ィ!

そしていよいよ、私の足先が、奴の勃起したペニスをつつく。ムチのあとのアメ。
奴の目に驚悦の色が浮かび、次の瞬間、己の下腹に目を移す。私の目線も続く。
既に、奴が跪く床は、その亀頭から垂れた粘液で濡れ光っている。ホラ、御覧ヨ。
私は言葉で煽りながら、足指で、鈴口から滴る汁をカリの方まで擦り付けていく。

途端、奴が声を発した。「トイレに行かせて下さい・・・」ワォ、ナンテ間のいい奴!
チャンスは向こうから転がり込んでくる。イイワヨ、ココデスルナラ。私は言う。
その言葉に絶句した奴が、抵抗の目つきを寄越す。イヤナラ、ダメヨ。追い込む。
奴の目が懇願の色に変わる。洗面器モッテラッシャイ。それきり、私は沈黙する。

・・・・・。

この手の駆け引きが上手く運ばない場合、私の相手への興味は失速するだろう。
相手の嫌がることを命じ、相手が抵抗し、結果諦めて応じる過程が好きだからだ。
一時的にであれ、その関係性を明白にしていくことに、私は興奮を感じるのだ。
私がS側だからって、M側が何事も粛々と応じる状況には萌えない。厄介だワ。

結局、奴は洗面器を股下に据え置いて、勃起したペニスを掴み、排尿に挑んだ。
「勃ったままじゃ出ないでしょ?」等と言葉でなぶる。自然と笑みが零れてしまう。
やがて、鈴口から尿が流れ出し、奴は羞恥に顔を伏せてしまう。コッチヲミテヨ。
果たして、奴は私の目を見ながら排泄を続ける。さっきより堕ちたね。うふふ。

・・・・・。

さぁ、ここまで持ってきたら、後は一気に追い込める。興奮が体を駆け昇ってく。
汚物の後始末をした奴を、今度はトイレに誘う。「女のしっこ、飲んだことある?」
便器に腰を下ろし、目の前に正座させた奴に問う。「ありません・・・」奴が答える。
「飲めるか?」更に問いかけつつ、私は排尿を始める。奴は言葉に詰まっている。

けれど、この状況に酔っているのは確かだ。目が泳がない。大丈夫。確信する。
私は、股間に手を差し入れて、暖かい迸りを掌に掬い、奴の目の前に差し出した。
ノミナサイ・・・私の言葉に操られるように、奴は手の中の水溜まりに顔を近づける。
唇が開き、震える舌が伸びる。やおら、私は奴の開いた口腔に、尿を流し込んだ。

・・・・・。

ありゃ、またプレイレポートに終始しちゃったワ(苦笑)明日は必ず結末を・・・!


2001年08月24日(金) 史上最悪の失策 #1

まぁね、テレコミ遊びも10年余れば、ヤナ事も結構あったよ。女の立場でもね。
もちろん、意図的に或いは無意識に、相手にヤナ事したこともある。お互い様サ。
M魚相手なら、そんな憂いはないだろって思うかな?・・・んなこたぁないよ(笑)
「SMは非日常」なんてお題目を唱えて、誠意までも捨て置く輩が、結構居るんだ。

すっぽかしは多いし、出鱈目の連絡先を教えられて、ゆきずられたこともある(笑)
対面の有無に関わらず、悪戯電話寄越すのも、圧倒的にM魚が多いねぇ。あはは
ま、偉そうなこと言ってるけど、私だってすっぽかした事はあるよ。ゴメンよう。
あとさ、セックスと違って、いざ行為となって決裂する事も多いよね。仕方ない。

行為の途中や最後でMが「ただの男」に変身して、険悪になった事もあったなぁ。
コレ、身近でも類似の話を聞く。S女同士で情報交換して、自衛したりもしたよ。
相手に、端から悪意がある場合は厄介だ。女王様を犯してやるって、悪趣味な輩。
幸いに、その難は免れてる。私が遭遇したのは、単に相手がキレただけだった。

だから、冷静に気を集中して臨めば、どうにか鎮火出来たのよ。結果論だけどね。
そりゃ、オッカナイし、緊張もするよ。でも、私、逆境好きだからさ。燃えた(笑)
たかが性愛、たかがエロ。とは言え、リスクも承知の上で遊んでんの。面白いよ。
ところがさ、奴との成り行きには、正直頭抱えたね。非常にイタイ経験だった・・・。

・・・・・。

奴と知り合ったきっかけは、私が生まれて初めて入室したチャットだったのね。
初体験でオロオロするうちに、個室へ案内されて、話して、結構イイ感触あって、
その後、暫くメール交換してたんだけど、彼の返事が途絶えたきりになってた。
それから半年後、別の2ショでばったり会った。正直、嬉しかったさ、私はね。

大都会の真ん中で、旧知の人に遭ったような親密さを感じて、話に花が咲いたわ。
互いのフリーな日取りが一致したのも巡り合わせみたいで、迷わずアポ取ったの。
電話番号も交換して、対面を果たす。好みじゃないけど、まぁまぁの男じゃん。
気合い充分な私達は、お茶もしないでラブホを目指す。ま、当然の成り行きネ。

部屋に入ってから、しばしお喋り。やはり私のタイプを少し外してる、と気付く。
でもま、気付いてもヤリタイ(笑)てか、もう体勢としては走り出してるワタクシ。
予め、有り体な芝居がかった設定は好まないと聞いていた。OK、いいわよう・・・。
穏やかに話を続けながら、徐々に服を剥いていく。奴の反応を注意深く見つめる。

・・・ありゃ?照れ笑いしてるよ。んー、羞恥系じゃないのか?入りにくい体質か?
ま、いいや。初対面だし、仕方ない。性感刺激すれば、入るでしょ。焦らず続行。
目を瞑らせて、顔面のポイントにタッチする。うっふふ、これでモッテケルはず。
(そそ、この方法、男相手だと相当に威力を発揮すると思う。試してみてね、笑)

全裸にしておきながら、首から上だけを執拗に撫で続ける。ホラ、スゴイデショ?
奴の下腹を見遣ると、結果は明らかだ。よしよし、随分入ってきたネ。いいぞー。
目を開けさせて、瞳の様子が変わっているのを確認。コレコレ!私も欲情するワ。
そしてキス。顔のあらゆる部分に。奴の頭を掻き抱いて。調子出てきた。イエス!

未だ椅子にかけたままの奴に、声を掛ける。イツマデソコニスワッテルツモリ?
それを合図に、奴がのろのろと床に跪く。手近になった奴の頭髪を掴み上げる。
あっさり上を向く奴の顔面。唇の端に手を添えて、ぽかりと開いた穴に唾を吐く。
奴の虚ろな瞳に、陶然とした色が浮かぶ。ノミナサイ・・・奴の喉仏がこくりと動く。

・・・・・。

ややや、ポルノチックになってきたわ(照)・・・最悪の結末は、次回に続く。


2001年08月23日(木) 淫夢(ミダラユメ)

私の淫らな性情は、時折夢の中にまで忍び込む。いや・・・
夢にまで見ることで、その根深さに気付いてしまうのだ・・・嗚呼!

