Leaflets of the Rikyu Rat
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2006年11月24日(金) 吐けばいい僕は決して忘れないから

何も出てこない何も取り出せない何も考えられないならば出来ることは詰め込むだけ。
ただ詰め込めばいいただ詰め込めば しかし何かが入っているようだこの頭。
僕の頭なのにこれはもう僕の頭じゃ無いようで何が入っているかも良くわからない

本当に何か入っているのだろうか

とりあえず何かを入れてみましょうということになり
よいしょと我慢してみたらするりと入った 入った
入ったと喜んでいいものか今入ったものは本当に僕の中に入ったのか自信が持てなくなり

取り出そうとしてみる
するするとひっぱりだして見ると確かに入っていたようだ
しかしこれは本当に僕が入れたものなのか良く覚えていない

少し前の記憶は既に茫々となり

目の前のそれは確かに僕が入れたもののようではあるのだけれど
ただ何か違うような気もする いや少なからず変わっている
どう考えても変わっている

変わり続けるこの物質を
僕が飲み込むことのこの気持ち悪さ
吐き出してしまいそうだ

吐けばいい 何度でも吐けば

吐け吐け吐け吐け吐けばいい
変わらないものなどないのだろうから

今夜も詰め込むだけだ。

(最果タヒ「博愛主義者」を読んで)


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加持 啓介 | MAIL

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