道院長の書きたい放題

2006年01月24日(火) ◆ホリエモン=堀江氏逮捕に思う

■ホリエモンこと堀江貴文氏の逮捕を受け、マスメディア=有識者からこぞって批判の声が上がりました。その中で、今朝の読売新聞に掲載された記事が一番、目に留まりましたので、記録しておきます。

『藤原正彦・お茶の水女子大学教授(数学者、「国家の品格」の著者)
 
 称賛してきた風潮に問題

 今回の逮捕は実は全く本質的な問題ではない。一番の問題は、これを国民が支持し、時代の旗手として賞賛し、羨望してきた風潮にある。アメリカ式の市場経済原理下では、1割の勝ち馬と9割の負け馬しか存在しえない。だから、あらゆる局面で勝ち馬に乗るために汲々とする血も涙ない社会になってしまった。これこそが最大の問題だ。堀江氏は、この市場原理主義の申し子であり、彼が逮捕されてもされなくても、同じような人物は今後、何十万も出てくるだろう。

 日本は金銭至上主義から最も遠い文化を持っているはずなのに、本来の価値観、行動原理が損なわれている。だれも幸せにしない市場原理主義は、経済だけでなく日本人の心を腐敗させ、沈没させる。』

■私は、堀江氏の件、及び上の記事が非常に武道と少林寺拳法の抱える問題と重なって映ります。

まず武道として、競技偏重となった勝負至上主義の問題。オリンピック種目の柔道では、だから柔道ルネッサンス=反省が起きています。

少林寺拳法としては、我々の在り方をくれぐれも大切にしなければならない、という教訓に受け止められましょう。

■昨年の大晦日、総合格闘技種目・プライド、打撃種目・K1がゲップが出るほど放映されました。しかしこれは興業であり、武道とは一線を画すべきものなのに、何か境が分からなくなっている風潮を懸念します。

「勝てば良い」「強ければ良い」。目標達成の為に手段を選ばない、他を認めない。

この少林寺拳法ともっとも遠い文化=考え方に侵食を受けないよう、注意したいです。時代を担う拳士には、是非正しい少林寺拳法を伝えて行って下さい。


////////////////////////////////////


↓関連する掲示板の書き込みを転写しておきます。


大切な指針 投稿者:あつみ♂ 投稿日: 1月18日(水)12時33分2秒

◇日本に拝金主義を広めた人は誰でしょう…。

それは、お金や物は無いよりはあった方が不自由さはありません。しかし、人を騙したり、悪事を働いてまで手に入れるものでは無いことは、子供でも知っています、よね…。

◇◇拝金主義と勝負至上主義に共通点を感じます。

「結局は金が無きゃ!」と「結局は勝たなきゃ!」。目的達成の為には手段を選びません。その果てに、方やは、法律スレスレを超えて悪事の領域に踏み込んでしまい、方やは、ドーピングの使用など、反則はオリンピックにつきものとなりました。

個人的に、日本では、学校教育における競技スポーツ=勝負至上主義が暴力問題を抱えていることに憂慮しています。

◇◇◇利潤を追求するにせよ、勝ちを求めるにせよ、今の日本には国家的な哲学が欠如しているようです。

開祖が唱えられた、「半は我が身の幸せを、半は他人/ヒトの幸せを」という生き方は、とても大切な哲学である、と考えます。


 < 過去  INDEX  未来 >


あつみ [MAIL]