予防審美  
小林歯科クリニック  
 
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★予防と審美専門★【小林歯科クリニック】

2010年07月15日(木) 今月の参禅−34

今から15年程前のことになりますが、私(小林ではありません・・・総持寺の方です)は僧侶仲間と中国の寺院を巡るたびをしたことがあります。
主な行程は道元禅師の中国での足跡をたずねるものでした。
その行き先の一つが万年寺でした。
万年寺は浙江省の天台山脈の山中にあり、古くから仏教聖地として、人々の信仰を集めていました。

私たちは、まず、上海からマイクロバスに乗り、天台山の麓にある国清寺を訪れました。
国清寺は、天台宗発祥の寺であり、参拝者の絶えない寺院です。
観光スポットとして交通の便もよく、近くにはホテルなどの宿泊施設もよく整っていました。
万年寺に行く我々は、ここで、バスを乗り換えました。
乗り換えたマイクロバスは、これまでのと大きさはほとんど同じでしたが、大変古い物で、本当に山道を走っていけるのか心配になる程でした。
ひどく揺られながら走っていくと、古いバスに乗り換えた理由がわかりました。
たまにごく小さい集落を通るもののほとんどは、山肌を這うように作られた砂利道です。
片側はほとんど崖のようになっていて、万が一落ちたら私たちの命はひとたまりもありません。
万が一のときの被害を最小限にするために古いバスに乗り換えさせられたようです。

そんなおもいをしながら二時間程山道をいくと、山並みの間に万年寺が見えてきました。
深山幽谷とは思えない程立派な伽藍がたちならび、やまやまの見晴らしを含めまさに、仏教の聖地というにふさわしい佇まいでした。
私たちが、到着すると、寺の住職さんが迎えてくれました。
住職さんといっても年の頃は、40代前半のようにも見えました。

私は、その方をみたとき、その静かで穏やかな表情や物腰に心うたれました。
心が洗われるという表現がぴったりするかもしれません。
私が、これまで背負っていた重荷を取り除いていただいて、スッート楽にしていただけたような気がしました。
人里遠く離れた山中での修行は、とても厳しいはずです。そんなことを全く感じさせない住職の優しい表情でした。
むしろ、世俗からはなれた純粋な修行が、その表情や物腰を作ったのかもしれません。
わたしにとって今でも心に焼き付いて、忘れられない表情の一つになっています。

私は、仏像をみて歩くのが好きで、たまに奈良や京都にのんびりと一人旅をします。
静かで優しい表情の仏さまに出会うと、いつも心が洗われて、いろんな心の重荷から解き放たれた思いになります。
万年寺の住職との出会いは、まさにそのような思いにさせていただいた出会いでした。

ところで、表題の言葉は、道元禅師の主著「正法眼蔵」四摂法の巻のなかの一節です。
この巻の中には、人を幸せにし、自分も幸せになるための、四つの菩薩の教えが説かれています。
人に財や心で施しをする「布施」、思いやりの言葉や表情をなげかける「愛語」、進んで人の為に尽くそうという「利行」、すべての人と分け隔てなく尊敬し合い助け合う「同事」という四つの実践徳目です。
この中でも、私たちがいつでも身近に実践できるのが愛語ではないでしょうか。
私の経験がそうであったように、穏やかで優しい表情や言葉は、人を幸せな気持ちにする大きな力を持っています。

7月8月で迎えるお盆は私たちに命を伝えてくれたご先祖を供養し、感謝の真心を捧げる時節です。
どうか、亡き親しき人や身近なご先祖を思い浮かべるその時の表情で、すべての人、特に思い悩んでいる人に穏やかな表情で接し、優しい言葉をなげかけてあげてください。


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