A Thousand Blessings
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2007年07月24日(火) 編集CDR 【 春風〜くるりの世界 】





 
くるりというより、くるくるぱーだったころのおれ





くるりの岸田繁はロマンチストである。
それはもう悲しいくらいのロマンチストぶりで、
同じ資質を持っているであろう僕としては、聴いていて
時々心の奥の粘膜がヒリヒリ痛む。
それでも、その≪痛み≫を確かめたくて、岸田繁の世界に何度でも入っていく。


そんな≪痛み≫を体感させてくれるアーチストはほとんどいない。
他には、スガシカオと桜井和寿、曽我部恵一に御大の桑田佳祐くらいか。
でも「常に」という風に限定すれば、岸田繁とスガシカオだけかもしれない。
もちろん≪痛み≫の裏側には≪快感≫も潜んでいるのだが。


くるりをはじめて意識したのは7年前。
アルバム『図鑑』に収録された「街」を聴いた時だ。
その声、そのサウンドに一気に引き寄せられていくその先で
岸田繁の詞の世界に出会った。



     夕暮れのスーパーマーケットの前で吸うタバコや
     それを見て微笑む愛する君のまなざしも
     青すぎる空を飛び交うミサイルがここからは見えない

                    「街」より


 
このロマンチシズム、あるいはセンチメンタリズムに溺れてよいものか?と
迷いもしたが、その答えを出す前に溺れていた。
以後、岸田繁の世界に深く潜行していくことになる。
彼は日本有数のメロディーメイカーであり、音の収集家でもある。
ある種の音楽オタクと言ってもよいかもしれない。
彼が視線を向けたその先にある音のカタチを
僕らがすべて同じように自分の耳でとらえるためには
それなりの知識と経験が必要かもしれないが、
それでも、まずは歪にポップで、豊かな情感あふれるメロディ・ラインに
身を委ねながら、彼の詞の世界を味わってみよう。


CDRのタイトルはすぐに決まった。
くるりのベストパフォーマンスであり、岸田繁の最高傑作である
「春風」(2000年にシングルのみでリリース)から取らせてもらった。




    揺るがない幸せが、ただ欲しいのです
    僕はあなたにそっと言います
    言葉をひとつ、ひとつ探して
    花の名前をひとつ覚えてあなたに教えるんです

    気づいたら雨が降ってどこかへ消えてゆき
    手を握り確かめあったら
    眠ってる間くちづけをして、少しだけ灯をともすんです

    シロツメ草で編んだネックレスを
    解けないように
    溶けてなくなった氷のように花の名前をひとつ忘れて
    あなたを抱くのです

    遠く汽車の窓辺からは春風も見えるでしょう
    ここで涙が出ないのも幸せのひとつなんです
    ほらまた雨が降りそうです

    帰り道バスはなぜか動かなくなってしまいました
    傘を探して、あなたを探して
    遠く汽車の窓辺からは春風も見えるでしょう


                「春風」より


  

くるりとスガシカオ。
今の僕にとって最も大切な音楽。

このCDRもあなたに捧げよう。
選曲はマニアックになりすぎず、さりとて表層を撫でるだけではなく。

切ないけれど悲しくはない、思いをこめて。
二人の間に音楽があることに感謝しながら、僕はいつものように微笑むよ。


 




オリジナル編集CDR  【 春風 〜くるりの世界〜 】


1 別れ
2 飴色の部屋
3 ばらの花
4 春風
5 BIRTHDAY
6 東京
7 ハイウェイ
8 花火
9 街
10 ロックンロール
11 ワンダーフォーゲル
12 虹
13 BABY 機。味錬孱邸。截錬奸   
14 HOW TO GO
15 THANK YOU MY GIRL
16 水中モーター (2004年ライブ)
17 グッドモーニング
 


響 一朗

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