| 2024年03月10日(日) |
ゴッドランド、プロミスト・ランド、#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】、デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ゴッドランド/GODLAND』“Vanskabte land/Volaða Land” アイスランドの俊英フリーヌル・パルマソン脚本・監督で、 2022年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された作 品。同年度の米ア賞に向けたアイスランド代表にも選出され ている。 背景は、1944年に独立するアイスランドがまだデンマークの 植民地だった19世紀後半の時代。若い宣教師が司教の指示で 布教ため僻地の村に向かうところから物語は始まる。それは 冬が来るまでに教会の建設を終わらせるという期限付きの活 動だった。 それと同時に司教からは「地元に順応しないと、任務は失敗 する」とも諭される。こうして出発した旅だったが、その行 く手には火山の噴火や雪解けの川の増水など幾多の困難が待 ち受けていた。そんな中をデンマーク語の通じないガイドと 共に旅は進むが…。 事故も起き、仲間を失いながらもそれでも何とか村に辿り着 いた宣教師だったが、教会の建設と共に進める村人との交流 や、彼自身の趣味である写真撮影での気遣いなどが、徐々に 彼の精神を蝕んで行く。そして事件が起き、破綻が始まる。 そんな物語が、アイスランドの大自然と四季の移ろいと共に 描かれて行く。 出演は、監督の前々作『ウィンター・ブラザース』に出演の エリオット・クロセット・ホーヴとヴィクトリア・カルメン ・ゾンネ、2013年10月26日付東京国際映画祭《コンペティシ ョン部門》で紹介『馬々と人間たち』に出演のイングヴァー ル・E・シーグルズソン。 他に監督の前作『ホワイト、ホワイト・デイ』に出演のイー ダ・メッキン・フリンスドッティル。2018年12月16日付題名 紹介『THE GUILTY/ギルティ』などのヤコブ・ローマン。さ らにそれぞれ舞台で活動しているデンマークのワーゲ・サン ドとアイスランドのヒルマル・グズヨウンソンらが脇を固め ている。 撮影はコダックの35�丱侫�ルムで行われており、その画角は 1.33:1。しかもその四隅が丸くカットされているという、 監督のこだわりの映像が展開されている。これは多分主人公 が行う写真撮影への思いも込められているのだろう。 ただし映画の巻頭のテロップにある「7枚の写真からインス パイアされた」というのは史実ではなく創作だそうだ。とは 言え如何にも有りそうな物語の展開にはなっている。そして その写真撮影の下りが重要なポイントにもなっている。 そんな過酷な自然の中に生きる人間の葛藤が見事に描かれた 作品と言うところだろう。この種の宗教家の話はいろいろあ るが、大自然との対比がアイスランドという風土の中で最大 限に発揮された作品とも言えそうだ。 公開は3月30日より、東京地区は渋谷のシアター・イメージ フォーラム他にて全国順次ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社セテラ・インターナショナルの 招待で試写を観て投稿するものです。
『プロミスト・ランド』 東北地方の猟師マタギの姿を描いて1983年小説現代新人賞を 受賞した飯嶋和一の原作を、2023年にドキュメンタリー映画 『MATAGI』を発表した飯島将史監督が劇映画デビュー作とし て映画化した作品。 物語の始りは深夜に車を運転する若者の姿。やがて小屋に着 いた若者も加えて集まった5人のマタギ衆は、会長から「今 年の熊猟は中止になった」と告げられる。しかし主人公とも う1人の若者は納得できなかった。 主人公は生業として山形県庄内で養鶏業を営んでいるが、祖 先はマタギだったという家系に誇りを持っている。しかし自 然保護や鳥獣保護などの風潮がその古来からの職業を蝕んで いる。そんな風潮に反発する主人公たちだったが…。 やがて集会にいたもう1人の若者が「熊撃ちに行く」と言い 出し、その勢子として主人公に同行を求める。それは猟に成 功しても犯罪者として扱われることを意味していた。しかし 彼らの手には元締めから渡された銃弾も握られていた。 出演は、2023年12月紹介『青春ジャック 止められるか、俺 たちを2』などの杉田雷麟と、2022年9月紹介『月の満ち欠 け』などの寛一郎。他に三浦誠己、占部房子、渋川清彦、小 林薫らが脇を固めている。 製作は美術監督の原田滿生を発起人とするYOIHI PROJECT 。 すでに2023年1月紹介『せかいのおきく』でキネマ旬報ベス トテン日本映画第1位などの成果を生んでいる製作チームの 第2弾となる作品だ。 昨今は人畜への被害も拡大して熊の駆除への理解は進んでい る感じだが、この原作の書かれた時代では非科学的で感情的 な環境保護運動なども盛んで、正にこんな状況だったのだろ う。それは今もあまり変わっていないのかもしれない。 そんな失われつつある古来からの文化に対する想いの籠った 作品だ。それは熊の駆除への理解の高まる今にこそ、適切な 作品になっているとも言える。そしてその思いを監督がしっ かりと受け止めて描いた作品とも言えそうだ。 厳冬期の庄内地方の風景がしっかりと納められた作品とも言 える。その風景が久々のワイド画面にしっかりと捉えられた 作品でもある。日本の山の風景はワイド画面に良く似合う。 公開は6月29日より、東京地区は渋谷ユーロスペース他にて 全国順次ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社マジックアワー/リトルモアの 招待で試写を観て投稿するものです。
