| 2024年10月13日(日) |
私にふさわしいホテル、敵 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『私にふさわしいホテル』 2008年「オール読物新人賞」を受賞し、2018年には『伊藤く んA to E』などの映画化もある柚木麻子が2012年に発表した 同名原作を、多くのヒットTVドラマとその劇場版などを手 掛けてきた堤幸彦監督で映画化した作品。 主人公は文芸雑誌の新人賞でデビューしたものの、その後は 鳴かず飛ばずの女流作家。その原因は受賞作が大御所作家に 酷評されたことにあると、本人は思っている。そんな主人公 が小説家の聖地「山の上ホテル」に自腹でやってくる。 するとそこに大手出版社の編集者で大学の先輩が訪ねてくる が、彼の本来の訪問先は一つ上の階に缶詰めになっている大 御所作家の部屋だった。それでも彼の発言からある奇策を思 いついた主人公は大手誌の記念号への掲載を勝ち取る。 そんなことで作家活動が軌道に乗り始めた主人公だったが、 その前に再び大御所作家が立ちはだかる。そこで再び奇策を 発動した主人公だったが…。次々起こるどんでん返しを彩り に文芸界の闇が描かれて行く。 出演は、2020年1月19日付題名紹介『星屑の町』などののん と、田中圭、滝藤賢一。他に田中みな実、服部樹咲、�眄个� かり、橋本愛、橘ケンチ、光石研、若村麻由美らが脇を固め ている。 文芸界の隅っこに身を置いた者としてはこんなことあるかな あという感想だが、僕が仕事を始めた頃はそれなりの後ろ盾 があったからこんな思いはしなくて済んだのかもしれない。 原作者は新人賞デビューだから実体験もあるのだろう。 ただまあ編集者のありように関してはニヤリとしてしまうと ころはあって、確かにこんな御仁が沢山いる場所ではある。 そんな訳で結構面白く観ることができた。山の上ホテルの内 部をしっかりと観ることができたのも楽しめたものだ。 それから橋本愛の共演も、のんのいろいろな経緯を考えると 嬉しくなるよね。2人だけのシーンがしっかりと設けられて いたのも拍手したくなるほど嬉しく感じられた。律儀な人た ちなんだろうな。 そんなこんなで、いろいろなことが本当に嬉しくて楽しめる 作品だった。ただ最後にちょっと首を傾げるシーンはあった が…単純なミスには見えないし、これは監督が観客に向けて 仕掛けたのかな? そんなことも楽しめた。 公開は12月27日より、全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社日活/KDDIの招待で試写を観て 投稿するものです。
『敵』 2006年11月紹介『パプリカ』などの筒井康隆が1998年に発表 した原作を、2017年2月紹介『美しい星』などの吉田大八が 脚本、監督した作品。 主人公は10年前に退職したフランス近代演劇史が専門の元大 学教授。20年前に妻に先立たれ、都内山の手の一軒家に暮ら しているが、先々のことも計算済みで遺言状も書き、まずは 悠々自適という風情だ。 そんな主人公の家には男性の昔の教え子がリフォームなどの 手伝いに来てくれるし、女性の教え子を招いて手作りのディ ナーを振舞ったりもする。そして長年の知人とはバーで飲む こともある。そのバーには若い女子大生もいた。 そんな平穏な主人公の生活に、ある日「敵がやって来る」と いう不穏なメールが届き始める。それと共にいろいろな妄想 が生じ始め、遂には亡き妻まで復活してくる。そして世界が 崩れ始める。 出演は映画主演は12年ぶりという長塚京三。他に瀧内公美、 河合優実、黒沢あすか、中島歩、カトウシンスケ、�眸�遊、 二瓶鮫一、�盒桐痢⇒L醋な盪辧�戸田昌宏、松永大輔、松尾 諭、松尾貴史らが脇を固めている。 作品は初号を観た原作者から「傑作です」との回答を貰った そうだが、特に映画の前半はディテールにも凝っていて楽し めるものになっている。しかし結末はちょっと呆気なさ過ぎ るかな? 勿論原作者の意図もそこにある訳ではないから、あっけない 結末もそれを反映していることは理解するが。映画は映画と しての何か大団円みたいなものが欲しかった気もしたかな。 それで原作者を納得させるのもハードルは高いが。 でもまあそんなことは抜きにして映画作品として面白いし、 俳優もそれをよく体現している作品ではある。とは言え筒井 作品の映画化は定番の作品は別として、つくづく難しいもの だなあとも思えた。それをよくやってくれた作品だ。 公開は2025年1月17日より、東京地区はテアトル新宿他にて 全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社ハピネットファントム・スタジ オ/ギークピクチュアズの招待で試写を観て投稿するもので す。 * * 今回紹介の2作品は実は同じ日に同じ会場で連続で観たも のだが、後者の原作者の筒井康隆氏は以前は上京時の定宿が 「山の上ホテル」で、僕は一度だけだが東京で集まっていた SFファンでは呼ばれて会いに行った人も多かったものだ。 偶然のことだが、そんな繋がりでこの2本立てには心惹か れるものがあった。
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