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 『蟲師』第7話「雨がくる虹がたつ」

「コレなんか面白かったわよ?」
ブックマイスター・ママンに導かれるまま、
『蟲師』という漫画を手に取った。

妖怪の類いの話かぁ?
取り留めなくたらたら読んでいると、
『雨がくる虹がたつ』
という話に出合った。

"虹"に出合って以来、その美に取り憑かれてしまった男。
「この世で一番美しいものの名をお前にやりたかった。
 悪かった、お陰で友達にも笑われるのだろう」
息子・虹郎は、父の求めて止まないその"虹"探しに旅立つ。
そして何年か過ぎて、行き倒れかけたとき、
蟲師である主人公ギンコに、
それは本物の虹ではなく"虹蛇"という蟲だと教えてもらう。
二人は"虹蛇"を追う旅を始め、ついには遭遇を果たす。
その光の洪水のような蛇を捕えようとする虹郎。
全ての美しい色の真中で、手からすり抜けていくその流れ。

父の虹ばかり求める奇行を嫌い、
名前を嫌い、
自分の橋大工としての半端な生き様を呪い、
到底捕まえることなどできない"虹"を追いかけることで
現実から逃げていた自分。
"虹蛇"に追いついたことで、その逃避の旅の理由が消えた。

「いっそ 清々しいくらいだ・・・!」

どの話でも、フーンみたいな態度だったのに、
このセリフで滂沱してしまった…不覚(>ω<)

虹郎のように、
 父を許し
 自分を許し
 逃避から現実に立ち返っていく
なんて到底できやしない。
自分の弱さも情けなさも知っている大の大人が
「いっそ」
喪失感ではなく
「清々しい」
気持ちになる。
そう吹っ切れたら、私も一皮剥けた人間になれるのだろうなぁ

2006年06月18日(日)
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