のほほん日記
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2010年05月01日(土) 煙草。

祖父はいつもパイプを燻らせていた。
小さかった僕は葉を詰めて火をつける祖父の仕草を
いつも近くで見ていた。
祖父の囲碁仲間の老人はいつも蝶ネクタイをしていて
昼間からワインを飲み、囲碁を打っていた。
パイプの香りと絶えず響く笑い声。
子供の僕にもワインを薦めたり
素敵な不良老人たちだっだ。

親父が煙草を吸っている姿はあまり見た事がない。
煙草を吸う時は別室へ行って、一本をゆったりと燻らせていた。
人の健康を気にする人ではないから
邪魔されたくなかっただけだろう。
何か用事があっても、今は煙草を吸っているからと待たされた。
煙草は金属のケースにきれいに並べられていて
パイプの香りに近い濃厚な香りがしていた。

パイプの似合う老人になりたかったな…。

清潔で健康的な流れに押し流されていく。
セピア色の記憶がどんどん幻になっていく。
味も奥行きも薄くなり、軽薄な幸せが残るのか。
そこに染まることが幸せなのか。
動物園の獣たちのように。


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