井口健二のOn the Production
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2024年12月15日(日) 恋脳 Experiment、僕らは人生で一回だけ魔法…、ゴールドフィンガー巨大金融…、(報告)ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-完成報告会

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『恋脳 Experiment』
1996年生まれ、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーショ
ン専攻修了の岡田詩歌監督が、大学院修了制作の作品でPFF
アワード2021審査員特別賞を受賞。それにより獲得したPFF
スカラシップの権利を活用して制作された作品。
主人公は幼い頃にはお姫様ごっこが好きだった女性。映画は
彼女の幼児期から始まり、中学生での恋愛?経験が綴られて
から美術大学に通う大学生時代、さらに社会人になってから
の恋愛事情などが語られる。
そこにはかなり打算的な話もあるし、逆に相手側の都合よさ
が強調されているようなものもある。それらは現代の若者事
情ではアルアルなのかもしれないし、昭和世代の自分の感覚
からは少しずれている感じのものもある。
でもまあ全体としては今も昔もあまり変わらない恋愛の様子
が描かれているのかな。特にあまりドロドロした状況がない
のは観ていてほっとする感じでもある作品だった。しかもそ
こにちゃんと擽りがあるのは大したものだ。

出演は2023年3月紹介『忌怪島/きかいじま』などの祷キラ
ラと、2019年8月4日付題名紹介『左様なら』で祷と共演の
平井亜門。さらに2024年10月紹介『敵』などの中島歩。
他に河井青葉、大月美里果、佐藤和太、二見悠、中山雄斗、
門田宗大、関谷翼、小林リュージュ、小野まりえ、川郷司駿
平、佐藤京、中島多羅らが脇を固めている。
作品はエピソードごとに副題がつくオムニバスのような構成
だが、ブツ切れな感じはしないし、それなりの流れもあって
滑らかに観られた。でもまあ各エピソードは今様という感じ
かな。それなりにドライなのも良いのかもしれない。
たださすがの東京藝術大学というか、中で演じられる作品や
パフォーマンスは完成度が高くて、ある種の本物感があるの
も面白かった。特に主人公の作り出す造型やパフォーマンス
は見ごたえもある感じがした。
これらは監督が作り出しているのだろうし、それを含めて面
白い才能の監督が出てきたという感じもした。

PFF スカラシップは過去には橋口亮輔、李相日、荻上直子、
内田けんじ、石井裕也、工藤梨穂らの俊英を輩出しており、
この監督にも期待が持てそうだ。
公開は2025年2月14日より、東京地区は新宿シネマカリテ他
にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ストロールの招待で試写を観て
投稿するものです。

『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』
2024年3月に放送作家を廃業した鈴木おさむが2019年初演で
続けてきた舞台の朗読劇を、共同テレビジョンで多くの連続
ドラマを手掛けてきた木村真人の劇場長編映画初監督として
映画化した作品。
登場するのは田園の広がる村に暮らす4人の男子。内3人は
幼稚園からの同級生だが、1人は心臓に障碍を持つ虚弱体質
で小学生から仲間に加わった。そんな4人は分け隔てなく協
力して無事に18歳になるまで歩んできたようだ。
その4人が18歳を迎える年の初めに村の重鎮に呼び出され、
村の秘密を告げられる。それは18歳から20歳までの2年の間
に1回だけ魔法が使えるというもの。ただしそれは人の生命
に関るものであってはならないという縛りもあった。
そしてその縛りが破られた場合には、村を大きな災害が襲う
という警告も告げられる。しかしそれは村に様々な影響も及
ぼしていた。そんな中で4人はどんな事態で魔法を使うこと
になるのか…。

出演は“FANTASTICS”の八木勇征、“インナージャーニー”
の櫻井海音、“IMP.”の椿泰我。それに『ウルトラマンタイ
ガ』の井上祐貴。さらにカンニング竹山、阿部亮平、馬渕英
里何、笹野高史、田辺誠一らが脇を固めている。
舞台、ましてや朗読劇というのは表現自体に様々な制約があ
る訳で、それを観客が想像などで補って楽しむことが醍醐味
だと思う。テレビは逆にその制約で観客は一歩退いて楽しむ
ことになる。
それに対して映画は、ある種の没入感で観客は映像と一体に
なって楽しむことができる。その場合に観ているものに違和
感があると、それは一気に楽しめなくなるし、観る価値も失
わせてしまう。
この作品にはそんな違和感が随所に感じられてしまった。そ
れは物語の設定にもあるが、言ってしまえばダム建設への反
対運動の顛末などはもっと詳しく提示してくれないと、はあ
そうですかとはならないもののように思える。
展開を大きくしてしまった分、何か全体的に深みというか厚
みが足りなくて、その点が物足りなく感じられてしまった。
鈴木氏にはこれに発奮して、さらに別の作品を観せてくれる
ことを期待したいものだ。

