| 2006年10月01日(日) |
「アンダーワールド2〜エボリューション」 |
一応1を見たしってことで、DVDを知人より借りたので、見ることに。
自分の家族を殺した真犯人を知り、ライカンとバンパイアの両種族から追われる身となったセリーン(ケイト・ベッキンセール)と、マイケル(スコット・スピードマン)の逃避行にからめ、両種族の始まりとも言える、ウィリアム(ライカンの祖)とマーカス(バンパイアの祖)、そしてその二人の親であるアレクサンデル(不死の祖)の謎を解き明かすお話。
・・・とでも言えばいいのだろうか。
一言で言ってしまえば、「世界観が命」の話。 世界観と、そのイメージの美しさはいいんだけど、ストーリーとかキャラクターとかがイマイチ。映像も、すごく綺麗なんだけど、でもそれだけというか、綺麗だけどはまるほどのものではないのが、非常に残念。
なんなんでしょうなぁ、これでキャラが生きてたり、もしくはストーリーがよければ、ワシは絶対にハマっていただろうし、世の中に強烈なマニアが生まれてもおかしく無いだけの「細かい芸」が生きている作品ではあると思うの。 なんといっても、今回もアレクサンデルの衣装とか、ライティングとかが絶妙で、スタッフのこだわりとかも随所に感じられるのです。
でもでもでも、いかんせん「面白くない」。
世の中には作りがB級でも、わけのわからんパワーとかでとんでもない魅力を放つものがあったりするのに、この作品はそういう点では、金もかかってるだろうし、小道具大道具を含めてA級の要素があるのに、作品としての魅力に欠けるのです。う〜〜ん、もったいない。
アクションも、前回よりはスムーズな流れになったと思うし、ワイヤーっぽさは前回より薄れた気はするの。でも、意味の無いこととか理解不可能なことが多すぎて、単に「取りたかった映像を出すために、お話をつなげた感」がぬぐえないのね。
だってさ、正直、あのベッドシーンは無意味でしょ(^^;)。
たとえばあれで、マイケルが死んでセリーンが身ごもったとかになれば、
「あ、なるほど」
となるけど、不死のはずの人があっさり死んじゃったり、死んだと思ったマイケルがあっさり生き返ったりしたら、
「え?じゃああれは、やりたかっただけ・・・??」
となるわけで。マイケルの強さの度合いも「どのくらい?」って感じだしさ。しかも、このベッドシーンも綺麗なだけで、全然そこからなにかが伝わってくる感じがしないのね。
バンパイア族の登場シーンの減少により耽美度も下がり、そういう意味での綺麗さも減少。
なんというか、映像美のポイントが「単に綺麗な絵」のようなものなんだよね。なんというか、ノイズの入らないデジタル打ち込み音楽のような・・・確かに雑音とか余計な音はないんだけど、「味」が無い・・・。
そう、生音の持つ「吐息感」みたいなものが、この作品にはないのです。
まぁ、元々狼男とバンパイアなので、生の喜びみたいな息づきは必要ないと思うけど、そういうんじゃなくて、「人の心に残るためのフック」がないような気がするのです。
監督の気持ちも分かるけど、誰か別に脚本をつけた方がいいと思う。 せっかくいい世界観を作ってて、それを実体化するスタッフもいるのに、肝心のストーリーがこれじゃあ、もったいない。 っつーか、監督、イケメンなんだから(←関係ない)自分で全部やろうとしなくてもいいじゃん。確かに、自分で考えた話を自分で映像化する方が楽だとは思うけど、もっと面白い話を書ける人が、世の中にはいっぱいいるような気が・・・。
まぁ、これもアクション好きの人だったらアクション度があがってヨシみたいな意見なんだろうけども、ゴシックロマン好きとしては、次回作は1のイメージに戻って欲しいなぁ・・・と思ってしまうわけです。
う〜ん、綺麗なんだけどねぇ・・・。 それだけなんだよねぇ・・・。
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