| 2022年08月07日(日) |
ソングバード、バビ・ヤール、さすらいのボンボンキャンディ |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ソングバード』“Songbird” COVID-19より強力なCOVID-23が蔓延している近未来を描いた 2017年4月紹介『パージ:大統領令』などのマイクル・ベイ 製作による2020年本国公開のSFアクション。 COVID の後の数字は当該コロナウイルスが確認された年号と されているから、この物語は2023年以降の出来事ということ になる。その新型コロナウイルスは感染力も致死率も桁違い に高いようだ。 このため人々は家に閉じこもり、外気に触れることすら極端 に避ける生活を送っている。そんな中で主人公はCOVID-23に 免疫を持つことが確認されている人物。そこで主人公はバイ ク便で人々に荷物を届ける仕事に従事している。 そんな主人公はある若い女性に恋をしている。それは彼が荷 物を誤配したことから始まったようだが、外気に触れること も危険な彼女との逢瀬は、ドア越しの会話だけで直接触れ合 うこともできない切ない恋だ。 一方そんな世界では、わずかな免疫者が社会の実権を握るこ とも容易で、検疫行政を行う部署の頂点となった免疫者は、 発症者の出たアパートの全住民を隔離地区に送致するような 極端な施策を繰り広げていた。 そして彼女の暮らすアパートで発症者が出てしまう。 出演は、2017年スタートのテレビシリーズ “Riverdale”で ブレイクしたKJ・アパと、ディズニーチャンネルのオリジ ナルムーヴィ “Descendants”でも人気の俳優兼歌手ソフィ ア・カースン。 他にブラッドリー・ウィットフォード、デミ・モーア、クレ イグ・ロビンスン、アレクサンドラ、ダダリオ、ポール・ウ ォルター・ハウザー、ピーター・ストーメアらが脇を固めて いる。 脚本と監督は、2000年のデビュー作 “The 13th Sign”から 一貫してホラーサスペンス作品を手掛けている1975年生まれ のアダム・メイスン。なお脚本は盟友サイモン・ボーイズと の共同のものだ。 SF映画を長年観てきたが、この種の作品を当事者の立場で 観ることになるとは予想もしていなかった。それは当事者の 目からすると、いろいろ突っ込みたくなるものも散見される のだが、それを超えてよく作ったという気持ちにもなる。 今全人類が感じていることを素直に表現した作品とも言えそ うだ。 公開は10月7日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国 ロードショウとなる。
『バビ・ヤール』“Бабин Яр. Контекст” 1941年9月29日と30日の二日間に、ウクライナ・キーウ郊外 のバビ・ヤール渓谷で起きた惨劇をアーカイヴ映像で描き、 2021年カンヌ国際映画祭のドキュメンタリー部門≪ルイユ・ ドール≫で審査員特別賞に輝いたウクライナの名匠セルゲイ ・ロズニツァ監督作品。 事の始まりは1941年6月。ナチスドイツはソビエト連邦との 間で結んでいた不可侵条約を一方的に破棄してウクライナに 侵攻。各地に傀儡政権を樹立しながら支配地域を拡大して、 9月19日にキーウを占領する。 そんな中の9月24日、キーウの市街で多くの市民を巻き込む 大規模な爆発が発生、それをユダヤ人の仕業としたナチス軍 は市内に住むユダヤ人のほぼ全員を集め、郊外の渓谷に連行 して銃殺。その数3万3771名は史上最大の虐殺とされる。 しかしその事実は、ソ連支配下ではもちろんその後も長らく ウクライナ人の間で歴史的タブーとされ、実際に1964年生ま れでキーウで育った監督も近年まで知らなかったということ だ。 そんな隠された歴史が白日の許に晒される。その映像の多く はナチス軍が記録のために撮影したものだが、その撮影後は プロパガンダ等に利用されることもなく、各地の資料館や個 人などが死蔵していたもの。 それらの映像を監督がコツコツと収集して、レストア編集に より公開したものだ。それは正しく貴重な映像だが、正直に 言ってかなり強烈な描写もあり、観る側にもかなりの覚悟が いる。しかしこれが人類の所業なのだ。 そして今現在ロシア軍によるウクライナ侵攻が続く中で、正 に歴史は繰り返されると言わざるを得ない。そんな状況が描 かれた作品だ。 公開は9月24日より、東京は渋谷のシアター・イメージフォ ーラム他にて全国順次ロードショウとなる。 なお、上記の原題ではウクライナ語のものを記しています。 試写会ではロシア語の題名が記されたものが上映されたよう に思いますが。昨今の情勢に鑑みて、敢えてこのようにさせ ていただきます。
『さすらいのボンボンキャンディ』 2018年1月21日題名紹介『名前のない女たち』などのサトウ トシキ監督が、ラジオ・プロデューサーでもある作家延江浩 が2002年に発表した短編集『7カラーズ』の一篇を映画化し た作品。 主人公は30代半ばで夫が長期の海外赴任、過ぎる日々を無為 に過ごしてきた女性。そんな女性が一人の男性と巡り合う。 そして意気投合した二人は深い仲になって行くが、男は突然 姿を消してしまう。 そんな彼女には男の弟から姿を消した理由が伝えられるが、 彼女には到底納得はできない。それでも男を忘れるためか他 の男性とも付き合ってみるが…。まあ男女の関係なんてこん なものかなという物語が展開される。 とは言うものの、男女の関係に何らかの洞察がある訳でもな く、ただ単純に男女関係のみが描かれるのは、これが現代と いうものなのだろう。 出演は2022年6月紹介『激怒』にも出ていた影山祐子と、俳 優原田芳雄の息子でミュージシャンの原田喧太。他に2017年 11月紹介『霊的ボリシェヴィキ』などの伊藤洋三郎らが脇を 固めている。 因に原田の出演は原作者の要望だそうで、父親芳雄の遺作と なった2011年6月紹介『大鹿村騒動記』の原作も延江浩だっ たそうだ。 公開は10月29日より、東京は渋谷のユーロスペース他で全国 順次ロードショウとなる。
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