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■ “いつか”星の降る場所で
蜜色人形の続編、「星降」をアップしました。 この1ヶ月間、ずっと沈黙してたのはこれを書いていたからです。いつものように1話ずつ更新するのではなく、ここは一気に書いてしまいたかった。 すなわち、皆様にも一気に止まらず読んでいただきたいと思ったのです。
以下からネタバレなことを喋るので、小説未読の方はお避けください。
蜜色が終わった時点で、この続編を書くことを躊躇したのは、実はわけがあります。 最初から“別れ”を前提に書き始めたのが蜜色で、最後に少しだけ希望を残した締めくくり方で、一旦物語を完結させたかったんです。 ずっと別れたままでも、再会したとしても、どちらの場合にも宗にはたったひとりで立っていられる強さを身につけて欲しかったので。 だからやっぱり、再会編を書くにしても、基本は“ひとり”というのが絶対でした。
宗には宗の、響には響の世界を確立した上で、4年後に出会う……その意味を突き詰めて考えてみれば、ちっとも幸せな姿なんて想像できなくって。それなのに恋心だけは生きてる……まるでお互いを傷つけ合う凶器のような。
私が星降で書きたかったのは、お互いを理解できなくなった大人同士の、プラトニックな愛です。 それぞれに大切なものを抱えてしまったがゆえに、純粋に惹かれ合うことができなくなった苦悩とか。 なにもかも捨ててまで一緒にいたいと、心の底では願いながら、実際に行動へ移すことができない臆病さとか。
……ただすんなりラブラブになるんじゃ、嘘っぽいから。そういうところを少しでも感じ取って頂けたならいいのですが。
めずらしく悲恋っぽいので、どんな反応が来るか少しびびってます。 後書きにそう書けばいいんでしょうが、小説の雰囲気が崩れるのがやなのでここで精々喋っときます。 でも決して後ろ向きな話にはしなかったつもりです。 宗には、常に前を前を向いていて欲しいですから。
2005年03月24日(木)
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