徒然駄文
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2005年04月28日(木) 連休ですね

 暖かくなり、花は咲きツバメたちは元気よくさえずりとても気持ちの良い日々が続いているのですが、日常をいきなり断ち切られる方々がたくさん。どうにもやりきれない思いでいっぱいです。いつもと同じ日常が、いきなり何の前触れもなく断ち切られる。ああ、なんて酷いことなんだろう、なんて辛いことなんだろう、とは思うのですが、それでも関係者以外にとっての日々は変わりなく過ぎていくわけです。私がある日突然になくなっても私の周囲が混乱するだけで、見知らぬ人々は皆朝ご飯を食べて学校に行くなり仕事に行くなり、風は吹くし雨は降るし陽は差すし。何も変わりはないわけです。不思議な気もするし、当たり前なことでもあるし。
 花々を見ていると同じ様なことをよく思う。虫を見ていても思うかな。たくさんの花が咲いているけど、一つ一つの花は違う。株も違う。でも一つが咲き終えて枯れてもなにも変わらない。タネを付けることができればいいけど(それは次代の命に繋がっていく)、タネを実らせることができず枯れる花のなんと多いこと。咲いた時期が早すぎたり遅すぎたり、折悪しく天候が悪すぎたり。それでも花は咲く。不思議だなあ、と。
 蚊をぱちんと叩いて殺したあと、手に残ったかの死骸を眺めながらも同じ事をよく思いますねえ。人間と虫や花は違うじゃんか、という話になるわけですが、生物の種(しゅ)として長い長いスパンで見れば同じなのかも。

 で、ふと、山田正紀の「終末曲面」なんかを思い出すわけです。読んだのはもう随分昔で、本が手元にない。内容もまるっきり忘れているんですが、上記のようなことを思う度に頭の中に「終末曲面」という言葉が浮かぶんですよ。きっと何か関係のある話だったんだろう。とても面白く読んだ、という記憶しか残っていないんですが、もう一度読みたいなあ。でも、あの文庫は絶版になっているようですね。

 何はともあれ明日からは大型連休。亡くなられた方々には申し訳ないのだが、ご冥福を祈りつつ私は連休という日常を過ごします。私にも「その時」はいつかはやってくる。「その時」にも人々は何ら変わりなく日常を過ごし続けるのだろう、と思いながら。


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