京のいけず日記

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2005年01月07日(金) 笑わぬ男 「みぶろ」

●講習36-37日目
今日から新学期。子ども達はそれぞれ学校へ。通勤電車もまた学生さん達でいっぱいです。私の通勤文庫も(気分的にも)軽いものを選んで再開。

車内で本を読んでる人、結構多いですねー。文庫が圧倒的なんだけど、中には立ちんぼで分厚い単行本を読んでるツワモノや、朝からマンガ雑誌を読んでるサラリーマン、参考書に目が張り付いている学生さんなど、本の虫さんがいっぱい♪ …座れたら絶好の読書タイムなんだけどなぁ。


●通勤文庫 みぶろ  著作:奈良谷 隆 ベスト時代文庫 @571+税
まんが感覚。小説的にはどうなんだろ?面白いことが好きで、新選組、幕末物とあれば、何でもありの私のような人だったら気軽に楽しめるかも…。


第1話の笑わぬ男は土方歳三サンの事でした。
(注)本の内容とは関係ありません ↓


笑わぬ男歳三さん

…仏はほっとけ(ボソ) オヤジ亭・歳三


新選組が登場する幕末から明治時代。旅芸人の二人を狂言回しに、第1話の「笑わぬ男」から第2話「怒らぬ男」、第3話「泣かぬ男」まで、土方歳三をはじめ、姿三四郎のモデルとなった西郷四郎、嘉納治五郎、夏目漱石などが次々と登場していく。

姿三四郎のモデルとなった西郷四郎が、元会津藩家老、西郷頼母の養子だったとか、漱石が慶応3年の生まれとか…。そうなんよね。幕末と維新で時間が寸断されたわけじゃないんだ。平隊士の生き残りとか、維新後、どういう人生を生きたのかなぁ。と、読後、ちょっとそういう気になった。

で。第1話。タイトルの笑わぬ男というのはもちろん土方歳三のことで、主人公の二人が、人前で決して笑顔を見せないという土方を、何とか笑わそうする奮闘ぶりが描かれているのだけど…。

今まで描かれていない土方が登場する。例えば、二人の声を敵の来襲と勘違いし、厠から着物の裾を乱し飛び出してくる姿であったり、体調不良の宴会で機嫌の悪いところへもって、余興が始まり、ついに鼻水まで噴出した上、俺に恥をかかせたなッ、と逆上し、ダンビラ振り回す姿など…。もう、マンガだわ。

さしもの面白もの好きの私も、なんだ、こりゃ!? …が。だんだん読み進めるうちに、作者の土方歳三に対する愛情をヒシヒシと…。なんだ、こりゃ、が治まった。良かった。

読後、読み物としての余韻がないのが残念。私と同じ昭和30年代生まれの作者。テレビ世代ですよね。子ども時代にブラウン管がやってきたという世代。この世代って感覚が似るのかなぁ…。


それにしても。土方歳三って「遊ばれ・おちょくられキャラ」なんやね。

なぁ、歳三さん。あんた、ほんまは、どんな人やったん?
そっと夢の中に出てきてねえな。


Sako