公開は2025年2月21日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷
他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ポニーキャニオンの招待で試写
を観て投稿するものです。

『ゴールドフィンガー巨大金融詐欺事件』“金手指”
2008年8月紹介『レッド・クリフ』などのトニー・レオンと
2024年2月紹介『流転の地球−太陽系脱出計画−』などのア
ンディ・ラウが、2003年『インファナル・アフェア�掘抂瞥�
の再共演を果たした作品。しかも脚本・監督は『インファナ
ル・アフェア』3部作の脚本を手掛けたフェリックス・チョ
ンが担当した。
物語の始りは1970年代の後半。東南アジアで事業に失敗した
華僑の男が香港に流れ着く。ところがこの男、香港で二束三
文とされていた土地の転がしに協力し、その成功に味をしめ
た男は香港の財閥を手玉に取り始める。
そして1980年代、愛人の名を冠した巨大金融グループを立ち
上げた男はさらに大掛かりな金融詐欺へと乗り出す。しかし
その男の背後を汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官
が追い始めていた。
やがて2人の対決はそれぞれの家族も巻き込む壮絶な戦いへ
と進んで行くが、そこには歴史の影も落ち始めていた。

共演は元アイドルユニット“Twins” のシャーリーン・チョ
イ、2006年2月紹介『SPL狼よ静かに死ね』などのサイモ
ン・ヤム、2020年『レスキュー』などのカルロス・チェン、
2020年1月紹介『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』
などのアーロン・クォックらが脇を固めている。
題名は映画の中でもミダス王の説話が語られており、正に触
るものを全て黄金に変える金融の闇が語られているものだ。
因に物語は実話に基づいているそうで、1980年代のバブル期
の香港はこんなものだったのだろう。
ただし男を追うエリート捜査官はフィクションのようだが、
登場する汚職対策独立委員会は実在のもので、こんな出来事
が起きていてもおかしくはないようだ。特に金融グループの
顛末はほぼ実話とされている。
それにしても結末の呆気なさと言い、正に時代の流れに押し
つぶされて行く男の姿が描かれるが、その背景にあったもの
が今も続いている香港の現実を重ね合わせると、何とも言え
ない気分にもさせられる作品だった。
2時間越えの作品だが、2大スターの共演がしっかりとそれ
を支えて堪能できた。

公開は2025年1月24日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷
他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社カルチュア・パブリッシャーズ
の招待で試写を観て投稿するものです。
        *         *
記者会見
  『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-完成報告会』
 2025年2月21日公開予定の作品の記者会見及び映画上映の
際に行われる新たなシステムの体験会を見学してきた。
 まず物語の舞台はRap Battleの勝者によって社会が動かさ
れているという世界。そこは現在チュウオウ・ディビジョン
の「言の葉党」によって支配されているようだ。
 その覇権を目指して各地を勝ち抜いた6組のラッパーたち
がBattleを繰り広げる。そしてその勝者が「言の葉党」と対
決し、さらにその勝者が次の支配者となる。
 なお実際の物語にはRap Battleの勝者が世界を支配するに
至る設定や、6組のラッパーたちの相関図などいろいろな要
素が絡み合っているようだ。
 とは言え映画では、イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シン
ジュク、オオサカ、ナゴヤの6つのディビジョンのチームが
登場し、まずはタイマン、続いて巴戦へと進められる。

 そして一般公開では、これらのBattleの勝者を観客が投票
で決定し、それによって以降の展開が変わるというシステム
が使用される。会見ではこの体験も実施された。
 それは事前にスマホのアプリをダウンロードして、所定の
タイミングでスマホの画面をタップするものだが、その制限
時間が意外と短くて僕は最初の投票を失敗してしまった。
 でもまあ若い人なら難なくやれるのだろうな。そんな感じ
で世界初とされる映画館での双方向の影響が可能になったと
されるものだ。
 なお最初の3回のタイマン戦で分岐の数は2*2*2=8、
次の巴戦の分岐の数は3、そして最後の戦いの分岐の数は2
なので全体の分岐の数は8*3*2=48。
 ただし映画の結末は各チームが勝利の場合の7通りだが、
映画の制作は48通り行われたとのこと。観客は全て見るのも
至難だが、多数決では好みの結末も難しそうだ。

 そんな話題性も満載の作品になりそうだ。
 なおこの紹介文は、配給会社TOHO NEXTの招待で会見を観
て投稿するものです。
        *         *
 なお今週はもう1本試写を観ているが、主な情報が解禁前
ということなので、今回は紹介を割愛します。


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井口健二