・・・・・

立っている私の足下には、たくさんの小鳥がいる。
どの小鳥も羽を休めて、よちよちと地面の上を跳ねている。
小鳥たちは、私を囲むように寄り集まって、飛び立つ気配もない。

私は、小鳥たちの中に座り込み、
傍らの一羽の小鳥を鷲掴みにして持ち上げて、ひっくり返す。
手の中に、白や水色のふわふわとした羽毛、つぶらな瞳、小さなくちばし。
否応なく重力を奪われて、仰向けられたまま足掻く足。

このまま、この掌を握ってしまえば、
この華奢な生き物は、はらはらと砕け散ってしまうのだろう。
しかし、殺すつもりはない。殺してはならない。
・・・力の加減に注意を払い、私は作業を開始する。

どうやら私は、生きた小鳥を「履きたい!」と思っているのだ。

**

私は脚を折り曲げて、そのつま先に、小鳥のくちばしををあてがう。
くちばしの両側に指を添えて、力を込め、無理矢理に小さな口を開かせる。
足の親指の爪をくちばしの端に引っかけて、尚も無理にこじ開けようとする。

けれど、小鳥の口は小さすぎて、ちっとも足指はめり込んでいかない。
小さな穴をくじるように、くちくちと親指の先を動かしてみるが、駄目だ。
小鳥は、もう精一杯に口の端を裂かれて、苦しそうに小さくイヤイヤをする。

でも、私の手に掴まれて、逃げることの出来ない小鳥。
抗う猶予ない力に阻まれて、僅かに羽ばたくことも出来ない。

それでも、私は、まだやめない。
なぜ入らないのだろう?、とムキになっている。苛立ち始める。

小鳥の黒い、つぶらな瞳の目尻にぽっちりと涙が浮かぶ。
小鳥が、泣く。さえずることも出来ずに。

ようやく私は諦めて、その一羽を地面に向かって投げ捨てる。

**

群の仲間が、そんな酷い目にあっているというのに、
他の小鳥たちは、ひーひーとさえずりながら、未だ私を取り囲んでいる。
その中からまた一羽、地面から足を引き剥がされ、むごい検査を課せられていく。

何羽もの小鳥が、無茶を強いられ、ほとほとと泣く。
そして、程なく見放され、地面に叩きつけられる。
際限なく続く拷問のように。何羽も何羽も繰り返される。
私は、まるでひよこの選別人のように、地味な作業を反復している。

**

突然、私は立ち上がる。足下に小鳥を「履いて」!

靴になった小鳥たちは、不格好なバランスで、私の足を飲み込んでいる。
小さな瞳から絶えず流れる涙が、柔らかな羽毛を濡らし、いまや見る影もない。

不如意に過ぎる苛立ちや、無味な作業から解放されて、気持ちは晴れやかだ。
せいせいと目的を果たした私は、おろしたての靴の履き心地を試す。
二、三度足踏みをして、歩いてみる。そして気づく。

「履き心地が悪いわ・・・」

・・・・・

その心地悪さを引きずりながら、私は目覚め、しばし陶然と動悸した。


2001年08月22日(水) バーチャルな野望

SMサイトで遊んでいると、リアル派かバーチャル派かと問われることが多い。
SM古狸な私は「リアル先行のネット初心者」で、バーチャル自体に実感が薄い。
もっとも、リアルで活動するにおいても、テレコミという媒体を使っていたけど、
基本的に直に会える人間を探す手段であって、電話だけの関係てのはなかった。

いやもちろん、長年のテレコミ遊びの中だもの、テレホンセックスだのはしたサ。
イヤイヤ、正直に言えば、ハマった時期もある。上手い奴だと、結構萌える(笑)
電話Hしてるうちに辛抱堪らなくなって、結局会ってヤっちゃったりね。若いッ。
んー思い返せば、短期に電話H友達みたいのはいたね。オカズ要員って奴?(笑)

SMっぽい電話プレイとしては、オナニーの実況の要求あたりが定番だったかな。
現実に交際してる男にも、たまに夜襲を掛けてたしね(笑)やー、楽しかったよ。
電話して、いきなりポルノを音読したりするの。男の声や息の変調が実に面白い。
で、この場合、私の方は行為してないの(笑)静かに興奮してる。変態な所業ダ。

とまぁ、電話バーチャルもこの辺まではやったけど、電話調教てのには戸惑った。
ちんこや尻穴への強制自慰とか、露出系への命令位なら、まだ理解出来るんだ。
でも、SMプレイの定番の鞭や緊縛や蝋燭や聖水や顔面騎乗は、どーすんのサ?
いや、別に無理にしなくてもいんだろうけど、それを請われた時には吃驚したよ。

そんな折、SMテレコミでサクラやってる女が、舞台裏を明かしてくれたのね(笑)
バーチャルテレコミファンの夢をぶち壊すかもしれないが、凄いので紹介しよう。
商売熱心な彼女、洗面器だのヤカンだの布団叩きだの、用意してるんだって。
これらの活用次第は、どうぞ想像して欲しい。電気剃刀とかも必要ってサ(笑)

・・・・・。

さて、ネットでバーチャルの可能性を考える。電話と違い、音声がないのが辛い。
でも、チャプレイって分野もあるしなぁ・・・方々のサイトででリサーチしてみたヨ。
んー、ラブラブH系は嘘臭くていやんだわ。大体、タイプしながらどーしてんの?
ま、この点の事情は人それぞれみたいだけど。実際問題として、私には無理だ。

SM調教系・・・やー、ダメだ。私が見たのは、S男M女のパターンが殆どだけど、
「お前は俺の犬だ」「はい、ご主人様」イイノカコレデ?ま、いんだろうね(笑)
チャH系もそうだけど、擬音ログがやたらに多いのも、何か醒めるゾ。私的には。
「ぐちょぐちょ・・ずぼずぼ・・」「あぁぁぁん・・うっく・・」肌にあわんナ。

つまり、折角のバーチャルなのに、卑近なリアリティを感じるのがイカンのだ。
「これなら、会ってヤレばいいじゃん」と身も蓋もない発想をしてしまう私なのだ。
リアル先行の私にバーチャルな未来はないのかッ?ウー、でも諦めたくないよぅ。
ああ、この期に及んでも、欲深な性情が私を悩ませる。我ながら、呆れるネ(笑)

・・・・・。

と、ここで思い出したのよ。テレコミで話して、とても印象に残った対話の数々。
そういえば、「かつての恋人」とも、実現不能な仮想世界に遊んで、欲情したっけ。
今生に、人として生まれた宿命にあっては、決して叶わない夢物語。エロな妄想。
電話を介し、言葉でセッションしながら、次第にこみ上げる興奮。懐かしいなぁ。

例えば「もしキミがリス位の大きさなら、私の部屋で籠に入れて飼うのにね・・・」
或いは「キミの手足を不格好にもいで、ガラスの棺で飼い殺しにするんだよ・・・」
互いの異常な欲望がぶつかり、空想の中で具体性を帯びてく。段々と熱を持つ。
「どうやって、キミの息の根を止めようか?」「ああ、せめて残酷に殺して・・!」

よし、これをネットバーチャルでのテキストコミュニケーションで再現するゾ。
ネット歴一年のワタクシながら、また新たな野望を抱いて燃えているのダ!


2001年08月21日(火) ネカマ疑惑

私は不器用な人間なので、テレコミだのチャットだのでも、大凡このまんまだ。
もちろん、相手や話題によって、言葉の選び方や言い回しは若干変えてはいるよ。
ただコスプレよろしく、今日は独身スッチーだ、明日は手練れのS男性だ、てな、
芝居めいた遊びは技がないのでやらない、てか出来ない。面倒臭いてのもある。

いや、面白そうだとは思うのよ。バーチャルならではの戯れだし、憧れもする(笑)
いつだか話題したM魚の「淫乱J」は、果敢にもテレコミで、女に化けて遊んでた。
裏声で喘ぐ様に喋れば大丈夫なんだと! お相手の男性には気の毒な話だけど。
もっとも、テレコミは課金の問題があるので、この手の詐称はお勧めできないね。

一方、ネット上のテキストコミュニケーションなら、もっと手軽で呵責が少ない。
実際ネカマは横行しているようだし、乱暴な論だが、それはそれで面白いと思う。
ま、リアルな出会いを目指す場でそうするのは、由々しきルール違反だと思うよ。
でも、例えばチャットプレイ等で、架空の性を楽しむのはアリだろうと思ってる。

ただ、この遊びが成立する要件は、相手の自己申告に疑いを持たない事が前提。
というか、例え疑っても表明すべきではないわよね。それはお互い様の事だもの。
疑惑の方が勝っちゃって、対話に集中できないのなら、適当に切り上げればいい。
ましてや、まるで意図のない所に疑いをかけられると、全くもって胸クソ悪いゾ。

