ATFの戦争映画観戦記



【File015】底抜け底抜け軍艦(おふね)が通る・・・

2001年12月02日(日)

「戦車好き」向けのお話の次は、やはり空戦、戦闘機・・・か、と期待された方々も多い(そんなのいね〜よッ)でしょうが、予想に反して軍艦のお話です。でも軍艦・・・海軍を舞台にした戦争映画は多いんですが、血涌き肉躍る海戦を描いた戦争映画って、実際に観れるのは少ないんですよね、これが。やっぱ海戦といえば戦艦対戦艦。唸る巨砲、たなびく砲煙、巻き上がる水柱、飛び散る装甲・・・が醍醐味でしょ。そう言う観点から観るとビデオやらDVDのソフトになってるのがあんまり無いんです。「トラトラトラ」や「ミッドウェー」は航空機中心だしな〜ッ。強いて言えば「ビスマルク号を撃沈せよ」「戦艦シュペー号の最後」ちょっと時代を遡って「日本海大海戦」なんてのはありますけどね。それ以外・・・?「砲艦サンパブロ」「魚雷艇109」新しいところで「Uボート」「U-571」「パールハーバー」なんてのもありますがね〜ッ。ちょっとイメージ違うよな〜ッ。やめたやめた。
そこで今回のテーマは、開き直って海軍を描いたもう一方のジャンル「海軍コメディ」についてです。軍隊を舞台にしたコメディは結構あるんですが、やっぱ海軍を舞台にしたコメディは、一種独特の雰囲気がありますな。

【底抜け船を見棄てるな】
「底抜け」シリーズと言えば、この人�爛献Д蝓次Ε襯ぅ広瓩粒し灰灰瓮妊�です。タイトルからすると、なんか�爛椒蹈奪船き畫イ�舞台みたいですが、その逆。終戦直後、一隻の新鋭護衛駆逐艦が行方不明になります。その艦の艦長が、いつもの如くちょっと頼りないジェリー・ルイス演じる主人公の少尉です。何故少尉風情が艦長なのか・・・ここが物語の味噌でもあるんですが、終戦で艦長以下先任の士官全員が順次復員(全員が予備役だったらしい)して、指揮権が委譲された挙句、最下位の士官である、少尉殿に指揮権が回って来た、という訳です。まあこれも海軍・・・軍隊の階級社会を風刺したお笑いネタなんですが・・・。で件の少尉、どうしても艦を何処にやったか思い出せない。挙句の果てに査問委員会が開かれて・・・お決まりの通りズッコケがエスカレートして行きます。で結局は・・・って言う訳でオチは、やっぱ海軍のお役所事務社会的な世界を風刺したオチで笑わしてくれます。そうそう、途中で少尉がなぜか日本軍の捕虜になるんですが、ここに登場する�狷�本兵�瓩蓮△�決まりの通り�猜儉瓩任后�

【ペティコート作戦】
潜水艦を舞台にした傑作コメディ。艦長役はケイリー・グラント。ドタバタ喜劇ではありませんが、海軍らしいスマートなギャグを見せてくれます。太平洋戦緒戦のフィリピン、空襲により破損した潜水艦が、あれやこれやの騒動の末に出航。途中、機関の不調や遭難した看護婦一行(みんな美人)を救助した事による大騒動、日本潜水艦に間違えられたりとトラブルの連続に頭を抱える艦長の姿が、また笑わせてくれます。物資調達係の士官役トニー・カーティスが狂言回しとして大活躍。艦の航行に必要な色々な物資を、非常手段を駆使?して集めてくるのは、戦争映画ではよく見られる光景。�狷�本軍のトラック�瓩魑�雷によって�犒眥性瓩垢襪�話も傑作。でもって物語後半では�爛撻謄�コート�瓩�重要なアイテムとして登場します。最後はハッピーエンドで大団円、戦後のエピソードのオマケ付きなとこが、また良いですな。