『#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】』 2019年に起きた大規模買収事件で揺れる広島県で、2020年に 急遽実施された安芸高田市市長選挙。その選挙で初当選した 37歳の市長を巡るドキュメンタリー。 安芸高田市は三本の矢の逸話でも知られる毛利元就の居城が あったということで、昔は広島県の中心であった場所でもあ るが、現在は農業中心の産業で過疎化が進んでいるといった 状況のようだ。 そんな地方都市で先代の市長が買収事件に関って辞任。その 選挙で政治経験の全くない新人が大差で選ばれる。しかし市 議会には前市長に関連する議員がはびこり、市政は新市長の 思い通りには動かない。 そんな状況に市長はSNSを使って情報発信を開始し、地方 行政の見える化を進めて行くが…。やがて市議会議員の改選 も行われ、市長を支持する新人の当選も果たすが、因習に囚 われた市議会の体制は揺るがない。 そんな地方政治の実態が描かれて行く。 製作は広島ホームテレビ。監督は2022年製作のオリジナルの 番組で「PROGRESS賞」奨励賞を受賞した岡森吉宏。本作はそ の30分ヴァージョン、50分ヴァージョンを経ての満を持した 劇場版となっている。 最近では2022年8月に紹介した石川テレビ製作『裸のムラ』 など地方のテレビ局が地元の問題を描いたドキュメンタリー が増えているが、地元密着だからこその問題点の抉り出しと も言えそうだ。 それは単純には新しい考え方の新市長と旧態依然とした市会 議員との対立にも見えるが、本作では一方的に市長側に偏る のではなく、市長側の問題点にも言及しており、その辺は公 正な報道姿勢とも言えそうだ。 その中にいろいろな地方政治が抱える問題点が描かれている のも、普遍的な要素を持った作品と言えるだろう。まあどち らの側も単純には批判できないもので、その辺を両方の側に ちゃんと取材しているのも好感の作品だ。 なお映画の前半の選挙戦では登場する議員の多くが真っ赤な ネクタイをしているのはさすがカープの地元と思わせるが、 それが途中から紫が増えてきて、ユニフォームやサイン球ま で置かれているのにはニヤリとした。 因に安芸高田市には平成10年からサンフレッチェの練習場が 置かれており、クラブハウスとスタジアムの距離がいろいろ 話題になったりもしているものだ。新市長になってから関係 も深まったのかな。 公開は5月より、東京地区はポレポレ東中野他にて全国順次 ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社きろくびとの招待で試写を観て 投稿するものです。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章』 2014年から2022年まで連載された浅野いにお原作コミックス のアニメーション映画化。2部作で公開される作品の前章。 物語の背景は3年前から東京上空に巨大な宇宙船が浮遊して いるという状況。しかしその宇宙船とのコミュニケーション は取れておらず、時折そこから小型の飛行物体が飛立つが、 その小型艇の目的も把握されていない。 そんな状況下で人々は暮らしているが、3年も経つとその状 態は常態となり人々は以前と変わらぬ暮らしを取り戻してい るように見えたのだが…。その裏側では事態は着実に破滅へ と突き進んでいた。 アニメーションディレクターは2022年『ぼくらのよあけ』で 監督を務めた黒川智之。キャラクターデザイン・総作画監督 は2017年3月紹介『夜は短し歩けよ乙女』『夜明けを告げる ルーのうた』などの伊東伸高。 シリーズ構成及び脚本は『夜明けを告げるルーのうた』や、 2018年8月8日付題名紹介『若おかみは小学生!』などの吉 田玲子が担当している。 声優は、主人公の2人には共にミュージシャンでもある幾田 りらとあのが起用されている。因に幾田は細田守監督作品で 声優の経験があるが、あのは初めてのようだ。但しあのには 2023年8月紹介『鯨の骨』などの演技の評価はある。 他に種崎敦美、島袋美由利、大木咲絵子、和氣あず未、白石 涼子、入野自由、内山昂輝、坂泰斗、諏訪部順一、津田健次 郎、杉田智和、TARAKOらが脇を固めている。 かなり圧倒的な世界観を持つ作品だが、そんな中でもある種 の普遍的な物語が展開されるという、その描かれる内容にも 注目できる作品だ。それは3・11以後の日本社会が反映され ているものでもあるようだ。 とは言うもののそこからの外挿は、巨大宇宙船という特別な シチュエーションの許で繰り広げられる訳で、それは中々興 味を惹かれるものになりそうだ。しかしそれが本作「前章」 ではまだ始まらない。 但し、いろいろな事象が徐々に開示されて行く展開は観客を 引っ張り続けるものにはなっており、否応なく「後章」を待 ち遠しくなる作品にもなっていた。その「後章」の試写はま だだが、試写が行われ次第に紹介したいものだ。 「前章」の公開は3月22日より、全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社ギャガの招待で試写を観て投稿 するものです。
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