・・・・・。

いや、実はワタクシ、ネカマ疑惑をかけられることが多いんだね(苦笑)
ああ、コレが言いたくて、長々と前振りをした訳なんだけど・・・イヤハヤ、あはは。
過日の投網漁でも、何人かに指摘されたのね。メールの文章が男臭いんだって!
実際にお目に掛かった方にも「オトコが来るかもと思ってた」と告白されたさ(笑)

まぁね、私の文章や言には余裕がないってか、隙がなさ過ぎって自覚はあるの。
ほら、人としての器がちっちゃいしサ、本質的にダラシナイから虚勢張ってんの。
簡単に言うと、理屈っぽいんだナ。これをして「男ぽい」と評されてるのかも(汗)
んんん、この言い草じゃ、本物の殿方に失礼だわね・・・あくまでも私の事情デス。

で、チャットの対話にも、この辺は充分に反映してて、つい理屈に走ってる(笑)
それも2ショだと、M魚相手だから、語尾を飾ることもせずにログを積んでると、
とどのつまりが「もしかして、男性ですか?」という、忌まわしき質疑を受ける。
ま、退室すれば縁がなくなる相手だから、どう応答してもいんだけどサ。困るよ。

だってさ「いえ、本物の女です」とタイプするのは、あまりに馬鹿げてないかい?
だから、大抵はその時点で「あらあら・・・」とか適当に返して、退室するのね。
その質疑を発した時点でアウトなのよ。ガッカリするの。ナンダソリャなのよぅ。
ま、この手の相手は、それ以上の対話に見切りがつけられる程度なんだけどね。

・・・・・。

ところが、先日の相手がそう問うた時、私、珍しくムキになっちゃったんだ(笑)
オトナゲないよね。大後悔・・・で、悔しさの余り、ここで愚痴をぶちまけよう!
奴も「感じたままを言っただけですので、お気になさらず」とか言ってたけどサ。
ああ、キミが私に何を感じようが勝手さぁ・・・でも、煽るこたないじゃんよ?


「貴女には、SMやるにふさわしい優しさがないようだ・・・男性でしょう?」


・・・ソリャナイゼ


2001年08月20日(月) 芳一妄想

『耳なし芳一』は、子どもが読む本にも載っているポピュラーな怪談だ。
そして、私はこの話が大好きだ。幼い頃に出会って以来、繰り返し読んだもの。
話中にちりばめられるモチーフの湿度や明度が、理性を越えた官能にヒットする。
そのせいか、この物語が酷く淫らで、背徳的でエロチックだと感じてしまうのだ。

例えばだ。めくらの琵琶弾き、お坊さまの密技、もぎ取られる耳、流れる血・・・!
これだけで、充分にエロだ。ワカル人には分かるだろう(笑)ヤバイ位に淫らだ。
その淫靡に引きずり込まれる様に私は夢想し、頭の中に像を結ぶ。空想の絵巻。
やがて、薄墨色の宵闇を背景に、匂いと温度が生じ、またも妄想が走り始める。

・・・・・。

その夜更け、見知らぬ武者に誘われ、足踏み入れた「さる高貴な方」のお屋敷。
伽羅の香りに包まれて、芳一が弾き語るは、壇ノ浦の陣。女子供の哀れな結末。
咽ぶような琵琶の音色と、韻律に悲劇を謡う法師の声音。時折バチが破裂して。
宴に侍る女達が感極まって、袖に顔を覆いながら啜り泣き、次第に湿度が高まる。

元を正せば亡霊の、しかも女の霊魂達が、恨み辛みを募らせて、啜り泣きながら、
じっとりと湿り気を帯び、冷たい重みを増していく。その気配が芳一を取り囲む。
晩夏特有の鬱陶しい程の夜露が地に下りて、死人が埋まる土を黒く濡らしてゆく。
果たして、貴人の墓前に胡座する芳一は、一心不乱に琵琶をかき鳴らすばかり。

目の利かぬ芳一には、その冷たさもおどろけしさも、尊き館の風情でしかなく。
己の尻のあわいから背筋を這い、うなじに抜ける冷気も、御簾を渡る風の仕業か。
ぬるりとした粘度が襟元にまとわりつき、鳩尾を下るのは、己の流した汗なのか。
御前に召された緊張からか、己もまた感じ入ってか、がくがくと震えは止まらず。


しかし・・・。


渾身の奏曲に忘我する芳一は、既に現世を踏み外し、亡者の生贄となったのだ。
激しい怨念に往生しきれぬ女達の霊が、精気に溢れるこの男を見逃す筈もない。
霊魂の一部が、血の通わぬ冷たい触手に姿を変えて、芳一の生の体を這い回る。
バチを握る袖口から、袂から、ヌキから、襟元から、裾割れた股座から入り込む。

芳一の暖かな肌を、女の冷ややかな触手がまさぐり、吸い付くように撫で回す。
その感触に、芳一は陶然と虜になる。手にしたバチが、抱えた琵琶がかき消える。
切々と音曲を吟じていた口が、女の冷たい唇で封じられ、ぬめる舌に蹂躙される。
いつのまにか、体中に伸びる触手もまた舌となり、亡者の唾液にまみれてしまう。

あらゆる皮膚を覆う粘液が、次第に芳一の体温を奪い、芯から凍えさせていく。
生の温みを求める女達の興味は、当然の如く、彼の体のたぎる中心部を目指す。
ぞくぞくと悪寒に苛まれながらも、その一点だけは熱を持ち、女達を誘うのだ。
次々と触手が下りて、芳一の魔羅を撫で回し、幾つもの冷たい舌がねぶり廻す。

やがて、そこも冷たく光る亡者の肉穴に犯されて、哀れ芳一は熱い飛沫を放つ。

・・・・・。

その夜、夜毎の勤めに芳一を迎えに来た武者が見た物は、一対の耳だけだった。
お坊さまのたっての計らいが、芳一の一部分だけを見落としにしてしまったのだ。
任に忠実な武者は、せめてそこだけもぎ取ると、芳一の欠片を携え、踵を返す。
今宵の勤めを免れた芳一の頬から顎に、暖かな血が伝う。そして命を取り留める。

さて・・・。
亡者がたむろす直中に持ち帰られた芳一の耳は、その後どうなったのか?
徐々に冷えゆく耳朶の温みを惜しみながら、女達は血潮を味わい、ねぶるのか?
掌に乗る程の生者の欠片を弄び、慈しみ、やがてその体腔に収めてしまうのか?


いや・・・もぎ取られたのは、ひょっとして「耳」ではなくて・・・。


2001年08月12日(日) 死者を悼む生者にあてて


生きながら、私の中で死んでしまう人がいる。
死んでなお、私の中で息づいている人がいる。

自身が生き続けるために私は、しめやかに彼らを送る。
それぞれにふさわしいやり方で、野辺に送る。

私は大いに泣くだろう。苦い思いを噛みしめながら。
悲しみは全て、自分のもので、
流す涙で癒されるのは、自分でしかないからだ。

他者の生き死にを分ける身勝手に耐えることは、
生きている者に課せられた、苦行なのかもしれません。

故人の冥福を祈りつつ、合掌。


2001年08月11日(土) ゆきずりエロ説教

・・・なんつー掲題(汗)そして、なんつーハタ迷惑な行為。お節介。ワカッテル(笑)
あーでもでも、説教好きなワタクシはそうせずにはいられなかった。ごめんよう。
だってさ、ゆきずりセックスでガッカリするのは、やたらに消耗するんだよう。
正味な話、不本意な結果に終わった不満をエロ説教にぶつけたサ。悪かったよう。

・・・・・。

処女喪失の相手から、何人目かの男。私自身が初心者だってのに説教した(笑)
同い年だったから、互いに20半ばの頃。当然テレクラ。金持ちのボンだったよ。
テレクラで女に会った事がないと言う。俄然、イイ気になるお調子者のワタクシ。
ちょっとドライブ。そのままラブホ。キッス。んー、まぁまぁネ。まずは順調。

彼が上になり挿入。息を荒くして腰を揺する。揺する。揺する・・・ん?ヘンだわ?
いつ、ピストン運動が始まるの?不審に思い始める私。相変わらず「揺する」彼。
堪らず、目を開け声を掛ける。「ねぇ、腰前後に動かして、ピストンしないの?」
すると、彼は「揺する」ことも止めて、言ったのだ。「素人、初めてなんだ・・・」