【南太平洋ボロ船作戦】
原題は「THE WACKIEST SHIP IN THE ARMY」直訳すると�猯Ψ海任發辰箸盍駝�な船�瓩辰討箸海任垢�・・・。�猯Ψ貝�・・・?舞台は武器相互援助法によりニュージーランド海軍より米海軍に貸与されたボロ帆船�爛┘魁執罩疉霑�は50口径機銃一丁。なんでも南太平洋の島々で活動する豪州の沿岸監視員たちとの連絡に使用されるとか。それで前線基地まで回漕を命じられるのが、ヨットの選手権で優勝経験のあるジャック・レモン演じるクランドル大尉。ヘマの連続で閑職ばっかりにブ〜垂れてて、いつも海軍法典を暗記してます。でもって配属される部下はリッキー・マーチン演じる新米少尉以下一癖も二癖もあるオチこぼれ水兵たち。勿論帆船の経験は�爛璽蹲瓩任后�で、お決まりのドタバタです。でも最後は・・・いかにもアメリカ人好み�爐�んばれベアーズ�甅爛蓮璽肇屮譽ぅ�リッジ�當イ蠅劉狢腟嫖哨好函璽蝓辞瓩任垢�。変な日本語を喋る日本軍が登場します。でも指揮官の将校は英語バリバリ。アメリカ留学経験があるとか・・・捕虜になるのも気にしてません。この映画ハリウッド製かと思っていたら、なんとイギリス製の作品でした・・・。前二作とは異なり�狃�性�疝蹐澆離疋織丱燭呂△蠅泙擦鵝�

【狂乱のモンテカルロ】
海軍コメディといって良いかどうか迷いましたが、軍艦上が舞台のシーンが多いので・・・凄いタイトルですが、作りはちゃんとした?作品です。なんと1931年製作のドイツ映画です。架空国家の軍艦。艦長が艦尾で昼寝してたり、はたまた水兵が舷側で釣りしてるような暇な巡洋艦を舞台に、艦長や乗員の他に女王陛下やお付きの女官、カジノのオーナーを巻き込んでストーリーが進行します。二次戦以前の欧州の軍艦が登場するだけでも珍しい(記憶では戦艦ポチョムキンくらいか?)ですな。ストーリーはドタバタと言うよりはハチャメチャで、恐れ多くも女王陛下が変装(と言ってもつけホクロだけ)して艦長を誘惑するだの、艦長が乗員の給料つぎ込んでカジノで博打を打つだの、砲撃すると脅してカジノの負け分を取り戻すだの、最後は艦長が艦の指揮権を放棄して海外に逃げるだの、それを女王陛下が追っかけるだの・・・と凄い話なので、当然の如く戦前の日本ではカットだらけで公開されたそうですが・・・。でも「会議は躍る」と並び評される名?作品だそうです。

【潜望鏡を上げろ】
タイトルは勿論ジェームズ・ガーナー主演の1959年度作品「潜望鏡を上げろ(UP PERISCOPE)」の引っ掛け。こちらの原題は��DOWN PERISCOPE�瓩�いおい�狎�望鏡を下げろ�瓩犬磴覆い�・・・などとお堅いことは仰らずに。舞台は現代。原潜の副長ドッジ少佐は優秀だが問題児のため、中々艦長になれない。そんな彼に降って涌いた艦長職。喜び勇んで着任したのは良いが・・・待っていたのは、なんと二次戦の遺物的ディーゼル潜水艦(ガトー級かパラオ級)なんでもテロリストがディーゼル潜水艦を手に入れて攻撃してくるのに対抗する演習のためだとか・・・。で最新鋭の原潜や艦隊を相手に、ドッジ少佐の奇抜な作戦が開始されます。この作品でもお決まりの如く部下の乗員は落ちこぼれ揃い。神経症の副長、グラマーな女性潜航士官、神の耳を持つソナー手、感電症の電気兵、ディーゼル潜水艦の生き字引の機関兵曹長、艦隊司令長官の息子の超不良マッチョ水兵等々・・・。でも最後は・・・ハッピーエンド。嵐の中、漁船に変装して監視網を突破したり、鯨の鳴き声で原潜の探知をかわしたり、巨大タンカーのスクリュー航跡の中に入って包囲から脱出したり・・・ハラハラドキドキの連続。ある意味「クリムゾン・タイド」や「レッド・オクトーバーを追え」より面白いと思うんですがねぇ〜。エンディング、未公開シーンやNGシーンをバックにビレッジピープルの歌う名曲「IN THE NAVY」が泣かせます・・・。

