TOM's Diary
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2011年12月06日(火) S氏落ちる

落ちていた。
どんどん、どんどん、落ちていた。
どこまでも、どこまでも落ちていた。
もしかしたら上っているのかもしれない。

あたりは真っ暗だ。
下を見るとところどころ光の点が見える。
上を見ても光の点が見える。
光の点に囲まれている感じだ。

光の点が密集して光の川のように見える。
下に見えるのは街の明かりだろう。
上に見えるのは天の川だろうか?

それにしてもどこまで落ちるのだろう。
すでに5分以上は落ちている気がする。

きっと落ち始めたときはショックで気を失ったのだろう。
気が付いたときには落ちていた。
どこから落ちたのだろう。
いつ落ちたのだろう。
必死で記憶を辿るが思い浮かばない。

こんなにも高い場所を落ちているのだから、宇宙船から落ちたのかも。
でも、宇宙船になんて乗った記憶はない。
飛行機からだろうか。
でも、それならばとっくに地面に近づいていてもいい。
だが、地面はまだ遥か遠くだ。
やはり宇宙船からだろうか。

だんだん、落ちていると言う感覚がなくなってきた。
まるで宇宙空間を漂っているような感覚だ。

そうか、街の光だと思ったものも星かもしれない。
ここは宇宙空間なのだ。
だからいつまで経っても地面にたどり着かないのだ。

宇宙なんて始めて来た。
意外と普通だ。
息も苦しくない。

近くで音がする。
なにかの音がする。
どうやら頭上で何かが鳴り響いている。
そちらに移動しようとした。


S氏はベットからずり落ちた衝撃で目覚めた。
ベットの上で、目覚まし時計が鳴り響いていた。


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