今考えると、実に勇気ある告白だ。けど、若い私は、残酷にも言い放ったのだ。
「穴ん中を、ちんこで擦るみたいにしてよ」こないだまでの処女が宣う。酷いネ。
彼は焦って奮闘してたけど、うまくいかない。「何で出来ないの?」追い込む私。
「揺すった方が、気持ちイイんだ」「オナニーでも?」「うん、しごかない派」

「ふうん、キミのオナニー見せてよ」「今?」「そう、もう抜いていいからさ」
ああ、ごめんネ。この頃既に、私は男の自慰を見るのが好きだった。彼にも要求。
彼は、実に素直に私の言に従って、布団に腹這いになり「揺する」動作を始めた。
手を使わないんだね。そやって、擦り付けるだけなんだ。尻が小刻みに動く。

彼の息がどんどん荒くなり、喘ぎ声が出て、やがて静かになった。イッたらしい。
ごそごそ始末をした後に、漸く落ち着いたようで、彼は「イッチャッタ」と呟いた。
「あのさ、まんこでそれやられても、気持ち良くないよ」相変わらず厳しい私だ。
「ソープではうまくいったのに・・・」「ソープだからでしょ?普通は違うじゃん?」


あれから10年以上経つ。今ではズコバコ腰振って、女、イかしているのかい?

・・・・・。

「電気消してよ・・・」と男が要求することがある。「ダメよ」即時、却下だネ。
夜這いプレイならいざ知らず、普通のエッチで互いが見えないなんてツマラナイ。
でも、これは説教の部類じゃないよ。私の希望を押し通すことになる。平和だわ。
ところが、その男の場合は違ったの・・・こういうのって、よくある話なんだろうか?

当たり前なキスとペッティング。私に主導権を取らせてくれて、スゴク萌えたわ。
盛り上がって、遂に正常位で挿入・・・の段階になって、男が不審な動きを見せる。
私の股を開き、その間に体を進め、ちんこを入れる角度を確認。自然な成り行き。
っと、彼が足元からそろそろと掛布団を持ち上げて、腰から下を覆おうとするの。

「ナニナニ、どしたの?」吃驚して、問う私。「寒くないよ、それに鬱陶しい・・・」
「だって、こうしないとダメなんだ」布団の縁を掴んだまま、衝撃の告白をする彼。
ナンデスッテ?心底、驚愕する私。コイツはずっとそういうやり方で来たのねっ。
でもね、キミのやり方は、私が嫌だ。足で布団を蹴り飛ばす。「出来るよう・・・」

そのまま、男の尻をワシ掴む。布団は掛けさせないゾ。慌てる男。力を込める私。
まんこの方から迎えに行って、ちんこを咥える。「うふふ、入っちゃったヨ・・・」
「布団掛けなくても、ヤってるじゃん」下から腰を突き上げながら、追い込む私。
困惑して、うろたえる男の目。「あぁぁ・・・」「布団がないとホントにダメか?(笑」


あれから4,5年経つと思う。相変わらず、布団掛けて行儀良くヤってるのかい?


2001年08月10日(金) 最中の言葉

セックスの最中、私は結構しっかり目を開けて、相手の様子を見ている。
別に何かチェックしてるんじゃないよ(笑)欲情した男に見惚れてる感じなのね。
繋がってる時に見るのが、特に好きだ。男の一番恰好良いショットを拝めるから。
そう、私は、男が最高に輝くのはセックスしてる時だと思ってるんだね。あはは。

男の腹の下で見上げるその顔は、一生懸命でストイックな感じさえして、素敵だ。
そのオスとまぐわったメスしか見ることが出来ない、特権だわね。見逃せないヨ。
我が身をペニスで貫かれて昇りつめながら、目にするその光景に感動すら覚える。
そして感極まって、言葉で伝える。アナタ、カッコイイワ・・・スゴクステキ・・・!

ところがだ。例のSFが不思議そうに言うのよ。「そんな事、初めて言われた」と。
そう聞いて、私も意外で、「じゃ、貴方の寝た女は何を褒めてたの?」と訊き返す。
暫し首を捻る彼。「もしかして、最中に目を開けてる女はイナイトカ?」と言うと、
「ああ、そうかも!」だって・・・ひゃー勿体ない。私的にはそう思うわよぅ(笑)

ただ、この件で興味が湧いて、身近で訊いたら、目を開いてる女は少数派だった。
んまぁ、視覚を使わずとも感覚で褒める事は出来るわよね。硬いワ、熱いワとか。
私も言うけどさ(笑)そりゃ、快感を追う時は、目を瞑ってた方がやり易いしさ。
ま、この頃には感覚に懸命で、ロクに褒めてないかも。どっちもどっちだね(笑)

そそ私、まぐわってる最中の自分を見るのも大好きだ。我ながら綺麗だと思う(照)
もちろん状況として、鏡に映ってるのを見るんだけど。あ、写真はダメなの(笑)
コレ面白い感覚だけど、画像の中の私はすっかり他人な印象で、見るのも嫌だ。
だから、ライブな私を見たいし、見て欲しい。てな訳で、鏡張りの部屋は好き(笑)

・・・・・。

褒め言葉の件もそうだけど、例のSFと関わって、驚かされたことは結構ある。

過日記事に書いたように、「俺の女になれ」って、その最中に言う癖とかね(笑)
ま、心情的には分からなくないけど、コレ言われると素に戻っちゃうんだナ、私。
って話を友人にしたら、「俺の子を産め」と言われると最高萌える、てな女がいた。
吃驚したよ。人それぞれだ・・・ま、睦言なんて具体性は全くないもんだけどサ(笑)

似たような例で、「お前を犯すぞ」ってのもあったな(笑)彼が言った言葉だよ。
これはねぇ、ちゃんとお願いして言うの止めて貰った。だって、萎えるんだもん。
ああ、そうそう、SMチックな煽り言葉は全部NGのよ。私の場合。まるでダメ。
それがギミックだって分かっちゃいるけど、イマイチ乗れないや。好みの問題ね。

コレは多分、私がエロな自分を恐ろしく好きなせいだろう。一番大切な部分なの。
だから、相手にも大事に扱って欲しいんダ。ねぇ褒めて。注目して。働いて(笑)
けなされたり、なじられたりすると、醒めるし、萎えるし、やる気が失せるんダ。
・・・あはは、単純だね。んでも、だから女王様やってるとも言う、ホントか?(笑)

・・・・・。

そうそう、彼との付き合いで一番驚くってか、不可解だったことがある。
それは、私達の関係性を「友達」とは、絶対に認めなかったこと。不思議だった。
ここでは、便宜上セックスフレンドと称してるが、これも彼的には不正解なのだ。
明白に「恋人」ではないし、その意味で「不倫相手」でもない。じゃ、ナンダ?


