| 2022年08月21日(日) |
裸のムラ、メイクアップ・アーティスト |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『裸のムラ』 兵庫県出身で大学卒業後に富山チューリップテレビ入社、同 局で日本民間放送連盟賞優秀賞や文化庁芸術祭優秀賞などの ドキュメンタリーを制作した五百旗頭幸雄監督が、2020年に 石川テレビに移籍して発表した2本のドキュメンタリー番組 を基とした作品。 2022年3月、それまで7期27年続いた前知事に替って元プロ レスラーで前衆議院議員の馳浩が新県知事に当選した。その 裏面に蠢く人間模様と同じ石川で暮らすイスラム教徒一家、 さらにヴァンライファ―の暮らしぶりが描かれる。 普通このような複数のテーマを追う作品では、一つを縦軸に 他を横軸になどと書くが、本作の場合は横軸はなく、三つの テーマがそれぞれ独立に描かれる。そこでこの三つのテーマ に関連性があるかと言うと、それも全くない。 ではなぜこの三つを一緒に描いたのかと言うと、その状況の 説明もされることはなく、それらが入れ子で描かれる作品は 観る者を混乱に陥れるだけで、それがそれぞれのテーマ性を 希薄にしているとしか思えなかった。 それはテレビドキュメンタリーなどでは、ただ風景だけを写 す観光映画のような、テーマ性の無いものもあるが。監督の 出自からしてそれを狙っているとは思えず、深遠な思惑があ るのかもしれないが、僕にはそれは理解できなかった。 出来ることなら、これらの三つのテーマをそれぞれに掘り下 げた3本の独立した作品を観たいものだ。例えばヴァンライ ファ―、若しくはイスラム一家を縦軸に県知事選を彩り程度 に差し込んだ、そんな2作品を観たいとも思った。 公開は10月8日より、東京はポレポレ東中野と石川県は金沢 市のシネモンド他にて全国順次ロードショウとなる。
『メイクアップ・アーティスト:ケヴイン・オークイン・ス トーリー』“Larger Than Life: The Kevyn Aucoin Story” 1990年代に革命的ともされるメイクアップ技術を駆使し一世 風靡したアーティスト生涯を、自らもメイクアップ・アーテ ィスト出身のティファニー・バルトーク監督が描いたドキュ メンタリー。 1962年ルイジアナ州生まれの少年は、生後1カ月でフランス 系一家の養子となり、同じく養子の妹・弟と共に成長する。 しかし野球のコーチだった養父の男らしさを求める養育には ついていけなかった。 そんな中で歌手バーブラ・ストライサンドのメイクに興味を 持った少年は、美しい女性の絵を描くようになり、やがて保 守的な故郷を飛び出しニューヨークへ向かう。そこで自らを 「醜い=悪」と思っていた少年は、「美しい=良い」という 思想でメイクアップによる美を追求し始める。 そして無料でモデルのテスト・メイクをしながら食い繋いだ 若者はめきめきと頭角を現し、8ヶ月で「ヴォーグ」誌の撮 影に呼ばれ、ファッション業界に足場を築き上げる。さらに 21歳の時にはレブロン社のクリエイティヴ・ディレクターに 起用されるまでになる。 ところが2000年頃から頭痛や精神的圧迫に悩まされるように なり、やがて薬剤の摂取などによる障害がアーティストの身 体を蝕んで行く。それはある難病が原因だったが…。 映画ファンとしてメイクアップと言われると1981年から授賞 が始まったアカデミー賞の部門を思い浮かべてしまうが、本 作でもちょうどその頃からアーティストの活躍は始まってい るようで、そういう時代背景なのかなとも思ってしまう。 正直に言って僕のメイクアップへの認識はそんなものだった が、本作を観ているとその奥の深さみたいなものも理解でき る感じがした。そして天才と呼ばれる人の素晴らしさも理解 できる作品だった。 公開は10月7日より、東京は渋谷ホワイトシネクイントにて 先行上映の後、10月14日からはアップリンク吉祥寺他で全国 順次ロードショウとなる。
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