雑感
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2003年11月21日(金) 三種の神器

昨日、学生時代の友人が来墺した。
長く長く会っていなかったけれど、顔を見たとたん、
お互いに変わってないなあと第一声。

彼女たちは第一線で働いているキャリアウーマンだなと
思った。話し方や物事の手際のよさから、それがうかがえる。

おみやげにショッピングバッグにいっぱいの色とりどりの
紙包みをもらった。開くのに時間がかかるくらい。
その中に、油取り紙、エレガード、クレラップが入って
いた。以前、こちらで手に入りにくいものは何?とそれと
なく聞いてくれたのを思い出した。
彼女たちのさりげない心配りに胸が熱くなった。

上の3つのうち、ラップは売っているけれど品質が悪い。
上手く切れないし、ラップが薄いのでぴったりと密封する
のがむずかしい。
油取り紙とエレガードは売っていない。お化粧直しをあまり
しないのかな。
静電気スプレーが必要なほど、年中乾燥しているお国柄なの
であれば便利だろうと思うけれど、加湿器で対処している。

何事もあるもので対処してきたが、この3つがあるとないと
ではずいぶん違う。

友人に感謝。


2003年11月20日(木) 知識は武器

職場の清掃をしてくれるシルビアが泣いていた。
同僚と話しているのが聞こえてくる。
なんでも、アパートを購入する契約書にうっかりとサイン
して、キャンセルするにあたり何パーセントかの手数料を
払わないといけないらしい。

同僚が消費者保護センターか、不動産賃貸組合かに
相談しようと慰めている。
シルビアはボスニア・ヘルツゴビナ出身の難民で苦節10
年で、オーストリア国籍を取得し、先月自分の城をもった
ばかりだった。
彼女はドイツ語をしゃべるけれど、読み書きがまだまだ。
そういう状態で一人で不動産業者と関わったので、業者の
いいようにされてしまったのだろう。
うっかりと売買契約書にサインしたようだ。

私も含めて、外国人が不慣れな言葉で外国に住むと、ある
程度の知識武装(この場合語学力、サインすることの意味を
理解していること)をしていなければ、格好の餌食に
なってしまう。

サインを求められた場合の時間の稼ぎ方、信用できない人
への身分証明の求め方、ちょっとした機転がきかないと大切な
お金を失ってしまう。

出稼ぎ外国人は大変だと自覚する昨今だなあ。


2003年11月17日(月) ハーフマラソン

プラターのハーフマラソンに参加。
とりあえずは、目標タイムに近いペースを維持できたので
及第点かな。2分タイムを縮小できたのはよかった。

最後の5キロはちょっと辛かった。かなりのペースダウンか
と思って時計を見ると、それほどの落ち込みではなかった
ので、また元気が出る。折り返しで出会うランナーは私より
も3キロも4キロも先を行っている。すれ違う顔を見ている
と、みんなぎりぎりのペースで頑張っているのがわかる。
速いランナーも遅いランナーも、それぞれのしんどさは
同じで我慢している。そういう姿を見ると、もうちょっと
踏ん張れるという気になる。

ゴールしてタイムを確認して、自己ベストが出たのを
一瞬喜べば、それはもう過去の戦績で、今後に引きずること
はない。
自己ベストが出たら次も、体調が悪くても同じように走れる
のは不思議だ。少しづつ成長しているのだろう。

コーチに報告したら、冬場はそんなにレースに出なくていい
よと言われた。はまりすぎると走るのが嫌いになるよって・・
マラソンを始めて、熱心に走っている人が途中で止めてしまった
のをわりと見てきたように思う。
私は3年になるけれど、それほど一筋ではない。だからタイム
も伸びなかった。その分故障もしなかったけど・・
つかず離れずの態度で臨んでいるので長持ちしているのかな。


2003年11月04日(火) 電話

電話と携帯が鳴る音に慣れていないので、突然リーンと
大きな音がするとどきどきする。
業務上では、かるた取りなみのスピードで受話器を
とって応対するけれど、家ではなるべく静かに過ごしたい
ので、掛かって来るであろう電話以外は取らないこともある。
(携帯はマナーモードなので外にいるときはまず気がつかない)

今日も、かかってこないはずの時間に黒い電話機が叫んだ。
ハローか、もしもしかどっちにしようかと決めかねているうち
に、なつかしい声が聞こえた。
今はイギリスのヨークに仕事で来ているらしい。
とりあえず元気そうなのでよかった。こちらから掛けるほどの
用事もないので長いこと声を聞いていなかったから。

受話器を握ったついでに、実家の番号を回してみた。
母は今起きたばかりという声で、御堂筋のパレードで
ずぶ濡れになったことや、土曜日ごとにお菓子屋目当てで
やってくる孫娘のきらきらした目つきのことなどを嬉しそう
に話す。

普段はメールのやりとりに慣れているせいか、耳にやさしく
響く声は、ありきたりの日常を生きるものにはやわらかな、
甘ずっぱい野苺のケーキをほおばったような感じがした。


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