◇◆◇◆麦の穂が、健やかに育ち始めた。その光景に、自分の少年期を重ねた。コレットの「青い麦」やツルゲーネフの「はつ恋」を想起させる歌だが、ここにはまだそのような暗く辛い恋の意識はない。十一歳、という年齢が素直な素朴な少年をイメージさせる。668