自作自受
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2011年11月30日(水) 連続(422)

優しさを少し
水に溶かして口に含んで
舌の上で転がして
ごっくん

落ちてくる気配さえない
包み込む膜が
温かくも煩わしく思われ

突き破った先には
懐かしい冷たさと
新鮮な痛みがあった

闇雲に振り回したバットは
一番近くに居た人の頭に直撃し
可哀想だけど
もう手遅れで
可哀想だけど
それは偶然当たっただけだから

聴こえない音はきっと
聴く必要のない音
解けない問題の答えは
きっと知らなくても大丈夫
大事なことは
井戸の中で全部覚えたから
分ってるから

必要なのは
ニーニーと鳴く五月蝿い子猫じゃなくて
大きな岩みたいな干からびた背中

過ちをバケツに入れて
道端に捨てる
痛みを目から吸収し
鼻から吐き出す

なんてことない
過ぎ去った
碧色の蛙
飯食わぬ女房

なんてことない
待ち受ける
糸の切れそうな凧
風上に立つ薄汚れた裏切り者

寂しさを24時間
好きな歌と
言い訳で包んで
まるごとごっくん


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