◇日記◇
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『雅』から。
水は流れ続け、陽はとどまり続ける。
陽は水の流れのある一点を照らし続ける。
水の流れの方が陽のかたむく速度より早い。
だが、秋の陽はつるべ落としと言う。
作者はしばらくじっととどまって、水の流れを見ていたのだろう。
水の流れといっても、池に流れ込んだ細い水流がまた池から出る、
優しい小さな流れだろうか。
水の流れをみていると、だんだんと秋の陽ざしが照らす場が変わっていく。
水の流れの先へ先へ、と陽ざしが移る。
そして、池に泳いでいる鯉も、その流れに従ってまるで陽ざしを追っている
かのように、泳いでいく。
陽ざしも水も形がない。そこにあるだけ。
瞬間瞬間、その場に在り、次の瞬間にはもう姿を変えている。
同じ水と陽ざしは二度と来ない。
その中を、鯉だけが、ゆっくりと尾びれを動かして自身の
意志で泳いでいく。
まるでこの秋を楽しむかのように
(楽しんでいるのは作者だが)。
透きとおる水と、もう暑くはない少し遠い陽の光。
作者は、一瞬のなかに永遠を見たのかもしれない。
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