冬に咲く、赤い花。

冬椿、完結です。
最後までおつき合いくださり、どうもありがとうございました。

この連載中は、色んなことがありました。
自分自身が学校を卒業したり、サイトも10万ヒットを達成しましたし。
身辺はなにかと騒がしかったのですが、ゆっくりじっくり作品づくりに没頭できた2ヶ月半でした。


前作の夏空では、大胆に情熱的に恋をした譲。
それが冬椿の最初では、あんなに消極的になっていました。
凍ってしまった譲の心を溶かすのに苦労した広次と同じように、私もまた譲をどうやって動かそうかと悩みました。
譲には、急激な変化は望めない。
だったら、まるで雪がしんしんと降り積もるような速度で、ゆっくりゆっくり進んでゆくしかないと思いました。

芯は強いのに、自分の事となると弱い譲。
一歩を踏み出す勇気が出ず、苦しみを心の中で殺してゆく。
それでも、やっぱり耐えられなくなる。
その不安に押しつぶされそうになるとき、譲は決まって広次を求めた。
そんな状況から、譲にはどうしても自分の力で脱して欲しかった。
目の前にある幸せを逃すんじゃなくて、見つけて欲しかった。

冬椿にはドラマチックな展開はなく、淡々と進んでいったお話でした。
それでも、心にほんわかと温かい、冬にだけ感じられる温もりみたいなものをイメージしていただければ……いいかなぁと。
私の拙い描写でどれだけのものが伝わっているのか心配ではありますが、譲の成長した姿に希望を持って見てもらえるといいなと思います。


この2人には、まだストックしてるエピソードなどもありますし、いずれ短編なども書いてみたいなぁと思ってます。
明るくてほのぼのとしたやつを!

私の大好きなふたりです。
これからも色んな場所で活躍させてあげたいです。


2002年05月26日(日)
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