街角のマエストロ

 マスターに出会った

 発音に直すとマスター/と語尾が上がる
 あくまで喫茶店のマスター\とは違う

 マスター\なら喫茶店なり何かしらの店を経営すれば
 それだけで誰にだってなれる

 極端な話、コーヒーの入れ方が分からなくッたって、だ

 だが、マスター/は違う
 スペイン語に言い換えるとマエストロ
 その道の熟達者であり生粋の職人だ

 街角のマエストロはさりげない
 今日出会ったマエストロも見た目は言わばただのおっさん
 だが作業を始めた手元の動きだけは正確で細かい
 それは何気に話をしながらなので気が付きにくい

 しかも出来ない出来ないと悩みながらも
 最後には結局素晴らしい完成形に仕上げてくれた
 もう駄目かと思っていたのに、だ

 マスター\は何人も知っているが
 その中にマスター/は数えるほど

 マスター/との出会い、それが趣味の向上に直結する
 街角のマエストロは気付けば隣にいるかも知れないのだ

  


  
 
 
2002年12月28日(土)

大魔王の脳溶け日記 / 大魔王

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