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 久々実家に帰る

癌患者の看病疲れでダウンしてしまった家族のフォローのため、
金曜の夜から、泊りがけで実家に帰った。
私の部屋は、既に弟に蹂躙されていて、寝る場所もないので
通路になっている場所に布団を敷くという情けない有様での
泊まりである。

そんな思いをしてまで辿り着いた実家にいた
当のダウンした家族は、
問題の癌患者より、よほど顔色も悪くゲホゲホと重い咳をしていたが、
「いいのよ、いいの、やるから」
と家事の一切を、人の申し出を振り払って、
熱のある者が1人で結局全て行った。
おまけに
人が泊まりに来るというのを知って、
わざわざ客用布団を干しておいたという始末。
単なる負担になりに帰ってきたのかと、げんなりした。
自分でやると言っておきながら、
「全部、私がやっているのよ、全部!」
と文句を言っているので、
そうか、愚痴を聞くのが私の役目だなと気づいて
そんな繰り返しの話に、辛抱強く付き合った。

翌日、
癌患者の診察日だというので、ここぞとばかりに同行する。
今回は、
肺のレントゲンの結果と今後の治療スタンスを決定しに行く
とのこと。
一度、直に医者の話を聞きたかったので、渡りに船だった。
病院には、
予約時間の30分前に来てくれと言われていたので、その通りに着いたが、
予約時間の2時間後に、診察となった。
黒ぶち眼鏡の医者が尋ねる。
「体重は増えましたか?」
「はい、1キロほど」
これは、嘘である。
入院前の自己申告の体重欄に1キロ多めに書いてしまったので
今修正してみたwと、患者が後で笑って語ったのでわかった・・・
つまり、体重は、入院中の激減から全く増えてなどいないのだ。
しかし、
昨夜、
紹興酒を熱燗でポット1杯分、コテコテの中華料理を何皿も
1人で全部平らげていたし、
そういう生活を続けていれば、
体重が戻るのも時間の問題と思われるので、問題なかろう(笑)
しかし・・・思うのだが、
最近の病院は、患者の自己申告で、体重をチェックするんだろうか?
体重の増減は、病状を知る上で大事なポイントになると思うのは
素人ならでは・・・?
医者は、その後、傷跡の確認や近辺の触診などを行い、
「このテープは何で貼ってあるんでしょうね?」
と患者に尋ねた。
「はぁ・・・」
聞きたいのはこっちだぞと内心思う2人。
聞くと、
執刀医や入院時の担当医でない外科の医者が
通院時の担当医になるという仕組みらしい。
だから、まるっきり意思疎通がなってないんだな
と軽蔑半分見つめ返す。
「これいらないと思いますから、剥がしちゃいましょう」
入院当時の医師に何の確認をすることもなく、
彼は傷口に貼られていたテープをさっさと剥がした。
それで診察は終わったらしく、
医者は、端末に渡す薬の入力などを行い始めたので、
患者が慌てて
「この間、撮った肺のレントゲンの結果はどうなったんでしょうか?」
と尋ねた。
「?」
医者はもう一度カルテを見直し、
「あぁ!」
と言う。
そして看護婦に取りに行かせ、ライトボードに貼り付けた。
肺は転移などの様子もなく、非常にキレイだった。
「肺は問題ないですね!」
医者は太鼓判を押す。
しかし、私は、
肺の右下、胃か脾臓(?)の辺りに
くっきり写っている大きな楕円形の影が気になった。
あからさまにくっきりした影なので、
当然、医者の目にもついただろうが、何も言及が無いので
患者自身は
「あれは、手術痕じゃないか?」
などとお気軽に言っていた。
いつ胃など手術したんだ?

その後、医者は薬の入力に忙しく動きながら、
今回の処方を説明した。
「前回と同じの、消炎剤・ビタミン剤・胃腸薬の他に、
今回新しく、抗癌のお薬も出します」
まだ点滴による抗癌剤の投与は時期尚早と診て、
投薬タイプの抗癌剤で様子をみることにしたようだった。
しかし、そういった説明は無い。
「眠気、吐き気、食欲不振、下痢などの症状が起きることがあります。
そういうのが起きてしまい、辛いようなら、
辞めてしまって構いません」
相性チェック程度の意味合いしかない投薬なのだろうか?
結局、その薬を1か月分も貰って帰ってきた。
怪しすぎるので、早く転院させたいなぁ・・・

自宅に戻ると、
寂しがっていたという看護人の話に従って
そばにいてやり、
特に特定の話題もないまま、テレビなど一緒に見ながら、
わいわい感想など言いながら過ごしていると、
突然、患者が言った。
「今日の夕飯は、どうするんだ?」
「いや・・・まだ決めてないけど・・・」
本当は、
帰りに人を誘ってどこかで映画でも見て外食でもしようと考えていたが、
決定した話ではなかった。
「じゃ、今日も食べていけ!
今、××(看護人)に連絡するから!」
そう言うと、有無を言わさず、電話をかけ始めた。
あぁ、寂しかったんだなぁと、ちょっと胸にきたので、
何も言わなかった。
どうせ夕飯を食べるなら、看護人の負担を軽くしてやろうと
自分で作ろうと思って、そう言うと
「いや、もう材料買ってくるって言ってたから」
と、またやることがない。
その後、患者が休んだので、
キッチンの掃除などしたが、
やがて暇になったので、自分も昼寝して過ごした(笑)

夕飯は、すき焼きだった。
手作りの糠床で漬けたキュウリをポシポシと食べながら
いったい何しに私は帰ってきたのだろうと
疑問に感じたのだった。
客じゃないんだぞ〜

2002年10月12日(土)
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