岸部・・・?

目次前の日次の日


2005年07月17日(日) プロファイル 〜完全に掌握されとる〜

19かはたちのある一時期、先輩・友人とともに「イタダキ団」を結成し、夜な夜なその活動に勤しんでいた。イタダキ団の主な活動内容は、友人知人の家に押しかけ、「なんかいらんもんちょーだい」と言っては、所有者が少々嫌がっているものでも、メンバー全員による説得等、半ば強引にめぼしいものを戴くというもの。イタダキ団は、コードネーム:「タヌキ」を中心に、主にバイトの帰りおよびその後活動。タヌキ以外のメンバーは、日によってまちまちだったが、主にコードネーム:「コアラ」、「ピエロ」、そしておれ。夜中に数人で押しかけてきて家宅捜索、あちこちから「これもらっていい?」などという理不尽な申し入れに、親切で家にあげた本人はもう来んなと叫ぶことになる。

ターゲットは全員が知り合いの一人暮らしの男に絞られており、数が知れていたので、次どこ行く?って時に、メンバー同士、次はうちじゃないかという警戒心と同時に、そうはさせん!絶対にうちには入れん!という強い反発をうちに秘めていた。一度メンバー内に被害が及べば泥沼の内戦となることは明白なので、誰一人として決して口に出すことはなかった。そんな、イタダキ団。

その日のターゲットはバーヤン。バーヤンはその昔、電撃ネットワークのインストアライブにのこのこ出かけ、電撃ネットワークが目から牛乳を出しながら「悪魔退治」などと言って客席に入り、客の中から悪魔とおぼしき人物を探し出して退治していた際、その聖なる牛乳をかけられていた張本人だ。

その日のイタダキ団メンバーは前述の4名。コアラとバーヤンは同い年の親友だった。バーヤンの今の状況をコアラが電話で聞くと、家で一人でテレビを見てたということだったので、今から行っていいかというと絶対にダメだということだった。行っていい?ダメ。いい?ダメ。を数回繰り返したあと、電話を切って、バーヤンの住むマンションに向かった。

目的地付近に着いたとき、バーヤンを発見、コンビニに入っていった。ここから、リーダー・タヌキ(一番年上、当時23、4)のプロファイル能力が輝きを見せることとなる。


タヌキ「あいつ、コンビニで30分以上立ち読みするタイプと思うんよね。」


だとしたら、当分ヒマになる。しかし、どうしようか、との合間を挟むことなくタヌキは言った。


タヌキ「あいつ、コンビニとかは鍵かけんで出かけるタイプと思うんよね。」


勝手にあがり込んで帰りを待とう、ということになったが、秘密主義のバーヤンの部屋は、親友のコアラさえ知らなかった。とりあえずマンションの入り口まで行ってみると、そこには全戸数およそ5〜60軒分のポスト。しかし、タヌキは焦らない。


タヌキ「あいつ、郵便物を何ヶ月も溜め込むタイプと思うんよね。」


郵便物が溢れているポストは301と602の二つ。一つめの301へ向かった。ドアの横にバーヤン愛用のバイク、モンキーがあった。タヌキの言った通りドアに鍵はかかってなかった。メンバーは散らかった部屋の中を、帰ってきたら「これちょーだい」って言うためにざっと目を通していた。タヌキなどは、もうすでにこの部屋で見付けたバイク用のゴーグルを頭に巻いている。その時、一人が奇妙な声をあげた。


ピエロ「うわ!なんこれっ!」


若い女の裸が写ったポラロイドだった。気が付けば辺り一面に、女の各部位を写したポラロイドが20枚ぐらいあった。動揺を隠せないメンバー。続けてピンクローターが出てきた。みんな、湧き出る好奇心を抑えられず、ポラロイド見たり振動部を触らないよう気をつけながらピンクローター見たりポラロイド見たりした。ポラロイドには、当のピンクローターを活用している女の写真もあった。・・・・・バーヤン。


ピエロ「これ、家におったらやばくない?」

おれ「やばい。でも、さっきの電話と部屋の雰囲気でおれらが来たってバレバレ。」

タヌキ「ここは、親友のコアラに決めてもらおう。」

コアラ「・・・帰りましょう!」


帰り際、何故か全員一致で「ドアの前にバーヤンの愛車モンキーを立てかけ、ドアを開けにくいようにする」という謎の犯行声明を残すことになり、その小さな二輪をドアに立てかけた。よし、これでドアは開けにくいはずだ。おれがそう言ったとき、タヌキはまだゴーグルを頭に巻いていた。帰り道、なんともいえない空気が漂う車内に、バーヤンからコアラへ電話が。


バーヤン「コアラ達、うちに入った?」

コアラ「いや、行ってないよ。なんで?」

バーヤン「ほんとに?ほんとに来てない?・・・いや、ならいいよ。」


コメント

目次前の日次の日