彼曰く。「 キミは同志だ・・・!」


何故か頑なに、彼はこの定義に拘った・・・そのココロは長くなるので後日また。


2001年08月09日(木) オトナの実験 #4

S男性の中には、女の動きを封じ、玩具のように扱いたいと望む方も多いだろう。
対して、そうされたいと願うM女性も多いだろう。では、彼らの望む「玩具」とは?
無機質な玩具なのだから、されるがままに無反応であることを夢想しているのか?
・・・多分、違うと思うのね。扱う側にとって、反応のない相手はかなーりキツイぞ。

死人の私としては、快感が昂まってきても、喘がず押し黙ったままでいたいのだ。
だって、その方が気持ちイイからさ。我慢して声を上げないってんじゃないのね。
快感が放出されずに、内側に渦巻く感じ。内圧が上がり、感覚が鋭敏になる感じ。
・・・ああ、コレ、タイトラップ(註)されるのと、結構似てるなぁ(笑)

・・・・・。

さて、時を止めた童貞少年を夢想する彼は、黙々と作業に勤しむ。没頭していく。
スカートを腹まで捲り上げ、露わになった私の股間をストッキング越しに撫でる。
脚はまだ閉じられたまま。ストッキングの縫い目を、指先がなぞる。まさに悪戯。
何故か、ショーツは穿かずにと要望された。直に触られるのと違う感覚を楽しむ。

太腿と股の間の隙間に、指が差し込まれ、上下に動く。体に電気が走る。イイ。
段々と割れ目が開くのが、自分でも意識出来る。愛液が流れ落ちるのが分かる。
死体から体液が滴る様子を思い浮かべると、更に昂まる。閉じた肉襞がひくつく。
いよいよ侵入した指が、柔らかな部分を押す。湿った圧力が、体の芯を駆け上る。

不意に、足首が揃えたまま持ち上げられ、無機質な圧力を感じた。例のテープだ。
ビニールがチーッと引き延ばされる音とともに、荒い動作で脚が螺旋に巻かれる。
ストッキング越しなので痛くはない。太股まで巻いて、一旦テープが切断される。
二本の脚を閉じたままで、一括りにされたワケだ。死体っぽくてイイなぁ。感動。

次に、上半身にもテープを巻き付けようとするが、脚程は上手くいかないみたい。
半身起こさないと無理ダナ。髪を掴んで起こすってのもイイナ。私に雑念が湧く。
ところが、彼はそこまでしなかった。ま、重いしね。シカタナイヤ。死人に戻る。
腕を取られ、肩口から手首まで巻かれる。脱力した体を自在にされるのは快感だ。

生身の女の体をぐるぐる巻きにした少年は、いよいよ欲望の虜になる。悪戯再開。
テープで分断されたストッキングを、あちこち引き裂き、剥き出しの肌を撫でる。
その無秩序さが新鮮だ。結構イイかも。・・・でも、そこを舐めてはくれないのね?
ああ、もうっ。舐めてと言いたい。・・・死んだフリを覆すような発想が次々と襲う。

・・・・・。

脚を舐めて欲しい彼の舌は、しかし、私の乳首を舐めている。んー、イマイチだ。
あまり上手じゃないんだなぁ。赤ん坊が乳吸ってるみたい。ああ、焦れったい。
それに、さっきから何度も死人な私に呼びかけるし。聞こえないフリしてたけど。
・・・こうなると、もうダメだ。集中力が途切れ、没頭できない。実験中止か?

遂に私は決断し、それまで固く閉じ合わせていた目蓋を開けて、息を吹き返す。
声を立てて笑い、彼を見る。彼は少し驚いたようだが、目を逸らす事はなかった。
欲情した彼の瞳は、とても美しく、胸にこみ上げるものを感じて、私は言った。
フツウニシヨウ・・・そして、今度は自ら、彼の唇を求めていく。命あるキス。

そして、私達はただのオスとメスに戻って、ごく自然にまぐわい、声を上げた。
実験で昂まってたせいか、初めての相手だからか、互いに怖い位興奮し続けた。
ここ最近は一回が精々という彼は3度も勃起し、吃驚しながら腰を酷使してたし、
私は久しぶりの行為に、子宮は下りる、尻穴は使うと大ハッスルしてみたさ(笑)

・・・・・。

結局、オトナの実験は中途半端に終わった。互いに我慢しきれなかったからさ。
でもま、オイシイ所はきっちり味わったからヨシとしよう。ホント、面白かった。
ああ、それと、素肌への緊縛拘束に「ビニールテープ」は使わない方がいいね。
剥がした痕が、縞模様になってた(笑)皮膚を巻き込んでしまうんだ。要注意。

註)ラップや包帯でぐるぐる巻きにする緊縛拘束の一手法。


2001年08月08日(水) オトナの実験 #3

ベッドの上で死んでいる私。それを見ている男。小さな頃から憧れた風景・・・!
頭の中で、身勝手な物語の再生が始まる。死人の私は美しく、完璧に清らかだ。
私が死んでいることを知りながら、男は私の冷たい肌に触れ、そぅっと撫で回す。
やがて、口づける。暖かく血の通う柔らかな唇が、私の青ざめた唇に重なる。

・・・・・。

っと、ここまで書いて気付いちゃったのね。今の今まで、考えてもみなかった(汗)
・・・この成り行きって、白雪姫とかいばら姫とか、ありきたりなお伽噺じゃん(笑)
ナニヤッテンダカネ・・・と今更に呆れてしまったわ。あはは。デモデスヨ・・・?
この実験に姫が目覚めるハッピーエンドはないのだ。あくまでも死んだままナノ。

・・・・・。

男の熱い舌先が、ただの肉片となった私の唇をこじあける。あっけなく侵入する。
ぬめる舌が、粘膜を確かめるように蠢く。歯列を掃くように動く。隙間をなぞる。
男の唾液が、弛緩した私の唇の端から垂れて、頬を伝っていく。ゾクゾクスル・・・
その雫を追って、男の舌が頬を這い、舐め上げるように、やがて目尻に到達する。

死んでいる私は目を閉じたまま、睫毛の際を舌が滑るのを感じている。アァ・・・
男の手が額におかれ、髪の生え際を撫で上げながら、目蓋にキスが繰り返される
と、不意に目蓋に圧力がかかり、眼球が剥き出しにされて、瞳に舌が触れる。
震える舌先から、再び涎が滴って、泪のように目尻へと流れ、耳元へ垂れてくる。

私は、陶然としながら、緩慢で深い呼吸を続けている。海の底にいる時みたいに。
幼い子が、大事な玩具をねぶりまわすように、男は顔中に執拗なキスを繰り返す。
湿った音が、頭蓋に反響する。本当にボンベを背負って海中に漂っているようだ、
やがて男の唇が、再び唇に重なる。さっきよりも荒々しく、舌を押し入れてくる。


「 口を開けろ・・・!」


へ?ヨビカケマシタネ?シンデルアタシニ・・・くそー、雑念がよぎるじゃない。
頭をフル回転して、都合良く解釈することにした。コレハ、カレノヒトリゴトダ。
だってさ、こっちは死んでるってか、動かない木偶なんだから、方法あるじゃん。
指でこじ開けるとかさ、顎骨に手をかけるとかさ・・・死人ながら不満に思う(笑)

・・・・・。

死んだ私の口腔は易々とこじ開けられて、生きた軟体動物がぬるりと入り込む。
そして、仲間の死体にまとわりついては、小さく噛んだり、吸い上げたりする。
洞穴になった私の口腔は、男の唾液で溢れ返りそうになり、けれど嚥下も出来ず。
またも、ごぼごぼと逆流させてしまう液体が、首筋を伝い、うなじまで濡らす。

その間に、胸の上で固く結びあわせた私の五指が一本一本引き剥がされている。
抗いもせずほどかれて、やがて手首を掴まれ、そのまま腕ごと体側に下ろされる。
男の目的は既に童貞少年の如く。白いブラウスの中身を見たい。真っ直ぐな欲望。
不器用にボタンを弄っていたが、不意に力が籠もり、身頃を引き裂いてしまった。

男の目の前に広がる、私の乳房。乳首。そして、忙しなく剥ぎ取られるブラウス。
既に男の口元は私の顔を離れ、剥き出しの胸や腹に、熱い息を浴びせている。
その掌が、無秩序に露わになった肌を這い、乳房の脂肪を持ち上げ、包み込む。
死んでいる筈の私の肌は、けれどそそげたち、乳首はしこりきっているだろう。

その頃には、私の内側にたぎる熱が籠もり、甘い痺れが体中を巡り始めていた。
それでも、自らを欺くように深い呼吸を繰り返す。頭の中がシンと冴え渡ってく。
子どもの頃楽しんだ、あの感覚が蘇ってくる。浮遊感。アア、キモチガイイ・・・!
敢えて喘がない。息を詰めない。筋肉が最大限に弛緩しきっている。OKダ・・・!