【ホット・ネイビー】
原題は「McHALE'S NAVY」なんでもアメリカで昔人気だったテレビコメディシリーズ、でもって主演はアーネスト・ボーグナインだった作品のリメイク映画化作品です。元々はカリブ海で海軍払い下げの魚雷艇を駆使して悪徳密輸業者やギャングをやっつける正義の味方的お話だったようですが、映画は、理由あって海軍を退役したマックヘイル元大尉が、テロリストの悪巧みに巻き込まれ、海軍に復帰、愛艇を駆使してテロリストと戦うお話になってます。まあコメディですから血なまぐさい場面はあまりないですが、登場するテロリストの使用する高速攻撃艇は007も真っ青の特殊装備満載。次から次に秘密兵器が登場します。主人公操るボロ魚雷艇(実は高性能だが、配属される部下はお決まりの落ちこぼれ水兵)と激戦?を繰り広げます。またアホな上官と美人の秘書との掛け合いも傑作。なんとアーネスト・ボーグナイン本人が主人公の父親役で登場してるところも見せ場のひとつでげす。

【ミスター・ロバーツ� 曄撻潺好拭次Ε僖襯弌辞◆�
う〜む。この作品をコメディと言ってよいのか・・・。笑わせる場面が多いので、やっぱコメディなんでしょうか?でも二作品とも、ラストシーンはしんみりなのが、ちょっと・・・。太平洋戦争末期の米海軍小型補給輸送船を舞台に悪徳艦長(意地悪・変質狂?)と士官・水兵たちの対立を描いた作品。�,任牢歪耕鬚鬟献А璽爛此Ε�ャグニー、ロバーツ中尉役をヘンリー・フォンダ、パルバー少尉役をジャック・レモンが演じてます。久しぶりの休暇で上陸した水兵たちがハメを外し過ぎ軍港を追い出されるシーンや、ロバーツ中尉の堪忍袋の緒が切れて艦長の大事にしている椰子の木を海に投げ捨て、怒った艦長が非常戦闘配置を呼集するシーンで、水兵たちが椰子の植わっていた缶をみんなで拝むシーン・・・は笑えます。�△廊,茲衞�10年後に製作された続編。前作でジャック・レモンが演じたパルバー少尉(劇中では中尉)が主人公で、演じるはロバート・ウォーカーJr。艦長役は前作とうって変わって丸々肥ったバール・アイブス(こんな肥った艦長いね〜よな〜ッ)。艦医役でウォルター・マッソー、水兵役で若きジャック・ニコルソンが良い味出してますが・・・全体的にパワーダウンしてるのは見逃せません。�△慮�せ場は�,汎瑛揚鷯鐇鐺�配置シーン(こっちは発砲シーンあり)とパルバー中尉と艦長が漂流して流れついた島で、艦医の無線の指示によって�犂歪垢量嫩沖瓩鬟僖襯弌蔀羂咾�手術するシーンってトコですか・・・。

こうやってみると、海軍コメディってやっぱアメリカ海軍に多いですな。日本海軍を舞台にした作品(フランキー堺主演の�爐△�軍艦旗シリーズ��)なんかもありますが、軍艦を舞台にしてるよりも、陸上の海兵団なんかを舞台にしてるので、ちょっと趣きが違うんだよね。まして海軍国たるイギリスじゃ、海軍を舞台にしたコメディって難しそうだし・・・やっぱアメリカ海軍なんですかねぇ〜。【続く】


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