京のいけず日記

もくじ前の日次の日


2005年08月10日(水) 龍馬展の代わりに行った場所


無言館 残された絵画展のパンフ「いのちの証」に
絵を遺していった画学生達がいる。
いずれも享年20代から30代前半の若者だ。


京都文化博物館
「無言館 遺された絵画展」


感傷とか、戦争はいけない、とか、
そんなきれいなもんじゃない。

足が向いたのは、ただ。
遺品ではなく、絵が見たかったんだ。



夜仕事のある今日、早めに家を出て、本当は博物館でやっている、
「坂本龍馬生誕170年記念 特別展覧会」に行くつもりだった。

途中で気が変わったのは、最近のだるさのせいかもしれない。


描きたくて、その情熱のままに描かれた絵が見たかった。
戦争に赴く覚悟のはざまで、真摯に描かれた絵が見たかった。


展示パネルの一つには、
「ここにあるのは画学生達の絵だから上手くはないが、絵の原点がある」
のような事が記されてあった。

上手い、下手など、絵を習ったこともない私には分からないが。
油絵ではひとくくりに括れない。日本画では括れない。様々な58人の絵。
きっと戦地でも、土や、ノートや、頭の中に、絵を描いていたんだろうな。

異国の風景、戦友、故郷、家族。…夢。

志なかばで召集される無念さ、潔さ。戦死、享年の2文字が痛ましかった。




そして、思う。
…言ってはいけないことだ。

戦争を認める気はさらさらない。
あの時代に生まれたかったなどとは思わない。

けれど。

自由という不自由さの中で、その真摯さが羨ましくもある。


恵まれているんだろう。
彼らの3倍も、4倍も、生きていくのだから。


Sako