つぶやける乙姫
辛口なのか、毒なのか・・・

2005年10月11日(火) 「ミシシッピ・バーニング」

やっと見た〜〜〜〜!!!



いやぁ、随分と長い間、見たいけれど見られないという状況だったので、本当に嬉しかったです(>_<)!やっとレンタル屋がDVDを入れてくれたからさ〜〜〜!!


というわけで、あらすじ。今回はかなりネタバレ度高しです。ばらさないと語れないのでスマン。


1964年、アメリカはミシシッピ州のジュサップという町で、三人の公民権活動家が行方不明になる。その事件を調査しにFBIの捜査官アンダーソン(ジーン・ハックマン)とウォード(ウィレム・デフォー)が送りこまれるが、あからさまな人種差別が横行する閉鎖的な町では、よそ者である二人の捜査は一向にすすまない。
やがて三人は死体で発見され、町の有力者やKKKの団員である警官などが状況証拠的に犯人であることも分かるが、決定的な証拠は見つからず、逮捕できないままに時間だけがすぎる、その間にも捜査に協力したとされる黒人に対するKKKの攻撃はやむことが無く、さらなる被害者が増えていくことに・・・。

とまぁ、こんな感じ。実際にあった事件をベースに描いてあります。

いや〜〜〜〜〜〜、面白かったです。というと語弊がありますが、いい映画でした。さすがは社会派の監督といわれるアラン・パーカーですな。
映画の冒頭から、無言のメッセージがバンバンと伝わってきます。
有色人種と白人で分けられた水のみ場から始まって、黒人に対するリンチの場面まで、人として考えさせられることがたくさんつまってます。
差別に対する嫌悪感がふつふつと沸いてくるのです。
日本に居るとあまり感じられないものですが、アメリカと人種問題というのは未だに切っても切れない関係にあり、日常のいたるところに根深く存在しているものです。

考えてみてもくださいな、1964年が舞台です。まだ40年しか経ってないわけですよ。40年前のアメリカで、こんな人を人とも思わないような扱いを人間が受けていたわけです。それが40年でイコールになっているわけもないと、ワシは思ってしまうのです(まぁ、実際にイコールになぞなっていないわけですけども)。

当時の意識を根強く持ち続けている人など五万といるでしょうし、(それは日本にまだ戦争を起こしたことは間違っていなかったと信じている人がいることとも同じように思えるけども)白人の方が優っていると思っている人も五万といるでしょう。

有色人種を汚いと思っている人も多いでしょうし、黒人の生活が向上しないのは努力が足りないからだと思っている人も多いことでしょう。

まだ40年。当時の考え方を植えつけられて育った子供も、まだ元気に生きています。ということは、その考えをまだ受け継ぐ子がたくさんいるわけで、まだまだその思想は消えることがないと思われます。
映画の中でも、KKKの集会に、まだ判断力さえおぼつかない子供までもが集められている場面があって、
「(差別をしようと)そう思ってるんじゃない、考えるよりも先にそういうものだと教え込まれる」
とモノローグが入るところがあるんですけど、まさにそういうものなんだと思います。
差別する人の多くは、物心がつくころに自分の考えて差別を始めるのではなく、幼い頃から差別的意識を持った環境で育てられてるんじゃないですかね。だから、疑問も持たないし、なかなかそれを「おかしい」と感じることができないんじゃないでしょうか。勝手に他人を下において、上から見ているにも関わらず、
「下に居る方がおかしい」
みたいな感じで思っているという…。しかも、自分はたまたま上の方に生まれたってだけで、下に居る人だって、好きで下にいるわけじゃないのに…。そもそもまぁ、上下で考えること自体がおかしいんですけどね。
しかし、そう思って生活してる人に、「それは違うんじゃない?」と言ったところで、まぁ理解は得られないんですけども。いろんな意味で「自分は違う」と思っているわけですから。行くところに行けば、その人も下の立場になったりするんでしょうけども、そういう人に限って、なかなか外(というか、自分の位置付けが下がるところ)には出ないので、きっと一生「私、間違ってました」と思うこともないんでしょうし、そもそも外から自分の居る場所を見ることの出来る人だったら、とっくにその考えを改めてるとも思いますしね。

話が反れましたが、とにかく、現場叩き上げ的なジーン・ハックマンと、キャリア的なウィレム・デフォーが好対照で、バランスの取れた描き方になっています。途中でところどころ入るインタビューの答えなどが、本当に「一般の声」を代弁しているようで怖いです。
本当にそう思っているのか、それとも、その場で生きていくための「模範解答」がそれだからそう言っているのか、そこまで考えると本当に背筋がぞっとします。

それと、誰がなにを言った…的な話が、すぐにみんなに伝わっている状況もすごく怖いです。
他人の集合体の都会の町か、知人の集合体の田舎町か。
どっちも、そこに集まる人たちの常識ひとつで天国にも地獄にもなりますよね。うへ〜、怖い。



日本において、人種差別の話がなかなかでないのは、日本人の多くが「日本は単民族国家である」という考えを持っているからではないでしょうか。
実際のところはそうではないのに、なぜだかそう思われてるんですよね。
日本国内にだって、差別は至るところにあるのに。


とにかく、とりとめもなくそんなことを考えてしまう映画でした。

ぜひごらんあれ。


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