2001年08月07日(火) オトナの実験 #2

そのSFのことを、何故わざわざ「天然」S男性と呼ぶのか?「天然」とは何ぞや?
んまぁ、単に主観な印象なんだけどね、彼ってば「群のオス長」みたいだったのよ。
並外れて野性の勝ってる男。ヒトにも、この手の属性が出現するんだと感心した。
生まれながらに備わった自分本位に支えられて、どこまでも泰然としてるんだ。

勿論、人並みの苦労はしてるらしいんだけど、本人に自覚がない風に見えるのよ。
てな表現だと、数多の艱難辛苦を越えて、悟りを得た人格者が連想されるかな?
・・・でも、違うんだなぁ(笑)同輩の私から見ても、当たり前に隙はあるのさ。
心のままに生きてきたらコウナッタってな、自然体の見本みたいな人だったわね。

それは性的な環境にも及んでいて、SMも本当に自然な成り行きだったのだろう。
妻に首輪をかけて、共に暮らしてると事もなげに言った。ああ、納得だわよ(笑)
今の妻を見つけた時の直感で、前妻と親類縁者を説得して廻ったと言うんだヨ。
自分勝手な男と非難もされたろう。けど仕方ない。それが彼の星なんだもの(笑)

最後まで、互いのSMな履歴ややり方や考え方ってな話は殆どしなかったけど、
彼が、例えば私のように、如何にもSMっぽい行為をしていたとは考えづらい。
無理にカテゴライズすればDSで、けれど多分きっと、DS観なんてないのよぅ。
女を囲って、庇護して、君臨する。恐らくそれが全てで、とっても似合ってるワ。

それでも彼は言ったのね。Sの衣をたまには脱いでみたいって。似合わない(笑)
でも、そんな思いもあったんだろう。王様だって、時には玉座を降りたいわよね。

・・・・・。

私達が実際に対面したのは、初回の伝言を交わし合って、ひと月程経った後だ。
双方の都合でそうしたんだけど、その間に互いの願望の摺り合わせが出来たわ。
結論として、根本的なコミュニケーションの断絶に惹かれるところで一致した。
彼は、とても明晰な人だったのね。優れた分析力と構築力に舌を巻いたものよ。

でまぁ、初めて会ってみたら、雄ライオンみたいなオーラの男が来たじゃない?
うは、しくじったかなとも思ったんだけど、とにかく、初期の話を進めたのよ。
体も見たいと仰るから、それは私も同感ねと返して(笑)、ラブホに入って脱ぐ。
結局、セックスはしなかったんだけど、キスだのナンだの(笑)はしてみたよ。

実は私、SMに走って以降、Sと名乗る男性と関わるのは初めてだったのね(笑)
で、彼は服を脱がないワケ。ん?コレがS男性的なやり口なの?とか感心したり。
初対面で思い入れもないから、ドーシテモとも思わないし、放っといたんだけど。
だってさ、唾液の質と肌質と体臭程度が確認できれば、私としてはOKなのよ(笑)

とは言いつつ、こっちは裸になってるので、つまりはアレコレと愛撫して頂いて、
やっぱ、コイツはオス長だわぁと圧倒されながら、首尾良く絶頂したんだけども。

・・・・・。

さて、いよいよ実験の期日が迫る。平日の午後4時間程を工面する。充分でしょ。
互いの妄想の設定は違うけど、状況としてはほぼ同一なので、ストーリーはナシ。
ワクワクと支度。捨ててもいいスカート、ブラウス。もちろん、前ボタンだよ(笑)
彼から連絡。「破いてもいいストッキングも持ってきて」やる気満々だわね?(笑)

当日、彼の先導でラブホに入る。彼が部屋を選ぶ。彼が先に部屋に入る。うはー。
・・・何故、うはーか?だって、長いこと、こういう状況がなかったからさぁ(笑)
靴のまま部屋に上がりそうになって、独りでクツクツ笑ってしまったよ。あはは。
ややあって、先にシャワーを浴びて来てと言われる。またも驚く私。ソダワヨネ。

ダメダメ、集中するのよっ・・・私は、シャワーを浴びながら自分に言い聞かせる。
浴室を出ると、自分の服を片した彼が全裸でいた。入れ替わりにシャワーに立つ。
目にした彼の裸体は理想的に毛が薄い。うっふふ。いそいそと用意した服を着る。
やがて、バスタオルを巻いた彼が登場。ベッドへ寝て待っていて、と指示をする。

その後、バッグからビニールテープを取り出した。ア、コレ、ツカウンデスカ?
あまりに普通な口調で訊いたせいか、少し照れ臭そうに「ダメかな?」と言う彼。
「いえ、なるたけ痕を残さないで下さいネ」と彼に言い置いて、ベッドへ向かう。
そして横臥し、胸の上で手を組んで、死人となる。遂にヤルのね。興奮してくる。


2001年08月06日(月) オトナの実験 #1

コドモの頃、夜、布団の中で「死んだことにする」のが好きだったのね、私(笑)
ナンダソリャな遊びなんだけど、気持ちイイのよ。妙なワクワク感もあったし。
ま、未経験の事だから(笑)、自分に都合良く創り上げた「死」の感覚を楽しむの。
鼓動や呼吸が止まり硬直した自分を妄想すると、何か甘やかな感じがしたっけ。

この遊び、初めは「悲劇のヒロインごっこ」だったはずなんだ、幼稚だわねぇ(笑)
当時『赤いシリーズ』てなTVドラマが活況で、儚げな美少女が死ぬ筋ばっかで。
それに憧れて、当たり前に悲劇のヒロイン願望抱いて、劇的な死を夢想してたの。
ところが、死の妄想が余程気持ちよくて、次第にドラマ性が必要なくなったと・・・。

もっとも、「死人ごっこ」に他者を夢想する、気味の良さってのもあったんだ(笑)
私の「死んだフリ」は、死んでる自覚はあるんだけど、体の内側は生きてる感じで、
他者が、私を死体と認識してる意識もあるの。ややこしい説明だけど、解るかな?
幽体離脱ってのとも違うかもネ。んー、ま、これも経験がないから、判らないや。

思春期を過ぎて、いつしかこの遊びは忘れてたんだけど、ある日思い出したのよ。
それも、セックスしてる最中に(笑)・・・アレ?この感じって?って閃いたのね。
快感に身を任せて体や頭を空っぽにしてる感じが、「死んだフリ」によく似てた!
・・あ、コレ、ありがちな「もう死んじゃう〜」てな切羽詰まり方とは違うのよ(笑)

当時は行為にもだいぶ慣れて、刺激を充分に堪能する術が身に付いた頃だった。
意識的に脱力したり、体や自我を投げ飛ばすってなコツを、私なりに得てたのね。
その方法と、かつての遊びの相似に気付いたのよぅ・・・で、次に予感したのさ。
きっと、たぶん「死んだフリ」してセックスしたら、凄いことになるゾと。あはは。

さて、妄想が走る。死んだ私と私の死を認識した他者との行為に期待されるモノ。
一切のコミュニケーションが排除された、完璧にフィジカルな状態ってどんなダ?
己の気持ち良さを独り占め出来るのよ?!ブラボー!何て素敵な自分勝手だろう。
それも、「死」の必然でもって、堂々と排他的でいられるんだ。スゴイわ、感動!

