ストーブの活躍が日に日に目立ってきた。 寒い。 冬が近づいて来たのは知っているが、この素早さは一体… 寒さが身に染みるのは…年齢なのか、なぁ… そんなしょぼくれた秋の極爆である。
本日、帰宅時に何やら空腹に襲われる。 所謂「こばら」というやつである。 基本、こういう衝動は黙殺するのが極爆なのだが、 今日はふらりとコンビニへ。 タバコを購入し、カウンター内の商品を眺める。 よし、今日はフライドチキンにしよう! と、店員に頼みカウンターで待っていると、 極爆の背後に親子がならんだ。 聞くとは無しに耳に入ってくる会話… 母「何か食べたいものがある?」 娘「フライドチキン!!」 ああ…もしや、この娘は。 と考えたのもつかの間、嬉しそうにカウンター前ショーケースの、極爆が頼んだチキンを指差す少女。ちなみに現在チキン数、1。 そして、最高のタイミングで、そのケースから取り出し、極爆の目の前にチキンを置く店員。 母「あー残念。ちょうど無くなっちゃったねぇ」 これを聞いて、尚そのままチキンを持ち去れる男がこの世にいようか。 「ち、チキンは…いらないです。」この言葉をなんとか告げ、タバコを持って去る極爆であった。 やはり、長く生きている人間は、後に産まれる子供の為にやらねばならぬ事があるのだ。 チキン一枚を子供と取り合う大人にはなるまい、とその場を離れた極爆ではあったが、 今考えると、極爆が立ち去る事により、「買う」以外の選択肢を奪ってしまい、結果、あの母娘には無駄遣いをさせてしまったのではあるまいか? などと、今更ながら不安にかられてしまうのである。 一つの親切が導く泥沼の混沌。 小さな親切なんとやら、である。
|