菊蔵(♀)日記
菊蔵



 タビダチ

いつでも見切り発車を恐れ
旅の支度を整えるがごとく、自分を繕い、飾り

カバンの中には
いつまでたっても自分には馴染まない物ばかり
なのにいつもカバンは満杯。

電車は、
またゆっくり走りだす
目的と強い意志とプライドのある者だけ乗せて。

追いかけもせず、作り笑い

言葉を交わすことない他人と同じ電車を待つことは
運命共同体のようでいて、
じつはからっぽの時を過ごしていることを知る。

座るべきベンチなんてどこにもないことを知っている私は
また少し微笑むことで、立っていられる。

いつからか、微笑みは孤独とさえ手をつないで
安らぎや喜び、心地よく脱力した時のしぐさは
一体全体どれなんだろう?
私の楽しい仕草を取り戻さなくちゃ!
持っていなかったのならば、手に入れて育てればいい。

そのためにまた、恋をしよう。

2003年12月03日(水)
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