・・・そうそう、私にとって、身勝手とか排他的ってのは、背徳の範疇なのね(笑)
ホラ、小物だからさ、私。人に気を使わないだけでドキドキ出来るのよ、えへへ。

・・・・・。

この思いつきを念頭に置いて、テレコミのSM伝言番組に相手募集の録音をした。
ただ「死」という直接的な言葉を用いるのが躊躇われて、人形のようにと表した。
いや、私的には、かなり違和感はあったんだけどさ。でも、怖かったんだよね(笑)
ほら、マジなネクロフィリア(屍姦趣味)の興味を惹きたくなかったってことさ。

結果、一般的なM女を求めるS男性からの応募が殆どだった。予想してたけど(笑
曰く「貴女は、自我を捨て、相手の思うがままになりたいんでしょう・・・」とかね。
うーん、そう判じた彼らの気持ちは分からなくはないが、やっぱ違うんだよね。
その中にあって、たったひとり、実に冴えた応答を寄越した男がいたの。驚いた。

「自分はネクロフィリアではありませんが」と前置きしてから語られる彼の性妄想。
時の流れが止まり、誰もが動けなくなった中で、自分だけは何故か動く事が出来、
機に乗じて、顔見知りだけど手を出せない女に、性的な行為を存分にしてみたい。
ただ、その最中はもちろん女は無反応で、時が再開しても、女に記憶は残らない。

この妄想、やはり子供の頃見たTVドラマ『時をかける少女』が端緒らしい(笑)

・・・・・。

この彼が、件の天然SなSF、その人だ。きっかけはこんな事だったのよ。あは。
そして私達は、互いの性妄想をマッチングさせる実験に及ぶことになったわけ。


2001年08月04日(土) SMな弊害

再々話題している天然S男なSFとは、ほぼ一年に亘り、週一の逢瀬を交わした。
会えばヤッた。いや、ヤル為に会った。割り切った関係ってこういうヤツ?(笑)
見栄もイイし、頭もイイ、お名刺も立派な好男子だが、私のタイプじゃないのよ。
ただ、肌のテクスチャは絶品だった。舐めて気持ちイイ肌質。これは重要なのダ。

舐めてイイ肌は、スリスリしても勿論イイ(笑)まさに肌が合うって感じ、YEAH !
唾液の質も合ったわね。実はアタシ、これがダメだと全部ダメなの。即中止(笑)
ツバの相性?と不審がられるかもしれないけど、私にとっては重大な事なのよぅ。
口臭とか体臭とかと同様に生理的なものなのね。受け付けらんないのは致命的。

余談になるけど、お初の男とムーディになって、キスした途端にわかっちゃって、
帰ると告げたら飯代返せと言われて、丁重に金を渡して車を降りた事がある(笑)
よく憶えてるわ、奴とのキスの瞬間は。この時の問題点は、唾の粘度にあったの。
何かね、ぬたーっとネバってたの。きぁーヤダヤダ・・・ま、こんな観点な訳(笑)

で、このSFとのまぐわいは、生き物として、そりゃあ純粋に気持ちヨカッタの。
即物的であるが故のピュア、言葉を弄しない潔さ、圧倒的な自然の摂理の実感。
こう、人智の及ばない雄大な創造物に、否応なく打ちのめされる感じってのかな。
とまぁ大袈裟だけど(笑)ホントの意味でしがらみのないセックスが出来てたよ。

以前にもセックスする友達は何人か居たんだけど、ここまで楽しめなかったなぁ。
やっぱ、純粋にセックスだけってのとは違うもの。友達づきあいの部分あるしね。
もっとも、当時は私も若くて、性的に未成熟だったって原因もあるとは思うよ。
30半ばって、体的にはいいタイミングなのかもね・・っと、今も成熟中だけどサ(笑)

・・・・・。

ま、何もかも上手くいってた訳じゃない。昨日記事したイラマチオもそうだけど。
互いが過ごしてるSMな暮らしが、癖が、逢瀬に影を落とすのよ。弱ったわ(笑)
ダカラS男性ッテキライダ・・・何度独りごちたことか!ヤッパ好キニナレナイワ。
きっと彼も同じ筈。キミは僕のタイプじゃないって、ハッキリ言われたもの(笑)

一方的に私のコマッタ点を挙げると。あ、まず過日記事の顔面騎乗も一つね(笑)
ヤッてる最中に「オレの女になれ」と言うこと。吃驚した(笑)適当に返したけど。
飲み物は自分の分しか用意しないこと。細かいけど、驚く。癖か人格か?んー謎。
ホテルへの道中、無言なこと。被虐心を煽られたわよぅ。ドナドナの牛気分(爆)

いや、彼の名誉の為に言っておくと、基本的には性質の良い人なのよ。雰囲気も。
だから、多分ご存じないんダと解釈した。彼の生活には必要ない分野なのよ(笑)
で、そこに私が不足を感じたところで、どうこう言う立場にないし、よかったの。
でもまぁ、吃驚したなと。世の中は広いなと。男も色々ねと・・・そういう事さ(笑)

同様に彼には何の落ち度もないんだけど、本当に深刻に困った事があったのね。
てのは、彼とイタシた後、家路につく道すがら、激しい頭痛に見舞われるのよぅ。
いや、頭痛じゃないな。幻聴かしら・・・男の悲鳴が脳内にこだまするの。うはー。
怖いでしょ?(笑)凄く強烈なS的欲求が沸き起こって、それに悩まされたのね。

当時はSMの相手がいなかったから、金出してでもヤリテーとマジに思った(笑)
家に辿り着いて、女友達に「ヤリタイィ」と連呼してると、どうにか納まったかな。
この心身の反応は、我ながら興味深かったわね。面白くて、色々考察してみたよ。
反動かな?とも思うし、彼のS気に当てられたかなとも思う。どうだったんだろ?

ま、後遺症に悩まされつつも、また数日経てば欲情してヤッてたんだけども(笑)

***

このSのSFとのきっかけ話はまた後日〜(焦らしてる訳じゃないですが、笑)


2001年08月03日(金) フェラチオ随想

昨日のレス記事で、フェラチオも好きこそものの上手ナリってなコメントしたが、
ドーシテモ好きになれない人とか、好きになりたくないってな人もいるだろう。
当然過ぎて誰も語らないが、フェラチオされるのが嫌いな男だっているはずだし、
更に言えば、フェラチオ自体が、ドーシテモ性行為に必要なものではないだろう。

ま、以上ひとまず先のコメントのフォローをしつつ、極私的話題に移ろう(笑)

・・・・・

はっきり言って、私はフェラチオするのが好きだ。M魚のちんこも咥えるよ(笑)
前にも書いたけど、口腔粘膜と咽頭のあるポイントが性感帯なの。お得でしょ?
唇から内側のあらゆる所を使う。上顎もべろの下の筋も使う。歯茎も使う。OK?
もちろん歯も使う。あ、別に痛くはしないよ(笑)大丈夫。ちゃんとやり方がある。

そう!やり方があるのだ。私もまた相手もキモチヨクなる、オリジナルなテクが。
じゃどんなテク?と訊かれて、ご教示しても、上手くいくとは限らない。当然だ。
私が自分の感覚に合うようにアレンジしたやり方だもの。誰しもそうだろうけど。
同様に、幾ら身につけた技があっても、相手によって多少修正する必要もあるし。

私の場合は、やり始めの割と早い段階で、一旦咽頭部に咥え込むことにしている。
喉を開閉する筋肉を使い、咽頭のある一点を刺激して高粘度の唾液を出す為だ。
舌根から出る、さらっとした唾液だけでは、その後の作業がしづらいのね(笑)
加えて、そのフェラ用唾液が出る一点ってのが、実は性感帯でもあるてな仕組み。

ところが、厄介な事に、この一点に近接した所に吐き戻しを誘うポイントがある。
ディープスロートしてて、おえっとなるのは、このツボを衝いてしまうせいだ。
ちゃんと刺激すれば確実に吐瀉出来るけど、マニアでなければやらないが吉(笑)
ただ、微妙な加減で大量の唾液と涙が出るので、ビミョーに活用してはいる(爆)

でもって、おえっのポイントの続きに、鼻腔へ通じる穴もあり、これも侮れない。
気を抜くと、出した唾液が鼻の方へ逆流して、痛いわ、咽せるわ、酷い事になる。
が、ここで問題になるのは、口が塞がれてるので鼻呼吸は免れないって状況だ。
どうするか?・・・ま、適当に息継ぎをしてるってのが実態。仕方ないじゃんね(笑)

・・・・・。

とまぁ、上記のような諸事情から、フェラは完全に私が主導してヤりたい行為だ。
いくら私でも(笑)、ノーマルセックスでは、受動の立場を楽しんでいるのだけど、
だからって、イラマチオ(註)だけはご免蒙りたい。好きにさせてくれと切望する。
やってることは同じに見えるかもしれないが、それとこれとは大違いなんだよね。

私のやり方を無視されて、ちんこをストロークされると調子が狂って嫌だぁー!
いくら口腔が性感帯でも、当たる圧力や擦り方に好みがあるのよぅ。じれったい!
むやみに咽頭に突っ込まれると、ポイントの調整や筋肉の収縮が出来ないよう!
無秩序に唾液や涙や鼻水誘発されて、呼吸もままならず咽せるのは苦しいよう!

イラマチオの最中は、口が塞がってて苦情を訴えられないので、列挙してみたが、
ま、そういう物理的な問題もさりながら、一番問題なのは、やはし気持ちなのだ。
はっきり言おう。醒めるのだ。エロ萌えが萎える。雑念が湧いてしまう。んー。
要は、口に突っ込まれていながら、気持ちが突っ込んでる側に行っちゃうんだね。

女の口がただの穴となり、そこを欲望の捌け口としてちんこを突っ込むエロ。
涙を流し、鼻水を垂らしながら、己がちんこに犯される女の切羽詰まった風情。
犯されてはやがて咽せて、苦しさに息も絶え絶えに許しを請う女の無防備、哀れ。
・・・そりゃ、萌えるでしょね。くっそーっ、奴はコレで興奮してんのよぅぅ〜

これは、天然S男性とヤッてた頃に再々に感じてた事だ。我ながら笑ったけどさ。
そこで提言、口で気持ちよくして貰いたければ、男はマグロに徹すべしっ。以上。

***

註)男性主導の口腔性交。


2001年08月02日(木) トランス


全てが終わった時。
男は立ち上がることすら、出来ませんでした。
四肢の自由を奪った縄が解かれても、なお床に這うしかないのです。

その皮膚に喰らい付き、醜く肉を歪めていた縄目が、
今や、くっきりと赤く浮かび上がっています。
背中を覆い尽くすように垂らされた蝋は、既に冷えて固まり、
あちこちでひび割れ、剥がれた欠片が零れ落ちます。
その欠け落ちた隙間から、幾筋もの鞭の痕がのぞき、
赤黒い斑紋を作って、時間の経過を物語ります。
その髪は乱れ、その口を割っていた布切れが、
ボロのように首に絡み付いています。

そして、
男の身体のあらゆる部分は、あらゆる体液にまみれています。
男が流した汗、涎、鼻水、涙、精液・・・それから、
私の中から迸った物。唾、おしっこ、愛液・・・。
その互いの体液の水溜まりの中に、私もまた、
全身を脱力感に襲われながら、立ち尽くすのでした。



騒がしい戸外から、無音室に入り込んだような、
恐ろしく圧倒的な静寂が、その場を支配していきました。
互いの息使いだけが、段々と緩やかになっていくのが感じられます。

と、その時、男の濡れた身体が少し音を立てました。
たった今まで、何が行われていたのか・・・その残酷な結果が、
床の上を這いずって、私の方へ近寄ろうとしています。
首をもたげる力もなく、男の目に映る私の全ては、
彼の身体と同じく汚れにまみれた、足先です。

それは、ずっと触れたかった、私の身体の一部分。しかし。
責め苛まれて、触れることはおろか、見つめることもままならず。
ある時は凶器に姿を変えて、その望みを裏切り続けた、尊き神体。

やがて、私の足先に、男の熱い息が掛かり、
その唇が触れた瞬間、私の中に震えが起こり、呆然とします。
男もまた、漸く辿り着いた達成感と安堵に朦朧となり、
緩慢な口づけを繰り替えすばかりです。



突如、私達は、言いしれぬ浮遊感に見舞われます。
そして、閃きのままに確信するのです。


『 私達は今つながった・・・!』


互いの心の中に、何かを称えるような悦びが溢れ、
清らかな水に洗われるような、静かで安らかなものが満ちてきました。
白く発光するような気体に包み込まれて、確かに美しい音楽を聞きました。

そうして、私達は、互いの体に触れることなく、
しかし、魂が抱擁しあうような、まごうことない一体感の中で、
ゆるやかに停止した、恍惚の時を過ごすのでした。


2001年08月01日(水) エッチの師匠たち

誰だって、初めてのことや知らないことに長けてるはずもなく。
教わって、学習して、反復して、少しずつ上手になっていくんだね。
今あるエロなアタシにも、当然ウブイ頃があった訳。成長したね、偉いねぇ(笑)
でもでも、もっと偉いのは、アタシに教えてくれた師匠たち。感謝してます。

・・・・・

『サイトーさん』

彼とは例によって(笑)テレクラで知り合った。自称33才。私が24の時だ。
長い付き合いの中で判ったんだけど、当時は年齢些少してたらしい。笑ったね。
本当は一回り以上違う。ま、でも相応に若く見えたのよ。今でも年齢不詳な人だ。
彼が暮らすコンクリ打ちっ放しの部屋で、セックスをした。薔薇が飾られてた。

腹の上で挿入したまま動かない彼に、セックスビギナーな私は不安に駆られた。
ドウシヨウ?・・・焦って、ぎこちなくも腰を揺すろうとする私を制して、彼が言う。
「こやって、繋がったまま話するのも楽しいでしょ?」たちまち心が安らいでく。
そして驚く。入れられたまま、お喋りしてイイんだ!それはずっと疑問だった事。

初体験の以前から、女はセックスの最中、特に入れられたら喘ぐものと思ってた。
だから、初体験以降、男の腹の下で、喘がなくちゃと思って、懸命にそうした。
純粋に快感に喘ぐ時間より、義務に感じて喘ぐ時間の方が、余程多かったんだ。
そのせいで、セックスが終わると声が枯れてた。真面目に責務を全うしたの(笑)

「そんなことあるわけないじゃん?」とサイトーさんが言った。ソデスヨネ・・?
「気持ちイイから、声が出るんでしょ?」とも言った。そして、彼は少し動く。
どう?と訊かれたので、人の言葉で説明した。もう無理しなくていいんだもん。
答えて彼は、私の中の感触と彼の感覚を教えてくれた。尊重してくれてる実感。

時折、他愛ない話も交わしながら、私はリラックスして体の感覚を追ってった。
それまでは、喘ぐのに一生懸命で、余裕を持って感じることが出来なかったのね。
少しずつだけど着実に、中心から快感が拡がるのがわかる。その新鮮さ。感動。
やがて自然と声が出始めて、彼が動きを速めて、気持ちがスッとして終わった。

・・・実は、この当時はまだオーガズムの得方を知らなかったのね。だから。
オーガズム獲得に成功したのは、別の男とだったんだけど、確かな記憶がない。
クリトリスでイケた自慰の瞬間は憶えてるのに・・・薄情な女だわ、私って(笑)
でも、サイトーさんとのやり取りは、それら以上に重大なエポックだったのね。

ああ、フェラチオの仕方を教わったのも、彼からだ。殆どの技を仕入れたね(笑)
合体しての対話と同じに、言葉をやり取りしながら、学習が出来て嬉しかった。
ただね、あの当時、私が初体験から数ヶ月しか経ってないことは言わなかったの。
それって凄く恥ずかしくて、少しは経験あるフリしてた。気付いてたかなぁ・・?


『沖田ゆかり』

代々木忠監督のAVに出てた女優。もちろん面識はないが、彼女も師匠だね(笑)
以前記事にした、私に浣腸した彼が見せてくれたんだ。面白かったし、驚いたよ。
いっぺんで彼女の大ファンになった。お手本にしたい位に惚れ込んだ。感動した。
女の私が、彼女のどこに惹かれたか?・・・容姿やエロ技ではないんだ、コレが。

それは、彼女がセックスの最中に、男に注文し続けること。喋りまくること(!)
「あぁん・・・ちがぁう、そこじゃなぁい」「そこそこ、もっとぉ・・・」
もっと具体的に、ああしてこうしてと催促してたぞ(笑)その奔放さ。自由な感じ。
コレダァ!と私はまたも意を得たのね。的はずれな刺激はエナジーの無駄よぅ〜

てな訳で、私は「注文の多い女」になった・・・これが後のSMに繋がるんだ(笑)
思い込みは捨てろと奴隷を叱りつつ、今も私は思い通りの快感を得てる、うふふ。


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